ショロとは
ショロの正式な犬種名は「ショロイツクインツレ(Xoloitzcuintle)」。通称ショロと呼ばれ、雷と死の神「ショロトル」とアステカ語で犬を意味する「イツクイントリ」を合わせて名づけられたといわれています。アステカの神話にも登場するショロは、死者の魂を導くためにショロトルが創造したとされています。
そんな神話を持つショロは、少なくとも3500年前に今のような形になったと考えられています。もともとは特別な儀式の際の褒美として食されてきた他、貴重なタンパク源としても食用されていました。その後は実用犬やペットとして飼育されるようになりました。実用犬としては、布団を温める湯たんぽや、病人や患部にショロを当てて温湿布として活躍してきたといわれています。
ショロの性格や特徴
ショロの最大の特徴は被毛がないことです。被毛のない引き締まった身体は柔らかな皮膚におおわれ、温かく、黒っぽいピンク色をしています。通常はヘアレスタイプと呼ばれ被毛が全く生えていませんが、全身に被毛が生えるパウダーパフと呼ばれるタイプも存在します。
ショロのサイズはスタンダード、インターミディエイト、ミニチュアの3つに分けられます。サイズは25cm~55cmの小型犬から中型犬に属します。
ショロの性格は静かで落ち着いており、明るく利口です。見知らぬ相手に対しては用心深いため、番犬に向いています。優秀な家庭犬としても人気があります。
ショロの飼い方
子どもに対して寛容であり、利口でしつけも入りやすいため、家庭犬に向いているといわれます。一方、肌の手入れが難しいともいわれます。乾燥する季節には犬用のスキンクリームを塗って乾燥を防ぎます。また、夏には熱中症防止のために外出時の天気や気温、室内の温度調整に注意が必要です。冬には服を着せて風邪を引かないように対策しましょう。
被毛の少なさから、犬アレルギーを持つ人でも飼育が可能だといわれます。皮膚に対して考慮すれば他の犬種と同様に飼育ができますが、非常に利口な犬種のため、初心者には飼育が難しいともいわれます。
全サイズ共に運動量は少なくもなく、多くもありません。様子を見ながら適度に運動をさせましょう。
まとめ
アステカ神話にも登場するショロイツクインツレ。生者を守り、冥府の最下層までの危険な旅で死者の魂を導くといわれています。「メキシカン・ヘアレス・ドッグ」とも呼ばれるその姿は独特で非常に魅力的です。
公式に犬種として認められた1956年頃には、絶滅寸前の犬種となっていたそう。現在ではその魅力的な姿からも人気を博して復活を遂げています。特に犬の被毛にアレルギーを持つ人々から歓迎されているのだそう。
独特な姿が魅力的なショロ。絶滅の危機にさらされることがないように、守っていきたいですよね。