犬に必要な水分量はどのくらい?与え方から注意点まで

犬に必要な水分量はどのくらい?与え方から注意点まで

犬にとって1日どのくらいの水分量が必要かを知ることで、意識的に水分不足を防ぐだけでなく、飲水量が過剰かどうかを判断する基準にもなるため、病気の早期発見にもつなげることができます。そこで、今回は犬に必要な1につの水分量と与える際の注意点などを詳しくご紹介していきます。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬に必要な1日の水分摂取量の計算

水を飲む柴犬

犬の体の60%は水分でできています。しかし、どの程度の水分量が必要かは犬の大きさによって異なるため、いったいどのくらいの水分量が必要かをある程度把握する必要があります。

しかし、どのくらいの水分摂取量がいいのかってあまりわからないですよね。ですが、目安として1日の水分摂取量を算出する計算方法があるため、まずはそちらをご紹介します。

計算方法は「体重の0.75乗×132」をすると算出することができます。0.75乗というと難しいですが、実際は電卓を使うとすごく簡単で、体重を3回かけて√を2回押して132かけた数字がその子の必要水分量となります。

例えば5kgの子であれば

5×5×5=125√√×132=441

となるので、441ml前後が水分摂取量ということです。しかし、あくまでもこれは目安なので必ずこの量を飲んでないといけないわけではありません。

しかし、体重に対して算出された量を飲んでいれば水分不足になっていることはありませんし、水分量が足りているか同課の基準として判断することができます。

犬に与える水は新鮮なものをこまめに与える

手のひらから水を飲む犬

1日に必要な水分摂取量を算出したら、次は水分の与え方を見ていきたいと思います。まず与える水は常に新鮮なものを与え、長時間同じ水を置くといったことはしないようにしましょう。

しかし、だからといって決まった時間に水を置くということではなく、水は常に飲めるように置いてこまめな水分補給ができるようにしてあげることが大事です。

もし新鮮な水がいつでも飲める状態でないと、脱水症状になって命の危険にさらされてしまったり、古い水をいつまでも置いてある状態だと雑菌が繁殖してお腹を壊してしまうこともあるため、新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげましょう。

犬が水をあまり飲まない場合の工夫

ジュースを飲む犬

必要な水分摂取量が分かったとしても、もともと水をあまり飲まないといった子もたまにいます。水を飲む量は前後するため計算で出た水の量が絶対ということではありませんが、それでもあまりに少ないと心配になりますし、実際体は負担を感じている場合もあります。

そんな時はちょっとした工夫をすることで水分摂取量を増やすことができるため、飲んでほしいけど飲んでくれないといった場合にはぜひ試してみてください。

ドライフードをウェットフードにする。

ドライフードの含まれる水分は10%程度ですが、缶詰のようなウェットフードになると90%が水分となるため、普通に食事をするだけで水分をしっかり摂取することができます。

しかし、ウェットフードだけを与えるのは噛む力の衰えにもなりますし歯垢も付きやすくなるため、ウェットフードだけをずっと与えるよりも、2食のうち1食だけをウェットフードにしたり、ウェットフードにドライフードも混ぜるといった与え方をするのもおすすめです。

水に味を付ける

水やドッグフードに味を付けて、食べたり飲んだりする意欲を高める商品があります。動物病院に行くと取り扱っていたりする場合もあるのですが、そうした犬専用のアイテムを使って嗜好性を高めることで飲水量を高めるのも一つの手段です。

ただし、カロリーも少なからず加算されるため低カロリーのものを選んだり、毎回水に混ぜるのではなくしっかり飲んでもらいたいときに混ぜるといったような使い方をして、カロリーの取りすぎにならないようにだけ気を付けましょう。

犬の多飲は病気のサイン

フセしている犬

水を飲まないのも問題ですが、たくさん飲む分にはいいのかというとそうでもありません。たくさん運動した後はのどが渇くため、いつもよりもたくさん飲むということはありますが、そうではなく異常に飲む量が多いとなるとそれは病気のサインの可能性があります。

糖尿病や腎臓病、肝臓病といった疾患を患うとのどがすごく乾くため、多飲多尿となり水を飲んでも飲んでも足りないかのような状態になります。

もちろん、多飲多尿といった症状をもつ疾患は他にもいろいろあるのですが、どういった病気なのかは実際に検査してみないとわかりません。

そのため、特別なことをしたわけでもないのに水を異常にたくさん飲む様子が見られたら、いつまでも様子を見るのではなくすぐに病院に連れて行ってあげることが重要です。

まとめ

子犬と水の入ったコップ

1日の水分摂取量は個体差によって違いますが、それでも大体の目安を知り、新鮮な水をいつでも飲めるようにしてあげることで体に負担をかけることを防ぐことができます。

そして、いつもどのくらいの水を飲んでいるかがわかれば、いつもよりも飲む量が少なくなったり逆に多くなったといった変化があると、早い段階でそこに気付くことができ早期治療にも取り掛かれます。

このように、1日の水分摂取量を知ることは健康管理の上でひとつのバロメーターにもなり、健康維持のためにも重要な部分でもあるため、愛犬がどの程度の水分摂取量をが必要でどの程度飲んでいるかを把握し、健やかに過ごすことができるように務めるようにしましょう。

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