【獣医師監修】ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

【獣医師監修】ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの性格や特徴、飼い方を解説。ハンガリー原産の希少な鳥猟犬で、美しい短毛と高い運動能力が魅力です。必要な運動量、しつけ、お手入れ、価格相場、かかりやすい病気まで紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラとは

こちらを見るショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ

  • 犬種名:ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ(Short-haired Hungarian Vizsla)
  • 別名:ハンガリアン・ビズラ、ビズラ、ヴィズラ
  • 原産国:ハンガリー
  • 大きさ:中型犬
  • 体高:オス 58〜64cm、メス 54〜60cm
  • 体重:オス 22〜30kg前後、メス 18〜25kg前後
  • 被毛:短くなめらかなスムースコート
  • 毛色:ラセット・ゴールド〜ダーク・サンディ・ゴールド系
  • 性格:陽気、友好的、愛情深い、賢い、やや繊細
  • 寿命:12〜15年ほど
  • 役割:ガン・ドッグ(鳥猟犬)

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラは、ハンガリー原産のガン・ドッグ(鳥猟犬)です。

獲物の位置を知らせる「ポイント」や、獲物を回収する「レトリーブ」をこなしてきた犬種で、人と協力しながら行動する能力に優れています。

日本では「ハンガリアン・ビズラ」「ビズラ」「ヴィズラ」などと呼ばれることもあり、英語では「Short-haired Hungarian Vizsla」や「Hungarian Vizsla」と表記されます。

国内では登録頭数が少なく、一般的なペットショップで見かける機会は多くありません。

見た目の美しさだけでなく、人との距離が近い気質や活発な性質を理解したうえで迎えることが大切です。

家庭犬として暮らす場合も、猟犬として培われた行動力や人との結びつきの強さを前提に、十分に関われる生活環境を整える必要があります。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの性格

ソファで寝るショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラは、陽気で友好的、家族への愛情が深い犬種です。飼い主のそばで過ごすことを好み、海外では「マジックテープ・ドッグ」と呼ばれるほど、人との密接な関わりを求める傾向があります。

賢く訓練性も高いため、飼い主と一緒に何かを学ぶことに喜びを感じやすいタイプです。一方で、繊細な面もあるため、大声で叱るような接し方よりも、分かりやすいルールと褒めるしつけが向いています。

十分な社会化と適切な接し方があれば、子どもや先住犬とも良い関係を築きやすい傾向があります。ただし、寂しさや退屈が続くとストレスを抱えやすいため、長時間ひとりにする生活とは相性がよいとはいえません。

甘えん坊な性格を魅力として受け止め、日常的にしっかり関われる家庭に向いています。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの特徴

走るショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラは、すらりとした体型と引き締まった筋肉を持つ、活動的で気品のある犬種です。長い四肢で軽快に動く姿には猟犬らしい機能美があり、大きな垂れ耳とやわらかな表情も印象的です。

被毛は短くなめらかで、体に沿うように密着しています。毛色はラセット・ゴールドからダーク・サンディ・ゴールド系の色調が基本で、光の当たり方によって明るく見えたり、深みのある色合いに見えたりします。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの大きさ

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの体高は、オスで58〜64cm、メスで54〜60cmが目安です。体重は個体差がありますが、オスは22〜30kg前後、メスは18〜25kg前後で紹介されることが多く、全体として中型犬に分類されます。

ただし、日本の住環境では十分に存在感のあるサイズです。室内で過ごすスペース、車移動時のクレート、散歩中に引っ張られた際の制御などを考えると、体格に合った環境づくりが欠かせません。

子犬期は成長が早いため、体づくりの途中で関節に過度な負担をかけない配慮も必要です。滑りにくい床や休みやすい寝床を用意し、成長段階に合わせて無理のない生活環境を整えていきましょう。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの被毛タイプ

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの被毛は、短くなめらかなスムースコートです。毛が長く絡まるタイプではないため、毛玉ができにくく、見た目のお手入れは比較的シンプルです。

一方で、短毛だからといって抜け毛が少ないわけではありません。硬く短い毛が衣服や家具に付着することがあるため、日常的なブラッシングで抜け毛を取り除く習慣があると安心です。

被毛が薄く皮膚が外部刺激を受けやすいため、散歩後には小さな傷や虫刺されがないか確認しておくとよいでしょう。寒さにもあまり強くないため、冬場は室温管理や防寒対策も必要です。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの毛色の種類

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの毛色は、ラセット・ゴールドからダーク・サンディ・ゴールドまでのさまざまな色調が基本です。一般的には、赤みや金色みを帯びた美しい短毛として紹介されることもあります。

日光の下では明るく輝いて見え、室内では落ち着いた深みのある色合いに見えることがあります。この毛色と引き締まった体型の組み合わせが、本種ならではの洗練された印象をつくっています。

なお、毛色の濃淡だけで性格や飼いやすさが決まるわけではありません。迎える際は色合いだけに注目するのではなく、健康状態や性格、育った環境、ブリーダーの説明内容を総合的に確認することが大切です。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの価格相場

財布とお金

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラは国内での流通が少ない犬種のため、常に多くの子犬が販売されているわけではありません。

