ぽっちゃり犬はかわいいけれど…危険が!?
近年、肥満の犬が増加傾向にあります。過食、避妊・去勢手術、運動不足、加齢などが太る原因になりますが、一般的に適正体重を15%以上超えると肥満と言われています。
さて、あなたの愛犬はぽっちゃりしていませんか?愛犬が太ったように感じても、「ちょっとポッチャリしているぐらいのほうがカワイイ」などと言って放っておくと、将来的に愛犬も飼い主さんもつらい思いをすることになるかもしれません。
ちょっとぽっちゃりしている以外は変わりなさそうに見えても、肥満は万病のもと。飼い主さんが気づかないうちに、肥満は愛犬の健康に危険をもたらしているのです。
肥満が犬の健康にどのような危険をもたらすのか、以下からご紹介していきます。
肥満がもたらす危険とは?
①関節などの病気になりやすくなる
体重が重くなると足腰への負担が大きくなるため、関節や靭帯、椎間板を痛めやすくなります。その結果、関節炎や前十字靭帯断裂、椎間板ヘルニアなどになるリスクが高まり、場合によっては歩行に支障をきたすことも。
特に大型犬は肘や膝、胴長の犬種は腰への負担が大きいとされているので要注意です。
②循環器・呼吸器系の病気になりやすくなる
太って脂肪が増えると、その分全身に送り出す血液も増えるため心臓に負担がかかり、心臓病などを患ってるわんちゃんは悪化する要因にもなる可能性があります。
また、太って首の周囲に脂肪がつくと気道が圧迫されるため呼吸しにくくなったり、気管虚脱を悪化させたりすることがあります。
③糖尿病になりやすくなる
肥満は、糖尿病の発症や悪化の原因になることもあります。ぽっちゃり体型の犬が多飲多尿になった場合は、糖尿病が疑われるので要注意です。
糖尿病は一度発症すると完治は難しく、一生付き合っていくことになる病気と言われています。治療として、食餌療法や運動療法、インスリンの投与が行われますが、毎日自宅でインスリンの注射をするのは愛犬にとってはもちろん、飼い主さんにとっても大きな負担となります。
④手術時の麻酔に影響が出やすくなる
麻酔薬は脂肪に取り込まれやすいため、太っていると麻酔の効きが悪くなることがあります。そのため、ぽっちゃり犬が手術で全身麻酔が必要になった際、麻酔が効くまで時間がかかったり、通常よりも麻酔薬の量が多く必要になったりします。
また、麻酔薬が体から排出されるのに時間がかかり、覚醒が遅れることも。
ぽっちゃり度をチェックする方法
愛犬がぽっちゃりしていないか気になったときは、獣医師にチェックしてもらうのが一番ですが、自宅で簡単にチェックする方法もあります。
脇腹を触ってチェック
愛犬の脇腹を触ってみて、簡単に肋骨が感じられるのであれば理想体型です。指に力を入れて押さないと肋骨を感じられない場合や、押しても肋骨を感じられない場合は太り過ぎです。
背骨を触ってチェック
愛犬の背骨から骨盤の辺りを触ってみて、はっきりと骨を感じられるのなら大丈夫ですが、骨の感触がない場合は要注意。骨の周りが脂肪に覆われた太り過ぎの状態です。
ぽっちゃり犬にしないためには?
犬は基本的に食いしん坊なので、太るのは簡単です。しかし、ダイエットは長期戦となり大変で、愛犬にとっても飼い主さんにとっても負担になります。ですから、愛犬をぽっちゃり犬にしないのが一番。
愛犬をぽっちゃり犬をしないために、
- 人間の食事を与えない
- 愛犬に合ったドッグフードを適正量与える
- 月に1度は体重や体型をチェックする
- おやつは1日の必要摂取カロリーの10~20%以下に抑える
- フードとおやつを足したカロリーが1日の必要摂取カロリーをオーバーしないようにする
- 愛犬の犬種やサイズに見合った運動をさせる
などといったことに気をつけ、適正体重を維持するようにしましょう。
まとめ
ぽっちゃり犬はかわいいですが、肥満は犬の健康にさまざまな危険をもたらします。肥満が原因で愛犬が病気になったり、寿命を縮めることになるのは飼い主さんにとってもつらいことです。
犬は自分で体重や体型の管理ができません。ですから、愛犬の肥満は飼い主さんの責任です。愛犬に健康で長生きしてもらうために、飼い主さんがしっかり愛犬の体重や体型の管理を行ない、肥満の予防に努めましょう。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 みえ
だけど健康診断で太りぎみの診断?足腰が心配です