油断してない?「階段」に潜む犬への危険性

油断してない?「階段」に潜む犬への危険性

階段の上り下りは、犬の手足・腰・背中などカラダに大きな衝撃と負担を与えてしまいます。転げ落ちてしまうなど危険の多い場所です。愛犬が階段の上り下りをしなくても済むよう、工夫してあげましょう。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

階段の上り下り、させていますか?

階段を下りるラブラドールレトリーバー

うちの愛犬たちは二階に部屋があるため、階段の上り下りをしなければ部屋へ行くことができません。
しかし、愛犬たちには“階段の上り下りをしてはいけない”と教えており、階段は私に抱っこされて上り下りします。

階段で“つるんっ”と滑って転げ落ちてしまったらどうしよう、転げ落ちて大ケガしてしまったらどうしよう、転げ落ちて頭を強く打って亡くなってしまったら…など、“もしも”の時を考えてのことです。

階段は犬の腰に大きな負担を与えている

階段を上り下りする際の衝撃が犬の手足や腰にとても大きな負担を与えていると聞いたことがあります。その負担が蓄積してしまい、「腰を悪くして通院しているんです」という飼い主さんとダックスフンドくんに病院でお会いしたこともありました。
ちょっと太めのダックスフンドくんだったのですが、獣医さんから階段の上り下りは自宅でも外でもさせないように指導されており、ダイエット中だと話されていました。

柔軟性に優れている猫のカラダとは違い、犬のカラダにとって階段の上り下りは負担がとても大きく、ヘルニアなどの病気を発症する原因になってしまうこともあります。上手に階段の上り下りをすることができる犬もいますが、カラダへの負担はその見た目以上にとても大きなものなのです。

階段の上り下りによって手足や腰に大きな負担がかかりやすい犬種

階段を上り下りするダックスフンド

  • ダックスフンド
  • コーギー

などの胴長短足な犬種は階段の上り下りをする際に胴体がグニャリと曲がってしまいやすく、手足・腰・背中にとても大きな衝撃と負担がかかってしまいます。また、地面にお腹が接触しやすく、お腹への負担も気になるところです。

ダックスフンド

胴長短足というとダックスフンドを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。階段の上り下りによって手足・腰・背中にとても大きな衝撃と負担がかかってしまい、ヘルニアなどの病気を引き起こす要因の一つにもなってしまう場合があります。

コーギー

階段の上り下りによる負担が原因となり、ヘルニアを患ってしまう犬が多いようです。ヘルニアは悪化してしまうと平地を歩くことさえ困難になってしまう場合があります。

階段には危険がいっぱい!

階段を下りるジャックラッセルテリア

手足・腰・背中に大きな衝撃や負担をかけてしまうだけではなく、階段を踏み外してしまう場合や、階段で滑ってしまったことにより、転げ落ちてしまう危険性もあります。

階段から落ちた!

階段から落ちてしまったといって病院へ来る犬もとても多いようです。幸い軽いケガで済む犬もいますが、骨折によって長く不自由な思いをしなければならない犬もいますし、歩行が困難になるなどの障害が残ってしまう犬もいます。

上りより下りの方が危険!

階段を下りる際に転げ落ちてしまう犬が多いようなのですが、犬のカラダは下半身よりも上半身の方がバランス的に重さがあるため、重さのある上半身を下にしながらバランスをとらなければならない下りはとても危険なのです。

対策はどうする?

  • 抱っこして上り下りする
  • 滑り止めのマットを敷く
  • 絨毯を敷く
  • 滑り止めのワックスを塗る

など、対策方法をたくさんありますが、最も良いのは階段の上り下りをさせないことです。滑りにくくすることで階段から転げ落ちる可能性を低くすることはできますが、カラダへの負担がなくなるわけではありません。

まとめ

階段から見下ろしている犬

うちの愛犬たちは二階に部屋があり、どうしても階段の上り下りが必要です。しかし、階段の上り下りは決してさせず、私が抱っこして上り下りするようにしています。ポメラニアンの女の子は体重3kgほどなので全く問題はないのですが、ミックスの男の子は体重15kgなので抱っこでの上り下りは私自身とても大変ですし危険もあります。

階段は危険、上り下りしてはいけない、ということを理解してもらうためのトレーニングや、抱っこでの上り下りの際にジッとしていられるためのトレーニングをしました。階段の上り下りは犬のカラダに大きな衝撃と負担を与えます。その負担が蓄積し、ヘルニアなどの病気の原因になってしまう可能性もあります。転げ落ちてしまうなどとても危険な場所です。

階段の上り下りをさせないこと、どうしても上り下りが必要なのであれば滑り止めのマットを敷くなどの対策をするなど、工夫してあげると良いのではないでしょうか。

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