なぜ愛犬はキスを拒否するのか
犬は愛情表現の一種として、相手の口の周りを舐めるというしぐさがあります。そのため、飼い主に対して顔を近付け、口の周りを舐めようとするのは「大好き」という気持ちを伝える行為なのです。
しかし、飼い主側からキスをしようとすると、ふいっと顔を背けたり、前足を伸ばすようにして飼い主のキスを拒否するようなしぐさを見せる犬も珍しくありません。一体、なぜ愛犬はキスを拒否しようとするのでしょうか。
1.嫌な匂いがする
まずは犬にとって嫌な匂いがするという理由で、飼い主からのキスを拒否しようとします。犬にとって嫌な匂いとは、タバコや香水などが代表的な例として挙げられます。そのため、タバコを吸う人であれば、タバコを吸った後にキスしようとすると、犬が嫌がり、キスを拒否することが多くあります。
また外出時から帰ってきた際、喜んで迎えてくれたのに、いざ抱っこしてキスしようとすると、前足を伸ばしてキスを拒否するということがあります。これも香水やコロンを付けており、その匂いが気に入らず嫌がっている可能性が考えられるのです。
2.怒っていると勘違い
犬は目をじっと見られると敵意を向けられていると勘違いします。これは犬同士のコミュニケーションに理由があり、敵意や警戒心を抱いている相手に対しては、襲われないよう目をジッと見つめ、ゆっくりと近付くという行動をとるからです。
思い返してみてください。愛犬にキスをしようとする時は真っ正面から顔を近付けますよね。そのため、ほとんどの場合、愛犬の顔をじっと見ていることになります。この行為が愛犬からすると「怒ってるの?」と不安になっている可能性があります。
犬は敵意を向けられていると勘違いすると、「怒らないで。落ち着いて」という意味を込めて、顔を逸らします。したがって、この場合はキス自体を嫌がっているわけではありません。
監修ドッグトレーナーによる補足
3.気分じゃない
そして飼い主ではどうしようもできない理由として、「キスする気分ではありません」という気分によるものです。これは人間でも同じです。いくら好きな相手であっても、気分が乗らなければキスしたいと思わないということもありますよね。
また愛犬が休んでいるところを起こすようにしてキスをしようとした場合、「寝ているところを邪魔された」と思い、キスを拒否する気持ちもわかります。なるべく愛犬が休んでいる時は落ち着いている時なので、あまり構わずそっとしておいてあげる事が大切です。
犬とキスはしない方がいい?
ここまで犬がキスを拒否する理由についてご紹介してきましたが、そもそも犬とキスすること自体は問題ないのでしょうか。実は犬と直接キスすることで、犬の持つ病原体を口から受け取ってしまうリスクがあるのです。
主な病気の1つにパスツレラ症という病気が挙げられます。これは犬の約75%が持つ病原体が原因で起こる感染症で、人間にも感染します。主な感染経路として、噛みつかれたり引っ掻かれるという行為が挙げられますが、そもそも口の中に潜伏しているため、キスすることで感染する可能性は非常に高いです。
感染してしまうと、気管支炎や肺炎になってしまうことが多く、中には死亡してしまったケースもありますので、なるべく直接のキスは避けた方が良いでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
まとめ
いかがでしたでしょうか。犬がキスを嫌がる理由には3つの主な理由が挙げられます。しかし、そもそも犬とキスすることは、病気の感染リスクが伴いますので、なるべく避けるようにしましょう。