除草剤が犬に与える影響と危険性!お散歩時にも要注意

除草剤が犬に与える影響と危険性!お散歩時にも要注意

お庭がある家は庭に除草剤を撒くことはありませんか?もしくはお散歩中に除草剤が撒かれた草むらや公園を通ることがあるかもしれません。「除草剤」が犬に与える影響はどれほどのものなのでしょうか。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

お家に庭がある方は除草剤を撒くことがあるかもしれません。お庭がなくとも、除草剤が撒かれた道や草むら、公園などを犬を連れて歩くことがあると思います。人間にとっては雑草の手入れが楽になる除草剤ですが、犬にとって与える影響もあります。

今回は「除草剤が犬に与える影響と危険性」について、調べてみました。お散歩中も要注意ですよ。

除草剤の危険性

雑草を嗅ぐ犬

除草剤の使われ方

除草剤といえば「雑草を枯らす」ために用いられている農薬です。主に農耕地での雑草除去のために用いられてきました。広い農耕地や公園、道端での雑草除去のためにはなくてはならない存在でもあります。また、家庭のお庭で使用している方もいます。

一方、除草剤といえば、やはり環境破壊に繋がるイメージをお持ちの方も多いと思いのではないでしょうか。実際、植物を枯らす農薬のため、全く環境への影響がないとは言い切れませんが、最近は用途別、環境への影響も最小限で済むように開発は進んでいます。また、影響はあれど「使わない」といった選択は現代社会では難しいのかもしれません。そのため、私たちはその危険性をよく知ったうえで、使い方や対策を考えることになるのではないでしょうか。

除草剤の犬への危険性

人体や環境への影響も気になる点ではありますが、今回は「犬」への影響についてご紹介します。

除草剤には用途に合わせていくつか種類があります。その毒性も様々だそう。例えば有機ヒ素やパラコート系、フェノール系と呼ばれる除草剤は毒性が強いといわれています。一方、アミノ酸系の除草剤は環境に優しいといわれ、家庭菜園や一般家庭の庭でも使われるようになっています。

こういったように種類によって毒性も異なるため、すべての除草剤で同じ症状が起こるとは言い切れませんが、犬が除草剤を体内に入れることで「除草剤中毒」に陥る危険性があります。

この除草剤中毒は、犬が「除草剤が散布された植物を直接舐めたり」、除草剤が散布された地面を歩くことで「足の裏や被毛についた除草剤を舐めたり」、「原液を直接口にする」ことで発生する可能性があります。

犬の除草剤中毒の症状

点滴を受ける犬

  • 下痢
  • ふらつき
  • 嘔吐
  • 血尿、血便
  • 食欲不振
  • 脱水症状
  • 呼吸困難
  • 沈鬱
  • 痙攣
  • など

除草剤は犬の消化器系へダメージを与えていきます。除草剤を口にしてしまうと、上記のような症状が「30分程度」で起こりはじめ、ひどい場合は呼吸困難を起こして死亡してしまいます。また、翌日以降も下痢や食欲不振などの症状や、元気がないといった様子が見られる場合は注意が必要です。

万が一、除草剤が散布された場所でこれらの症状がみられる場合、どういった除草剤が散布されたのかを確認してみましょう。

治療方法

除草剤の影響は30分程度で見られるとご紹介した通り、除草剤中毒の治療にはスピードが重要です。犬が除草剤を口にしてしまった場合、至急、動物病院へ連れていってください。家庭で様子を見るといった処置ではなく、動物病院で「解毒薬」などの投与や点滴などの処置が必要になります。

家庭でできる対策

散歩をする犬

家庭でできる対策として、やはり一番は「除草剤を使わない」ことです。お庭であれば愛犬のためにも、雑草は草刈り機や手で抜きましょう。とても敷地が広い家庭や農家の場合は使わないといった選択は難しいのかもしれません。そういった場合は「犬に有毒な製品は使わない」「除草剤の管理徹底」を改めて意識する必要があるのかもしれません。

また、どんなに家庭で気を付けていても、散歩中に除草剤に触れないことは難しいですよね。場合によっては「除草剤散布中」といった看板がある場合もあります。これらの看板を見た際は、その場所は一切通らないように飼い主さんがコントロールしましょう。また、外出先で犬が草や落とし物を「食べないようにしつけ」することも大切です。散歩後は犬の「足や身体、顔周りを拭く」ことも対策として意識したいことです。

まとめ

ウィンクする犬

最悪の場合は愛犬の「死」に繋がる除草剤。除草剤の種類は様々ありますし、毒素の影響は犬の身体の大きさにも関係します。いづれにしても、今回ご紹介したこれらの注意点を普段から意識し、愛犬の命は飼い主さんが守ってあげましょう。

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