鼻ツンツン…は、どんな時にする?
犬と同じ屋根の下に暮らしていても、ずっと犬に意識が集中している訳ではありませんよね。
掃除をしたり、家計簿をつけたり、いろいろと人間の暮らしに必要な作業があります。
また、それらの作業の途中で休憩するのに、テレビを見たり、スマホでネットサーフィンをしたりして、愛犬に全く意識が向いていない…ということもあると思います。
私が経験した鼻ツンツン
私が高校生の時、二匹のアメリカンコッカースパニエルの母娘、ゴールディとチュパが一緒に暮らしていました。
大体、週末の夕方の散歩は私が連れて行っていたのですが、ある時、母もその散歩に一緒に行くことになりました。
私だけなら、サクサク歩くのですが、母と一緒だと、近所の知り合いに声をかけられ、その度に立ち話が始まります。
「すぐに済むからちょっと待ってて」と言われるので、少し離れた場所で母の立ち話が終わるのを待つわけですが、散歩を中断されたゴールディ達は、リードを持って立って待っている私の手の甲や、太ももを鼻先でツンツンと、つつくような仕草をしてきます。
当時は、犬の感情を知る情報源はほとんどなかったのですが、一緒に暮らしていると、言葉を交わせなくても、なんとなく犬の感情をくみ取ることができていたように思います。
「退屈だから、早く散歩の続きをしようよ」と、二匹は私に言いたいのかな、と感じたことがありました。
①「こっちを向いて…?」
鼻先をツンツン…としてくる時、だいたい、飼い主さんの意識は犬から逸れていると思われます。
そんな時、犬はまず、控えめに自分の欲求を飼い主さんに伝えたい、と考えるのではないでしょうか?
よく「要求吠え」と言って、自分の欲求を満たすために吠えて、飼い主さんの意識を自分に向けさせる、という行動が問題視されますが、実はこの「鼻ツンツン」も、控えめながら、同じ意図があると考えられています。
しっかりと飼い主さんとの上下関係が築かれていて、「吠えても、飼い主さんの意識を自分に向けることはできない」と理解している犬なら、何か飼い主さんに対して要求があったとしても、吠えてその意思を伝えようとはしないでしょう。
けれども、やはり、なんとかして自分の要求を飼い主さんにわかってほしい…そんな時に、「鼻ツンツン」という行動で、飼い主さんに「ちょっと、こっちをむいて、私の気持ちを分かってほしいんだけど…」と、アピールをしているのではないでしょうか?
②「どいて!」
「鼻ツンツン」にも、注意深くその仕草を観察してみると、強弱があるようです。
特に多頭飼い、または我が家のように多頭飼いの上、犬以外の動物と一緒に暮らしていると、「強めの鼻ツンツン」を目にすることがあります。
我が家の場合は、自分よりも下の立場の対象に対して、「どいて」あるいは、「自分の思い通りになれ」と、力を誇示しているように見えます。
この場合も、飼い主さんの前では「吠えてはいけない」という自制心が働いていると考えられ、この「強めの鼻ツンツン」は、吠えて威嚇して自分の意志を押し通そうとする犬の意志が、やや控えめに表れた行動だと思います。
③「遊んでほしいな…」「おやつほしいな…」などの一方的な欲求
最初の「…こっちを向いて?」の要求が叶って、飼い主さんの意識を自分に向けることに成功した愛犬は、さらに控えめに自分の要求を訴えます。
その要求は、飼い主さんに対しての甘えであり、飼い主さんを独占したいという欲求でもあります。
あるいは、もっと露骨に「おやつがほしいんだけど…」というおねだりかも知れません。
④「…あの、初めまして…仲良くしてくれますか?」
猫と犬が同居していると、動物同士でなにか意思を通じ合っているのかと感じる瞬間があります。
それは、お互いの鼻先と鼻先を嗅ぎあっている時です。
どうやらこの行動は、犬同士だけではなく、犬以外の動物とでもコニュニケーションがとれるようです。
ただし、「鼻ツンツン」の場合は、慣れあっている個体同志のあいさつの方法ではなく、「私は、あなたに対して、少し、警戒しています。だけど、あなたのことが気になっています。挨拶させてもらっていいですか?」と警戒と、好奇心と、友好的な関係を築きたいという
気持ちがこもっています。
こんなあいさつをするときは、相手の犬と、その飼い主さんの様子をよく観察し、少しでも相手の犬が怯えたり、嫌がったりしたときは、すぐに自分の犬の「鼻ツンツン」を制止しましょう。
「鼻ツンツン」は、犬のワガママ
「鼻ツンツン」は、一見、とても愛らしい仕草で、そんな風に控えめにおねだりや、お願いをされたら、つい、犬の要求を叶えてあげたくなりますよね。でも、この「鼻ツンツン」は、人間の子供に例えると、可愛らしいワガママのようなものです。
いつもそのワガママを聞いていると「鼻ツンツン」をすれば、犬は、飼い主さんを自分の思い通りに動かせると思うようになります。
そうなると、飼い主さんと犬の主従関係にも悪影響が出てきます。
まとめ
「鼻ツンツン」は、大型犬でも小型犬でもとても愛らしい仕草です。
「鼻ツンツン」しながら、まっすぐに一生懸命顔を見つめられると、どんな要求でも叶えてあげたくなりますが、「飼い主さんは、自分の思い通りにはならない」と、犬にしっかりと覚えさせることも大切です。
毅然と犬を制御できる絶対的なリーダーがいてこそ、犬の精神は安定するものです。
「鼻ツンツン」してきたら、時には無視をしたり、あるいは、飼い主さんから「オスワリ」「フセ」などの指示のあとに、犬の要求を叶える、と言ったルールに従わせるようにしましょう。
ユーザーのコメント
女性 匿名
初めて会うワンコなどにする挨拶の1つなのですね。覚えておきます。
女性 匿名
夏場もイヤですが、冬は冷たくて反射的に動いてしまって首を痛める毎日です。
かわいいけど、まぶたをツンツンされるのは困ります。