子犬のシャンプーは、全てのワクチン接種が終わる生後3か月過ぎてから
生まれてすぐの子犬は、母犬がオシリを舐めて排便を促し、清潔に保つので、シャンプーの必要はありません。
けれども、乳離れして離乳食を食べたりしはじめると、食べこぼしで仔犬の体が汚れたり、動きが活発になっていけばいくほど、子犬の体も汚れてきます。
不潔にしていると、ノミやダニがついたり、湿り気の多い状態で放っておくと、皮膚病になりやすく、健康を損なう可能性が高くなってしまいます。
けれども、生まれたばかりの子犬は抵抗力が弱く、シャンプーをすることで、体力を消耗し、下痢や皮膚炎などの健康トラブルを引き起こしてしまうことも考えられます。
ですので、初めて子犬をシャンプーするのは、全てのワクチン接種が終わる生後3か月を過ぎてからにしましょう。
子犬のおうちシャンプーにチャレンジする前に
お風呂場は楽しい場所だと思わせる
シャンプー未経験の子犬からすれば、住み慣れたお家の中であっても、お風呂場は普段あまり馴染みのない場所だと思います。そんな馴染みのない場所に連れ込まれて、お湯をかけられたら、きっとびっくりするでしょう。
少しでも、シャンプー嫌いになる可能性を少なくするためにも、普段からお風呂場で遊んだり、おやつを食べたりして、子犬に「ここは楽しい場所」だと思わせておきましょう。
人に体を触られるのを嫌がらないようにしておく
出来れば、「人に撫でられるのが大好き!」という状態にしておくのがベストです。
シャンプーデビューの前に、どんなに体を撫でまわされても平気、むしろ飼い主さんに撫でられるのが大好き!というコになっていれば、いずれトリミングサロンにお願いする時も、きっとお利口に出来るはずです。
ブラッシングに慣れておく
シャンプー前には、ブラッシングをして毛のほつれや毛玉をほぐしておき、軽い汚れを浮かせておく必要があります。
いざ、シャンプーの時だけブラッシングをしても、手間と時間がかかるばかりなので、普段から、子犬がブラッシングを嫌がらないように、スキンシップをしながら、嫌がらない程度にブラッシングに慣れさせておきましょう。
子犬のシャンプーの仕方
子犬のシャンプーの仕方も、基本的には、成犬と同じです。
1.ブラッシング
シャンプー前にブラッシングをすることで、抜け毛を取り除いたり、毛のほつれをほぐすことが出来ます。
2.被毛を十分に濡らす
シャワーのお湯で被毛を十分に濡らします。
お湯の温度は、36~38度ぐらいのぬるま湯で。
初めてのシャンプーのときは、顔を濡らさないように注意し、お湯も勢いもあまり大きな音が出るようなことがないよう気をつけましょう。
足の先からゆっくりと、「気持ちいいかな~」と、子犬が緊張しないように優しく声をかけながら、体全体に水分を十分に行きわたらせましょう。
3.シャンプーをする
必ず、犬用のシャンプーを使います。子犬用のシャンプーがベストですが、もし、手に入らなかったら、成犬用のシャンプーをお湯で薄めて使います。
薄めたシャンプーを体全体に回しかけて、体、耳、足、と順番に「泡で洗う」感じで優しくマッサージするように洗います。
足の指の間は、特に汚れが残りやすいので、忘れずに洗いましょう。
リンスインシャンプータイプなら、この後お湯でゆすぎます。
リンスが別のタイプなら、シャンプーの後、軽くお湯ですすぎ、リンス剤もシャンプー同様、お湯で薄めて、全身に回しかけます。
4.お湯ですすぐ
リンスもシャンプーも洗い残しのないように、泡が完全に洗い流せるまでしっかりと、お湯で全身をすすぎましょう。
もちろん、足の間もしっかりとゆすぐことも忘れずに。
5.タオルドライ
使い古したバスタオルを柔軟剤で洗ったものや、ペット用のドライタオルなどを使って、水分をふき取ります。
6.ドライヤー
犬の皮膚は、人間よりも薄く、敏感なので人間用の毛髪を乾かすドライヤーをそのまま皮膚に当てると、熱すぎて火傷をしてしまうことがあります。
同じ場所に当て続けず、指先を曲げて皮膚を優しく、掻くように手を動かして乾かす位置を細かく移動しながら、出来るだけ手早く被毛を乾かすようにしましょう。
監修トリマーによる補足
子犬の場合、シャワーの水圧や音が怖くて逃げてしまったり嫌がることがあります。
その場合、風呂桶から手でお湯をかけてあげたり、ペット用のバスタブを用意しお湯を少し溜めた中にそっと入れてかけ湯してあげると良いでしょう。
子犬をシャンプーする際に気を付けたいポイント3つ
1.子犬が怖がるようなことをしない
シャワーの音や、顔が濡れること、目に水が入ることなど、子犬が嫌がるかもしれないことは極力避けて、顔もお湯で濡らしたタオルで拭くくらいにしておき、初めてのシャンプー、あるいは、シャンプーに慣れていない間は、無理に顔を濡らさず、子犬が嫌がることは出来るだけしないか、手早く済ませるようにしましょう。
2.健康優先で
冬や、春先など気温が低い時は、シャンプーして濡れた被毛がなかなか乾きにくいので、犬にとってはとても寒く感じるものです。
人間でいえば、寒い日に服を着てシャワーを浴び、そのまま濡れた服を着せられているようなものですから、震えるほど寒がって当然です。
気温が低い日は、シャンプーが終わった後、ドライヤーで被毛を完全に乾かす作業が終わるまで、室温も20度以上はキープして、子犬が寒くないようにしておきましょう。
また、シャンプーを予定していた日に、下痢や嘔吐、皮膚に湿疹が出ていたり、耳の中が荒れていたりと言ったような体の異常が見られる時には、シャンプーを中止しましょう。
3.手早く済ませる
長く時間をかけて、丁寧に洗ってあげたいと思いますが、手間取れば手間取るほど、子犬は疲れてしまい、シャンプーをされるのがイヤになってしまいます。
そうならないように、多少、汚れが残ってしまったとしても、二度洗いなどはせずに、手早くシャンプーを済ませましょう。
シャンプーを始める前に、ドライヤーやタオルなどもすぐ使えるようにあらかじめ準備もしっかりと整えておきましょう。
まとめ
愛犬のおうちシャンプーは、面倒な半面、飼い主さんと愛犬との濃密なふれあいの時間でもあります。シャンプーに愛犬を慣らすことも重要ですが、飼い主さん自身がその時間を楽しみ、どうすれば愛犬を手早くキレイに出来るかを考えて、工夫し、努力することも大切だと
思います。愛犬の成長に合わせて、おうちシャンプーもしつつ、時にはトリミングサロンにトリミングとシャンプーをお願いした際、プロのトリマーさんのシャンプーの技術を訪ねてみてもいいかも知れませんね。愛犬とのバスタイム、どうか、楽しんでくださいね。
監修トリマーによる補足
シャンプーは、子犬にとって体力を使う作業です。やむえずお家で行う場合、無理に洗おうとせず子犬の嫌がらない範囲で行いましょう。
終わった後は、目一杯褒めてあげたりおやつをあげるなど、シャンプーは楽しいことだと思ってもらえるようにしましょう。