犬を落とすのはとても危険なこと
大人が立った状態で犬を落としてしまうのは、人間だと7階から8階のベランダから落ちるのと同じようなものです。
ただし犬は運動神経がいいのでとっさに体勢を立て直したりして衝撃を和らげることができるため、すぐに死ぬようなことはとても少ないです。
しかし少ないだけでまったくないと言うわけではありません。
特に小型犬や老犬、子犬などは打ちどころが悪いと内蔵や頭、足などに怪我をしてしまい最悪の場合死んでしまうこともあります。
小さな犬を抱くのは気軽で力もそんなにいらないので、あまり注意せずに抱き上げてしまう方も多いのではないでしょうか。
子供などの力がない人にはできるだけ抱っこさせないようにしましょう。
本人に悪気がなくても、落としてしまって怪我をさせる場合があるかもしれません。
犬を落としてしまったときの確認項目
犬を落としてしまったらすぐに状況、状態を確認してください。
飼い主さんが落ち着いて把握していないとその後の対処や動物病院での受け答えなどができず、結果的に悪い方向へと向かってしまいます。
まずは落ち着いて状況、状態を把握しましょう。
1.嘔吐や痙攣をしていないか確認
打ちどころが悪く、頭などを打ってしまった場合には嘔吐や痙攣を起こすことがあります。
そんな場合はなるべく揺らさないようにして動物病院へ連れていきましょう。
揺さぶったり、大きく動かないようにしてください。
決して自分で判断しないようにしてください。
きちんと専門家である獣医さんに診てもらいましょう。
自分で判断した結果様子見をしたり手当をせずに命を落としてしまってから後悔しても遅いです。
2.足に違和感が出ていないか確認
足から落ちたりした場合には骨や筋肉などを痛めている可能性があります。
骨や関節になんらかの異常があれば歩きにくそうにしたり、キャンキャンと鳴いたりします。
触って確かめるのも良いのですが、あまりにも痛いと犬がびっくりして噛み付いてしまう危険があります。
しばらく様子を見てすぐに歩けるようになるのであれば様子をいても良いかもしれません。
3.何事もなさそうな場合には
キャンと鳴いたり、少し痛そうにしていてもその後とくになにもないのであれば1日は様子を見ても良いでしょう。
そのまま元気に過ごす子も多いので、様子を見て異変がないようであれば病院へ連れて行かなくてもかまいません。
しかし例えば、おしっこに血が混じっていたり元気がなかったりすると内臓にダメージを負っている可能性があります。
内蔵は骨に守られているので傷つくことはあまりないのですが、万が一ということもあります。
かならず病院へ連れていきましょう。
脳震盪(のうしんとう)を起こしているかも
落としたときに頭を打って脳震盪を起こす可能性があります。
脳震盪とは何らかの衝撃により脳が激しく揺らされることによって起こる脳障害のことです。
脳震盪は起きたとしても自然に回復する場合が多いです。
しかし中には後遺症として麻痺や視力を失うといった症状が出ることがあります。
脳震盪を起こした直後は足元がふらついたり、焦点が合わないといった症状を見せることが多く、その後徐々に普通の状態に戻っていきます。
要注意なのはその普通の状態に戻ってからです。
脳震盪は自己発生から時間がたったあとに容態が急変することがあるからです。
そのため、たとえ症状がなくても頭に強い衝撃があった場合は、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
予め診てもらえる獣医さんを見つけておいたほうが良いですね。
獣医さんの指示に従い安静にした後に、帰宅OKであれば自宅で4日程様子をみてください。
もし何か変わったことがあればすぐに獣医さんに相談しましょう。
どの症状がどんな結果になるか素人ではわかりませんので、勝手に判断して大丈夫だろうと放置するのは絶対にやめてください。
犬を落とさないための対策
犬を抱っこしているときに他のことを同時にしないことをオススメします。
抱っこをしているときに他のことをすると、そっちに気を取られてしまいがちです。
また犬が何かの拍子に暴れたりすることも考えられます。
他のことをしていると対処できずに落としてしまうことになるでしょう。
スマートフォンをいじったり、メモをとったり、電話したり、そういったことは控えるようにしてください。
もしそういったことを行うのであれば、一度犬をおろしてからするようにしましょう。
まとめ
最近は小さな犬を抱っこしている方も時々見かけるようになりました。
可愛い愛犬を抱っこしたい気持ちはとてもよくわかります。
小型犬であれば気軽に抱っこできますし、子犬も可愛くて抱っこしたくなりますよね。
でも落としたときのこともちゃんと考えておく必要があります。
絶対に大丈夫、ということはできません。
何か別のことをやりながら抱っこしたり、犬を無理な体勢で抱っこしたりすることはやめましょう。
落とさないようにちゃんと注意して、可愛がってあげてください。