牛肉について
牛肉には、タンパク質・脂質・鉄分が多く含まれており、他の肉と比べると豊富な必須アミノ酸がバランスよく含まれています。また、牛肉にはヘム鉄という栄養素が豊富に含まれており、人では貧血の予防と改善に良いとされています。
予防な脂肪の分解を促進し、エネルギーに変換するという作用を持つカルニチンも豊富に含まれています。
牛肉を与えるメリットとデメリット
本来、生食である犬にとって、生の牛肉は消化しやすく、内臓への負担を減らしてあげることができます。しかし、問題は安全性です。
消化器官の強い犬ですが、寄生虫や病原性細菌などが含まれている可能性のある生肉は与えてはいけません。生の牛肉を与える場合、鮮度の良いものを与えなければなりませんし、部位によっては調理(加熱)の手間がかかってしまいます。
大型犬を飼っている知り合いは、愛犬に生の牛肉を与えているのですが、生で与えることのできる牛肉を買うため、とても大きな経済負担があるようです。牛肉にアレルギーをおこすわんちゃんもいますので、与える際は十分に気を付けてください。
鶏肉について
手作りごはんにも使用されることの多い鶏肉ですが、良質なタンパク質を豊富に含み、低脂肪であることからダイエット中の犬にも嬉しい食材です。
とくに胸肉やササミには必須アミノ酸が豊富に含まれていますし、その中でもトリプトファンという栄養素には、ストレスの緩和など犬にも嬉しい作用があります。
鶏肉を与えるメリットとデメリット
鶏肉の良い点は、良質なタンパク質と必須アミノ酸を含んでいるという点です。胸肉やササミは低脂肪・低カロリーです。
生の鶏肉にはサルモネラ菌が存在します。決して生で与えてはなりません。また、加熱する場合、加熱された骨は割れやすく、喉や胃腸を傷つけてしまう恐れがあります。鶏肉の骨は取り除いてから与えるようにしましょう。鶏肉にアレルギーを起こすわんちゃんもいますので、与える際は十分に気を付けてください。
豚肉について
豚肉には、疲労回復などに効果的なビタミンB群が豊富に含まれており、必須アミノ酸であるトリプトファンには犬のストレスを緩和させる効果があり、情緒の安定に良いとされています。
また、血液中のコレステロールを減少させる効果があり、人のほうでは動脈硬化の予防や生活習慣病の予防にも効果的であり、カラダの機能が低下することを予防し、健康の維持に繋がります。
豚肉を与えるメリットとデメリット
豚肉には、犬の健康を維持するために良い栄養素が豊富に含まれています。豚肉に対してアレルギー反応を引き起こしてしまう犬がいます。初めて与える際には少量を与え、様子を見ましょう。
体調に異常があらわれた場合には獣医さんに相談し、与えないようにしましょう。生の豚肉にはトキソプラズマ原虫が存在するため、決して生で与えてはなりません。十分に加熱してから与えましょう。
豚肉は、部位によっては脂身が多く、脂質の摂り過ぎや肥満になってしまう可能性があるため注意が必要です。
加工肉について
ハム・ベーコン・ウインナーなどの加工肉にはたくさんの調味料が使用されています。私たち人間にとっても脂質や塩分が多い食べ物ですよね。
また、加工肉ではない牛肉・鶏肉・豚肉を調理(加熱)して与える場合、味付けをしないことがベストです。塩やタレのついた肉を与える必要はありませんし、犬は味付けされていない肉でも好んで食べてくれます。
食事中、“ちょうだい”と甘えておねだりしてくる愛犬に対して、ついつい人間の食べ物を与えてしまう飼い主さんも多いと思いますが、大切な愛犬の健康を守るため、一切与えないようにしましょう。与えるのであれば、犬の健康に良い肉を与えたいですよね。
まとめ
手作りごはんを作ってあげたいとき、特別な日に特別なごはんを食べさせてあげたいとき、犬が大好きであろう“肉”を与えたいと考える方もいらっしゃると思いますが、肉を与えることには良いことも悪いこともあります。
消化が早く、内臓の負担を減らすことができる生肉ですが、感染症の恐れがあるため、必ず加熱して与えることをおすすめします。
また、病気をもっているわんちゃんの場合は、お肉だけに限らないですが指定されたもの以外食べてはいけない場合があります。もし気になることがあるようであれば獣医さんに相談してからにしましょう。
ドッグフードからバランスよく栄養を摂ることができている場合、わざわざ肉から栄養素を摂る必要はないと思いますが、ドッグフードからは摂ることのできない必須アミノ酸が肉には含まれている場合もあります。
食事の総合的なバランスを考え、与えることが必要なのではないでしょうか。