柴犬が海外で人気の理由は?話題のわんちゃんや実際の評判などをご紹介

柴犬が海外で人気の理由は?話題のわんちゃんや実際の評判などをご紹介

日本のランキングでは常に上位に登場する柴犬ですが、海外でも人気があることをご存じですか?なぜ柴犬は海外で人気なのでしょうか?今回は、柴犬の海外人気の秘密や、話題の柴犬たちをご紹介します。

日本の柴犬が海外で人気になった理由

柴犬

柴犬は、天然記念物にも指定されている日本原産の犬種で、もとは猟犬や番犬として飼われていました。

あまり知られていませんが、柴犬には「縄文柴犬」「山陰柴犬」「美濃柴犬」「信州柴犬」「川上犬」の5種類があり、それぞれが正式な犬種として認められています。一般的に知られている柴犬は、ほとんどが信州柴犬の子孫です。

これとは別に、豆柴、小豆柴というのも存在しますが、これらは飼育しやすいように、体が小さな個体を繰り返し交配し、産み出された「小さな柴犬」のことで、正式に認められた犬種ではありません。

柴犬は、海外でも呼び方は「Shiba Inu(シバイヌ)」と、そのままの名前でよばれています。そんな柴犬の人気が高い理由のひとつに、柴犬特有の性格が挙げられます。

「サムライ」のような忠実さ

柴犬は非常に忠誠心の強い犬種で、その性格は猟犬や番犬として人間と共に生活してきた、長い歴史の中で培われたものだといわれています。

そのため、家族に対しては服従し忠実ですが、家族以外の見知らぬ人に対しては警戒心が強く決して従いません。もふもふのしっぽを振り振りしながら、誰彼かまわず近付いていくようなことをしないのが柴犬です。

また、猟犬としての資質から勇敢で自立心が強いために、必要以上に人間にまとわりつかず、ベタベタ甘えてくることのないあっさりした性格で、柴犬を表すことば「ツンデレ」というのがそれをよく表しています。

このように、飼い主に忠実でありながら、適度な距離感を持って暮らせるのも魅力のひとつだととらえられ、人気につながったようです。

シャープでクールな見た目

柴犬人気の理由は、その性格だけではなく見た目にもあるようです。

三角形の立ち耳と凜とした顔立ち、切れ長の黒い瞳がとてもシャープでクールな反面、時折見せるにこりと微笑むような愛嬌のある表情や優しいまなざしがとてもかわいらしいことも、柴犬人気の理由のひとつです。

海外の人の目にはクールさとかわいらしさを合わせ持った見た目が西洋犬とは違った魅力に映るようです。

また、柴犬は犬独特の体臭が少なく、汚れが付きにくい毛質であることに加えて、きれい好きな性格で室内での排せつを好まない点も自宅で飼いやすい犬だと思われる理由のようです。

ちなみに、柴犬の毛色は「赤色」「黒色」「白色」「胡麻色」の4種類です。天然記念物に指定されているので、他の犬種と交配されることはありませんでした。

そのため、毛色の種類は他の犬に比べて少なく、4色の中で最も人気が高い赤色は、柴犬の約80%以上を占めています。

赤色といっても、全体がキツネのような明るい茶色のことで、頬、目の周り、胸、腹の部分は白みを帯びているのが特徴的で、海外でも赤色の人気が高いようです。

映画「HACHI」に柴犬が登場した

日本で1987年に公開された映画『ハチ公物語』のリメイク版が、2009年にアメリカで公開されました。リチャード・ギア主演の『HACHI 約束の犬』は、日本犬が海外に大きく広まるきっかけになったといわれています。

映画の主役・ハチはもちろん秋田犬ですが、その子犬時代を柴犬が演じたことで、その賢さやかわいさが海外の人々の心を強く惹き付けました。

SNSやメディアで話題になった

外国人観光客が、日本で撮影した柴犬の動画や画像をネットにアップしたり、日本国内でもインスタやYouTubeで愛犬の動画を紹介したりする人が年々増えていますが、それらの動画を見た海外の反応もブームの大きな要因となっています。

2012年には、イギリスで開催された世界最大のドッグショー「Crufts 2012」タレントショー部門で、柴犬が優勝したことにより、それまであまり知られていなかった柴犬の存在が世界的に広まり、人気の高まりに拍車を掛けました。

子犬をプレゼントされた少女の動画が評判になった

他にもネット上には、柴犬の動画がたくさんアップされています。中でも、7年間ずっと欲しいと願っていた柴犬の子犬を誕生日にプレゼントされた少女の動画が「かわいい!」と話題になりました。

子犬をプレゼントされた少女は大喜びで、早速「ワサビ」と名前を付けて子犬を抱きしめる姿が、多くの人の間で大評判になりました。

海外セレブに柴犬ファンが増えた

愛犬のフレンチブルドッグを誘拐されたことでも有名な、アメリカの歌姫レディー・ガガは、多くの犬を飼っていますが、その中には「ヨーコ」という名前の柴犬がいます。

また、アメリカ大リーグで大活躍したイチローは、自身と奥様の名前から一字ずつとって「一弓(いっきゅう)」と名付けた柴犬を飼っていたことを知っている方も多いと思います。

