愛犬に葛湯、葛練りを与えるのはどんな時?
胃腸が弱っているけれど、比較的元気な時
葛湯や葛練りを与える時は、胃腸にダメージがあるけれど、回復に向かっている時や、表情、行動などに生気があり、下痢はしているけれど比較的元気な様子の時に、少しづつ、与えましょう。
体が冷えたり、冷たい水を飲みすぎたり、また、食べ慣れないものを食べたり…と、犬をはじめ、動物が突然、下痢をする原因はさまざまです。
たかが下痢とあなどって、手当てが遅れると、命を落としてしまうこともあり得ます。
ただ、「下痢だから絶食したらいい」と考えず、下痢が長引いていたり、便が異様に臭かったり、嘔吐したり、血が混ざっていたりした時は、まずは獣医さんに診て貰い、原因を確定することが先決です。
「葛湯」と「葛練り」の違い
葛湯は、葛をお湯で割って、とろみをつけたもの。
人間なら抹茶を入れたり、しょうがを入れたり、はちみつを入れたりして飲みますが、犬には、味付けは必要ありません。
ですが、バリエーションとして、りんごや無糖のヨーグルトを混ぜると、風味が出て、喜んで食べてくれるかも知れません。では、「葛湯」と「葛練り」の基本的なレシピをどうぞ。
葛湯の基本的なレシピ
本葛 40グラム
水 500cc
葛練りの基本的なレシピ
本葛 大さじ1
水 200cc
どちらも、水の状態の時に葛をしっかりと水に溶いてから、火にかけます。
中火で、白濁した色から透明になるまでかき混ぜて、温かいうちに与えます。
漢方薬「葛根湯」を知っていますか?
私たち人間の風邪薬として有名な「葛根湯」。
この葛根湯は、葛湯の材料である「葛根」と、その他の生薬をブレンドして作られている漢方薬です。
「葛根」には、体の表面を温め、風邪などが原因で引き起こされる胃腸の不調を緩和する働きがあります。
例えば、「葛根湯」のほかにも葛を使った漢方薬には、「葛根黄芩黄連湯(かっこんおうごんおうれんとう)など、いくつかの胃腸薬があります。
このように、薬効確かな「葛根」から作られている「本葛」が体に良いのは当然ですね。
「葛」を体に取り込むことで期待できる効果とは?
実は、「葛」にはただ、水分を補給したり、冷えている体を温めたりする効果だけではありません。
「葛」には、大豆のようにイソフラボンが多く含まれており、以下のような効果が期待出来ます。
- 血圧を安定させる
- 肝機能向上
- 骨粗鬆症予防
葛湯、葛練りと犬に与える時の注意点
人肌に冷ましてから
人間は、出来立てのアツアツを食べたり、飲んだりして体を温めますが、犬には、あまりにも熱すぎます。口の中や喉を火傷する危険があるので、必ず人肌に冷ましてから与えましょう。
必ず「本葛」を使う
「葛湯」と言って販売されている商品の中には、本葛以外に「片栗粉」が入っている場合があります。また、「お湯で溶いたらとろみがつく」のは、片栗粉でも同じなので、一見、葛湯の代用品として使えそうですが、薬効が全く違います。
「葛」の効果を期待して犬に与えるのであれば、必ず「本葛」を使いましょう。
葛湯から普通食に戻すときの注意点
食材がのどに詰まらないようにする
絶食状態から、葛湯、葛練りと進んで、葛湯や葛練りに普段の食事を少しづつ混ぜて、徐々に普段の食事へと戻していきます。
その際、葛湯や葛練りを混ぜている分、のど越しが良くて慌てて食べて、丸のみしてしまい、フードや食材が大きいままだと、喉に詰まってしまう可能性があります。
葛湯などをトッピングしている時の食事は、食材を細かく刻むなどして、喉に詰まるのを防ぐように工夫しましょう。
便の状態をよく観察する
下痢をし、絶食をした後に食事をとり始めると、便が出てきます。
その時の便の固さ、ニオイ、回数などの状況を見ながら、少しづつ、葛湯の量を減らしていきましょう。
まとめ
一口に「葛」と言っても、しっかりと表記を見て購入しなければ、「外国産」だったり、片栗粉や葛粉以外のでんぷんが混ざっているものなど、玉石混交です。普段から葛湯を与える必要ないと思いますが、もし、愛犬が胃腸の調子を崩した時などに「この銘柄の葛だと間違いはない」というようなものを知っておくとよいかもしれません。