犬の尻尾を触ると嫌がられる理由
犬種によっていろいろな形をしている犬の尻尾。フリフリと振っている姿やピンと立っている尻尾を見ると触りたくなったりしますよね。
実際に、尻尾を触るとすぐに反応したり「やめて~」と尻尾を触らせないように体を逸らしたりすることもあるでしょう。なぜ、犬は尻尾を触られると嫌がるのでしょうか。
敏感な場所だから
犬の体にはいくつか敏感な場所がありますが、その一つが尻尾なのです。
他にも足の先、鼻先も敏感で急所な部分にあたります。敏感になっている理由は、外敵から狙われた際に体の末端がケガを負いやすく、すぐに異変に気が付ける為だといわれています。
また、尻尾は先まで骨で通っており、そのまま背骨まで繋がっていることから、尻尾を傷つけてしまうと体の中心部までその影響が及んでしまう可能性があり、それを防ぐために感覚細胞も多く通っているそうです。
トラウマが残っている
子犬の頃に嫌な経験をすると、成長してもそのトラウマが残っていることが多くあります。例えば、尻尾を踏まれたり引っ張られたりして痛い思いをしたりなど。直接痛いと感じたことがない場合でも、しつこく触られて嫌な思いをしたという場合でもトラウマとして残ってしまうこともあります。
ケガや病気の可能性
尻尾を触って嫌がる理由の一つとして、ケガや病気が原因の可能性もあります。見た目に違和感や変化がないか様子を確認しましょう。ぱっと見ただけでは、わからないことも多く、尻尾の周りが違和感の原因となっていることもあるので、病院で診察してもらうのも良いかもしれません。
消化器官の異常で起こりうる病気
- 巨大食道症
- 急性胃炎
- 慢性胃炎
- 胃拡張と胃捻転
- 出血性胃腸炎
- 腸閉塞
- 胃潰瘍
骨と関節の異常で起こりうる病気
- 膝蓋骨脱臼
- 股異形成
- レッグパーセス病
犬の尻尾の役割って?
犬の尻尾がとても敏感な場所だということがわかりましたが、そもそも尻尾はどのような役割を果たしているのでしょうか。
バランスを取る役割
犬は自身の尻尾をオールのように使って、歩いたり走ったりする時にバランスを取っています。尻尾を上手に利用して平衡感覚を保っているのですね。
感情を表す役割
ご存知の方も多いと思いますが、犬は尻尾の振り方でその時の感情を表しています。
尻尾が高い位置にある時
尻尾が高い位置にあり、さらに毛が逆立っている時は興奮状態にあり、自分の方が強いぞというアピールをしている状態です。
尻尾が水平になっている時
色々なところに興味を示している状態です。
尻尾が低い位置にある時
不安がる場合や、怖がっている時に尻尾を下げます。特に、足の間に尻尾を入れ込んでいる時は大きな恐怖を感じている時です。
尻尾を大きく左右に振っている時
大きく左右に振っている時は、嬉しい感情を表しています。大きく振れば振るほど嬉しいという気持ちが大きいといえます。しかし、同じように大きく左右に振っている場合でも毛が逆立っている場合や唸っている場合は、相手を威嚇して攻撃的になっている時なので注意しましょう。
尻尾を低い位置で小さく振っている時
低い位置で小さく左右に振っている時は、あなたに服従していますというサインです。
保温の役割
実は犬の尻尾には体を保温する役割もあるのです。人間も寒いときも体を丸めて寝たりしますよね。犬も一緒で眠る時に体を丸めて体を冷やさないようにしています。さらに、尻尾が長い犬種の場合はその尻尾の先や毛で鼻先や顔を覆い、冷たい空気から保護しているのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。愛犬の尻尾を無意識に触っている方もいることでしょう。「慣れている飼い主さんなら触ってもいいけど、あなたは知らない人だからダメ!」と初対面の人には警戒する犬もいます。決して触ってはいけないということではありませんが、敏感な場所であることを忘れないようにしましょう。