嬉しい?興奮?犬が飛び跳ねるときの心理とは
愛犬のことをよく観察している飼い主さんであれば、何となくわんこの感情は読めるものと思いますが、わんこが飛び跳ねる心理としては、状況によって以下のような場合が考えられます。
喜び・興奮の表現
飼い主さんが帰ってきたときや、大好きな人に会ったときに飛び跳ねるのは、喜びや興奮の表現です。目がキラキラとして、しっぽを振っていたりすることも多いですね。
要求行動
飼い主さんがおやつやおもちゃを持っているとき等に飛び跳ねるのは、「早くちょうだい!」という要求行動の1つです。わんこの勢いに負けて、そのまま奪われてしまったりすると、癖になってしまいがちです。
威嚇や自己顕示
他の人やわんこに対して飛びつこうとするのは、相手に対する威嚇や攻撃の表れです。また、マウンティングをして自分のほうが強いということを示したいという、自己顕示欲求から来ている場合もあります。
狩猟本能
目の前をちょろちょろと動くものに飛びつこうとするのは、犬が持っている狩猟本能によるものです。すなわち相手への攻撃行動でもありますから、この場合は特にしっかり制止してあげなければなりません。
危険!飛び跳ねが引き起こすリスク
ご紹介したように、犬にとっては、プラスの感情表現や本能で飛び跳ねていることもあります。けれど、たとえ犬に悪気はなかったとしても、むやみな飛び跳ねを許してしまっていると、思わぬ怪我や事故を引き起こしてしまう可能性があります。
他の人間や犬への加害事故
特に中大型犬の場合に注意が必要ですが、他の人や犬に飛びついてしまった結果、相手を突き倒したり、爪や歯が触れたりして怪我をさせてしまうリスクがあります。過去には、大きな訴訟事案に発展してしまったケースも見られます。
犬自身の被害事故
飛びつかれた相手がびっくりして反撃をしてきた場合、犬自身が怪我をしてしまう可能性も否めません。相手が自分よりも体格が大きく強かった場合には、最悪、死亡事故も考えられます。
犬の病気の誘発
飛び跳ねが習慣化してしまうと、犬の膝や股関節に大きな負担がかかります。その結果、椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼といった病気を引き起こしてしまう恐れがあります。
飛び跳ねをやめさせる方法
では、飛び跳ねをやめさせるにはどのようなしつけをすればよいのでしょうか。
無視する
飼い主さんが帰ってきたとき等に喜びや興奮から飛び跳ねてしまう場合には、少し心が痛むかもしれませんが、無視することが有効です。わんこの興奮に釣られてしまうのではなく、あくまで飼い主さんは普段のテンションでクールに接しましょう。
オスワリで犬を落ち着かせる
次のステップとしては、問題行動全般に有効なしつけですが、「オスワリ」「マテ」等のコマンドでわんこをいったん落ち着かせましょう。わんこが指示に従えた場合には、たくさん誉めてあげます。
これを繰り返すと、たとえば出迎えのときであれば、「オスワリで待っていれば誉めてもらえる」と学習して、オスワリで待っていることができるようになります。
飼い主じゃない人にも「オスワリ」の指示をしてもらう
また、他の人に飛びかかってしまう場合には、飼い主さん以外のお気に入りの人にも協力してもらいましょう。あらかじめ協力者におやつを渡しておき、わんこが協力者に喜んで飛びつこうとしたら、「オスワリ」の指示をしてもらいます。
わんこが指示に従えた場合には、おやつをあげて誉めてもらってください。これを繰り返して、「大好きな人に会ったときもオスワリをするんだ」ということを教えます。
要求行動による飛び跳ねの場合には、いわずもがな、必ず「オスワリ」をさせてからおもちゃやおやつを与えてくださいね。
リードを力を入れて引っ張る
威嚇や狩猟本能による飛び跳ねは、しつけだけで完全に抑止することは難しいといえるでしょう。ただ、どういったときに威嚇や攻撃の飛びつきをしてしまうかは、わんこの行動を観察していれば把握できてくるかと思います。
わんこが飛びついてしまいそうな状況になったら、先回りでわんこを制止するようにしましょう。お散歩中のことが多いかと思いますから、わんこが飛びつこうとしたら「イケナイ!」「ダメ!」等と声をかけて、リードをグンと引っ張ってください。
ドッグランや室内でノーリードの場合には、わんこの行動に注意を払っていることが必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?飼い主さんや周りの人や犬、また、わんこ自身を守るためにも、むやみな飛び跳ねはやめさせるようにしたいですね。