一弓くんが17才で天寿を全うした後、現在イチローは、一弓くんの祖父犬の血をひく2匹の柴犬とシアトルで暮らしているそうです。

この他にも、海外で活躍している有名人の中に、柴犬ファンはまだまだたくさんいます。有名人の柴犬がメディアなどに取り上げられることで、柴犬の知名度がどんどん上がっていったことも、柴犬人気の理由のひとつといえます。

海外で話題になった人気の柴犬

柴犬

先述のように海外で話題になり、人気の火付け役となった柴犬は他にもたくさんいます。次に、そんな柴犬たちの一部をご紹介します。

タバコ屋の店番をするシバくん

東京・武蔵小金井にある鈴木タバコ店さんの店先には、有名な看板柴犬「シバくん」がいました。

お客さんが来ると自分で窓を開ける姿が大評判になり、日本国内はもちろんのこと、海外からもシバくん目当ての観光客がたくさん訪れていたそうです。

現在はもう引退しているようですが、シバくんの引退を知らずに、はるばる海外からやってくる方が、今でも時々いるそうです。

ネットミームとして流行したかぼすちゃん

ドージコイン

ネットミームとは、インターネット上で様々な人々が真似をすることで広がる元となった動画、画像、文章のことです。ここ最近では、柴犬のかぼすちゃんが世界で一番有名なネットミームなのではないでしょうか?

かぼすちゃんの写真データが、オークションで4億円以上の高値で落札され、一躍世界中にその名が知れ渡りました。現在は、暗号資産(仮想通貨)「ドージコイン」のキャラクターモデルとして世界で最も有名な柴犬になっています。

笑う柴犬まるくん

インスタのフォロワー数が250万人を超える柴犬のまるくん。

2011年東北地方太平洋沖地震の際に、SNSでのネガティブな書き込みに心を痛めた飼い主さんが、まるくんの姿をインスタやYouTubeで紹介すると、その素敵な「笑顔」がたちまち評判となり、数々のメディアに取り上げられるようになりました。

その人気は、とどまるところを知らず、写真集の出版、CMへの出演など、活躍の場はどんどんと広がっていき、やがて海外での人気にも火が付きました。

柴犬に対する海外の反応や評価

柴犬

海外でも柴犬はかなり人気があるようですが、柴犬を飼っている人や一般の人々の実際の反応はどうなのでしょうか?

珍しいのでキツネと勘違いされる

野性的でシンプルな姿をしている柴犬ですが、日本で柴犬がキツネと間違われることはまずありません。

しかし、海外での反応は少し違っています。人気があるとはいえ、まだまだ数が少なく、あまり見慣れないせいでしょうか。珍しいその姿をキツネと間違えられることが度々あるようです。

柴犬ファンにとっては魅力的なその姿も、他の人には、野性的な姿や毛色から、キツネのように見えてしまうのでしょう。

しつけが難しいため飼いにくいと感じる

柴犬は、猟犬であった歴史を持つ犬種なので獲物を探し追いかけ、回収することができる高い能力を持っています。

普段は飼い主の指示に忠実な柴犬も、猟をする中で自分で考えて判断し行動しなければならない場面に遭遇することも多々あります。

そのために自立心が養われ、その上頑固な面も持ち合わせていますので、しっかりしつけをしていないと問題行動を起こす恐れがあります。

また、運動能力も非常に高く、走り回ることや遊ぶことが大好きなので、ストレスを溜めないように毎日の運動時間を十分に確保する必要があります。

そのような理由から、飼いにくいと感じる人が、少なからずいるようです。「ぬいぐるみのようにかわいい」というイメージだけで柴犬を飼うのは、避けたほうが賢明かもしれません。

柴犬は海外で最も人気のある日本原産の犬種!

柴犬は日本では根強い人気でジャパンケンネルクラブの2021年(1月〜12月)犬種別犬籍登録頭数(※1)によると、全体で7位、日本原産の犬種としては1位です。

一方海外での柴犬人気はというと、アメリカケンネルクラブのデータ(※2)では2013年~2019年までは47位~44位の間を行ったり来たりしていました。

それが2020年では43位と伸ばし、2021年では42位になりました。コツコツですが、この9年間で着実に順位を上げてきています。その他の国ではドイツ・フランス・イギリスでは人気犬種20位までのデータでは柴犬がランクインされてはいませんでした。

ただ、フランスでは徐々に登録頭数が増えてきており2018年では1320頭と増えており、テレビでも頻繁に取り上げられています。またドイツでは子どものいる家庭におすすめの犬種としても紹介されています。

日本ほどではありませんが、柴犬は海外でも知名度が高く「最も人気のある日本原産の犬種」と言えるでしょう。

まとめ

柴犬

日本で人気の高い柴犬が、海外でも人気が高い理由がお分かりいただけたでしょうか?昔から「日本犬は、飼い主以外には懐かない」とよくいわれますが、「猟犬にルーツを持つ」ことがその理由であるとわかりました。

「自分にだけ懐いてくれている」、愛犬家としては、こんなに嬉しいことはないでしょう。その思いは、日本人だけでなく海外の方も同じのようです。

また、ただ単にかわいいというだけでなく様々な魅力を持った柴犬ですが、飼う時には注意しなければいけないことがたくさんあるようです。柴犬を飼うのはそう簡単ではなさそうです。

しかし、柴犬の特徴をよく理解し、かつて猟師と猟犬がそうであったように、愛犬としっかり信頼関係を結び、愛犬を愛し彼らから愛されることで、共に豊かな生活を送ることができるでしょう。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい