お風呂嫌いのわんこをお風呂に入れる方法
まず、トリマーさんがするシャンプーと飼い主さんがするシャンプーではどんな風に違うのか考えてみましょう。
トリマーさんはどんな事に気を付けてシャンプーをしてるのか。
お湯の温度は?
基本的には37~38度くらいが良いとされているのですが、体感温度が季節によって変わります。
自分の肘の裏側の一番柔らかい皮膚で温度を感じ、心地よい温度がわんこも心地よい温度と考えます。
保定の仕方は?
おうちでは飼い主さんが「動くな!」と無理に押さえ込んで作業してしまいがちだと思いますが、トリマーさんは大概の犬に対して、『押さえ込む』というよりも『骨をとめる、骨を動かないようにする』という方法を用いています。
これには力は使いません。関節技と似ていますね。
シャンプーの時は片手でわんこの骨をとめて、動きを封じながらもう片方の手で作業をしています。
シャンプーが好きなわんこでもこの手を離せば動き回ることが多いです。
※下手な骨のとめかたは骨折を招くことがあります。実践したい場合は専門家に学んで安全に行いましょう。
わんこに対する細かい気配りは?
シャワーをかける時はいきなりNG
人でも、知らない人間に水をいきなりぶっかけられたらビックリします。笑い話でなく、わんこの場合も心臓発作が起こってしまうこともあります。
わんこたちは人間よりも音に敏感ですので、耳から一番遠い後ろの足先から徐々に頭に向かってシャワーをかけます。これにより水にも温度にもシャワーの音にも安心できます。これはトリマーが学ぶシャンピングの基本です。
シャンプー剤やリンス剤は温かいお湯で溶いてから
そうすることによって、身体中ムラなく洗剤がいきわたりますし、洗剤を体にのせる時の冷たいヒヤッと感もなくなり神経質な子でも納得してくれるでしょう。
※シャンプー剤によっては希釈倍数が決められているものもありますし、薬用シャンプーにおいては薄めると効果が薄れるものもあります。そのパッケージに書かれている事柄に従いましょう。
顔を流す時は気を使う
顔をシャワーで流すことを嫌がるわんこには顔をパーツに分けて考えます。頭頂部、右の耳、左の耳、右の頬、左の頬、右の口先、左の口先、そして顎下。
これらを一ヶ所ずつ丁寧に流します。
それでも嫌がるわんこには、清潔なスポンジに水を吸収させ、なるべく音がたたないように、まるでお母さん犬が仔犬を愛しく舐めるように、撫でながらスポンジに含ませた水をかけていきます。
出来るだけ短時間になるように工夫する
全身がシャワーで濡れている時間が長いと、わんこはだんだんと寒くなってしまいます。
夏場であっても全身が冷えてしまいます。
それによってシャンプーに対して不快なイメージを与えてしまうことがあります。
わんこのデリケートな部分に気を使ってあげる
そのわんこが触られると嫌がる部位、男の子であればタマタマ、女の子の陰部などにはシャワーが勢いよくあたらないように工夫してあげます。
洗い方は?
人間の頭をゴシゴシ洗うようにわんこも洗ってしまうと、人間よりもわんこの方が皮膚が薄いため刺激になってしまうことがあります。
わんこが嫌がらないように優しくマッサージするように洗います。
この時、わんこの表情を見て気持ち良さそうな顔をしていればOKです。
それから、覚えておいて欲しいのは基本的な汚れは最初のシャワーの流しの時に落とすものであるということです。
シャンプー剤をつけて泡立てるのは皮脂汚れや細かな汚れを浮き上がらせて落とすだけであって、ゴシゴシして全ての汚れを落とすのではありません。わんこのシャンプーのメインは最初のシャワーの流しです。
サロンだとシャンプーを嫌がるわんこにどうしてるの?
一口に「わんこがシャンプーを嫌がる」といってもその嫌がる原因となるものが様々だったりします。
- 水が嫌いなんじゃなくてシャワーの音が怖い
- 水が嫌いなんじゃなくてドックバスの中で体を押さえられるのが怖い
- 単純にシャワーの水が体にかかるのが嫌
最初はこのような原因だったのにいつの間にか、わんこの中でシャンプーは嫌なイメージとして定着しシャンプーの全てを嫌うようになってしまいます。
それに追い討ちをかけるように「シャワーの水が顔にかかり苦しかった」や「シャワーの勢いが強いと感じ痛かった」などの怖い体験が上乗せされていくことがあります(トラウマ)。
トリマーさんはこういったことを念頭に置き、その子の嫌がる原因となっているものは何なのかを経験から考え、その子に合った工夫をしていきます。
例えば、
シャワーの音が怖い場合
シャワーヘッドをわんこの体に密着させたりシャワーヘッドを外してホースとして使いシャワーの音が出ないようにします。
ドックバスの中が怖い場合
ドックバスに慣れてくれるまではわんこの上半身を抱っこするように支え、ドックバスの外を見渡せるようにします。
落ち着いてきたらドックバスの中にいられるようにゆっくりと慣らしていきます。
そういった様々な工夫をしながら、トリミングに通ってもらう度に徐々に慣れてもらえるように努力をします。
いずれにしてもシャンプー嫌いなわんこに関しては1日でシャンプーに慣れる訳ではありません。
おうちでお風呂嫌いのわんこをお風呂に入れたい時はどうすればいいの?
上記で述べた通り「お風呂嫌い」にも様々な嫌いな要因がある為、わんこがどんな時に嫌がるのかを飼い主さんが見極める必要があります。
シャワーの音が嫌ならホースを使ったり、水に濡れることが嫌ならお風呂に慣らすより先におやつや大好きなオモチャ等を使い、水遊びをして「水は楽しい」と知ってもらったり、その子に合った工夫をしていくと良いでしょう。
『出来ない、嫌がることは無理にしない』
『お風呂に入る度徐々にゆっくりと出来る事を増やす』
これが重要です。
うちの子の場合
我が家にはトイプードルがいるのですが、トイプードルは一生シャンプーカットが必要になる犬種でもあるので、一生続くシャンプーカットが嫌なものにならないように気を配りました。
お風呂に関しては、仔犬のまだコロコロしている時、獣医の先生からOKがでた頃からお風呂場でシャワーを使ってたくさん楽しい水遊びをしました。
体のどこを触っても嫌がらないように様々な体の部分を遊びながら触ったり、気持ち良いマッサージなどをしました。
これらの小さい頃からの経験により、5歳になった今でもお風呂が大好きで「シャンプーしよ!」の言葉に尻尾のみならずお尻ごとブンブン揺れます(笑)
まとめ
人は「あーお風呂入りたい」と言って自ら好んでお風呂に入りますが、わんこの場合は違います。
人が、雨に濡れたり不意に水がかかったりした時に不快に感じるようにわんこも不快に感じているのかもしれません。
お風呂嫌いなわんこには無理せず出来る事から徐々に慣れてもらう、慣れてもらうには飼い主さんのアイディアや工夫が必要です。
飼い主さんもお風呂嫌いなわんこをマイナスと考えず、わんことのコミュニケーションとして、お風呂トレーニングを考えられると良いと思います。
お風呂を好きになってもらえるように試行錯誤して飼い主さんもわんこも楽しむことが出来れば、わんこも飼い主さんもハッピーになれますよ。
ユーザーのコメント
女性 ろん
うちはいつも歌を歌いながらお風呂に入れます。歌ともいえない鼻歌みたいなものですが、真剣になって怖い顔していたらお風呂嫌いになるかもと思ってフンフンと歌ってます。ドライヤーまですべて済んだらご褒美をあげます。小さい頃からそうやっていたので、お風呂(たらい)に自ら入ってくれる姿が愛らしいです。
ただ、素人のお風呂だからか地肌までしっかりとはにおいが取れません。丁寧に洗いすぎても自分もわんこも体力消耗するので程々に切りあげるのですが、美容院のように数日間全然におわないとはいかないところが悔しいですね。なにかコツがあるのでしょうか?シャンプーの種類でしょうか?お風呂のポイント第2弾が聞きたいです。
女性 RUKA
お風呂に初めていれさせる前にシャワーの音をお風呂場に連れて行って聞かせたり
ワンちゃんの前でドライヤーをしたりしていました。
急な状況変化はワンちゃんにとってストレスや恐怖につながるので
小さいことから徐々に慣れさせた方が、いざお風呂にいれようとするときに
吠えたり逃げたりしにくくなると思います。
私の場合、お風呂に対して嫌がったり怖がったりしたらおやつをあげるようにしています。
お風呂にはいっておとなしくしていれば、おやつが貰える!と思っているのか、うちのワンちゃんは嫌がらなくなりました。
できれば1人ではなく、協力してくれる人と2人でお風呂に入れさせたほうが
効率よく早く終わるのでワンちゃんにとっても飼い主にとっても良いと思います。
女性 mocmoc
ただ、子犬の頃に鼻に水を入れてしまった時はさすがにすごい拒否でした。しばらくはお風呂に連れて行くだけでも唸って暴れ苦労しましたが、トリミングに連れて行くようになるとトリマーさんがプロだったからでしょうか、帰宅後妙に大人しく、それから足を洗うだけでも抵抗しなくなりました。うちの愛犬の場合はお風呂嫌いを改善したというよりトリマーさんが改善してくれた、という感じです。
これ以降特に気を付けていることは、このくらいです。
・お湯の温度。人肌くらいで冬はそれからやや温かいくらい。
・顔にかける水の方向。犬の視界から外にいくようにしました。
・鼻を上に向ける。短い鼻なので水が流れていかないようにしました。
・洗う時は後ろ足から。指の腹を使ってマッサージをしながら洗う。
・なるべく声を掛ける。これは一番効果があるかと思います。
長毛犬は特に、シャンプーはとても大事なので子犬の頃から慣れさせておくと、成長してからも楽に洗えると思います。
40代 女性 momo
シニアになって、毎回はお風呂に入れるのが困難だったり、病気で入れない時には、泡のシャンプー(洗い流し不要)をしてあげて、次のシャンプーまでつなぐという方法もありますので、飼い主さんが工夫してあげてほしいです。
30代 女性 ☆Lily☆
うちの仔達もシャンプー?というか 水がキライです(^_^;)
シャワーは 足元からかけ、シャンプーは手のひらで泡立ててから洗うようにしています。
問題は顔ですよねww
鼻に水が入らないように 鼻を高く上げさせ、片手で目を隠して もう片方の手でシャワーをかける☻
目を覆っているので、ギリギリのところまでシャワーできるようになりましたよ(*^▽^*)
口周りは、あごのほうから徐々にシャワーをかけ、なるべく鼻にかからないようにしています(o^^o)
ドライヤーも体から乾かし、音に慣れさせてから最後に顔ですね☻これも、鼻に風が当たらないようになるべく気をつけています(o^^o)
回数を重ねるごとにワンコ達も慣れてきている気がします♪
30代 女性 ロン
50代以上 女性 まる