価格も一般的な人気犬種のように安定した相場を出しにくく、販売元や血統、月齢、健康検査の内容、輸入の有無によって大きく変わります。

目安としては、国内で確認できる販売情報では、生体価格が50万円以上で紹介されるケースがあります。ただし、この「50万円以上」は子犬そのものの価格の目安であり、飼育に必要な総額ではありません。

実際に迎える際には、生体価格に加えて、ケージやクレート、首輪、リード、食器、トイレ用品などの初期用品費がかかります。さらに、ワクチン接種、健康診断、マイクロチップ、ペット保険、毎月のフード代なども必要です。

海外から迎える場合は、子犬の価格だけでなく、輸送費や輸入手続きに関わる費用も加わります。そのため、検討段階では「生体価格がいくらか」だけで判断せず、迎え入れから数カ月分の生活費まで含めて余裕を持って考えておくと安心です。

保護犬や里親募集で出会える可能性は高くありませんが、もし譲渡を受ける場合でも、医療費や不妊手術費、ワクチン代などの譲渡費用が必要になることがあります。どの迎え方であっても、費用の内訳を事前に確認しておきましょう。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラのブリーダーを探す方法

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラを迎えたい場合は、まず国内でこの犬種を扱っているブリーダーがいるかを調べるところから始めます。

一般的なペットショップの店頭で偶然出会えることは少ないため、犬種名で検索したり、ブリーダー検索サイトを確認したり、犬種クラブやドッグショー関係の情報をたどったりするとよいでしょう。

すぐに子犬が見つからない場合でも、信頼できるブリーダーに問い合わせて、今後の出産予定や予約の可否を確認する方法があります。

希少犬種では、希望してすぐに迎えられるとは限らないため、時間をかけて探す前提で考えておくことが大切です。

ブリーダーを選ぶ際は、親犬の健康状態や性格、飼育環境、子犬の社会化の進め方を確認しましょう。

股関節などの健康面にどのような配慮をしているか、ワクチン接種や健康診断の記録を見せてもらえるか、引き渡し後の相談に応じてもらえるかも重要です。

第一種動物取扱業者から子犬を購入する場合は、事前の現物確認と対面での説明が必要です。写真や文章だけで購入を決めるのではなく、子犬の様子や飼育環境を直接確認し、疑問点を納得できるまで質問しましょう。

不自然に安い価格を提示する、見学を避けたがる、説明が曖昧、すぐに契約を急がせるといった場合は注意が必要です。

価格だけで選ばず、健康管理や飼育方針、犬種への理解がしっかりしている相手から迎えることが、安心して暮らし始めるための大切なポイントです。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの飼い方

ソファに座るショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラは、人と一緒に行動することを好む活動的な犬種です。家庭犬として暮らす場合も、毎日の運動、分かりやすいしつけ、短毛種に合ったお手入れを継続することが大切です。

室内で過ごす時間が長い家庭でも飼育は可能ですが、体を動かす時間と人との関わりが不足すると、退屈やストレスにつながりやすくなります。

迎える前に、散歩や遊び、トレーニングの時間を日常の中に組み込めるかを考えておきましょう。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの運動量

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラは、十分な運動を必要とする犬種です。

成犬では、1回60分前後の散歩を1日2回ほど確保したいところです。ただし、年齢や体調、気温によって適切な運動量は変わるため、様子を見ながら調整しましょう。

ただ歩くだけでなく、早歩き、軽いジョギング、ボール遊び、レトリーブ遊びなどを取り入れると、体力を発散しやすくなります。安全に利用できるドッグランや広い場所で、のびのび動ける時間を作ることも有効です。

体だけでなく、頭を使う遊びも取り入れると満足しやすくなります。知育玩具、ノーズワーク、簡単なコマンド練習などを組み合わせることで、退屈によるいたずらや落ち着きのなさを防ぎやすくなります。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラのしつけ方

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラのしつけでは、子犬期からの社会化が大切です。さまざまな人、犬、生活音、外の環境に少しずつ慣らし、警戒心や不安を強めないように育てていきます。

賢く学習意欲のある犬種ですが、繊細な面もあるため、大声で叱る方法は向いていません。できた行動をすぐに褒める、短時間で区切って練習する、家族でルールを統一する、といった進め方が合っています。

特に教えておきたいのは、呼び戻し、リードを引っ張らずに歩くこと、飛びつきの抑制、拾い食いの予防です。活動的な犬種ほど、興奮したときにも飼い主の声に反応できるよう、日頃から楽しく練習しておくことが大切です。

留守番についても、いきなり長時間ひとりにするのではなく、短い時間から少しずつ慣らしていきます。クレートやサークルを安心できる場所にしておくと、休む時間と遊ぶ時間の切り替えがしやすくなります。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラのケア方法

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの被毛は短く、毛玉ができにくいタイプです。日常のお手入れは、ラバーブラシや獣毛ブラシで週に数回ブラッシングし、抜け毛や皮膚の汚れを取り除くことが基本です。

シャンプーは月1回程度を目安に、汚れや皮膚の状態に応じて調整します。洗いすぎると皮膚に負担がかかることもあるため、犬用の低刺激シャンプーを使い、洗った後はしっかり乾かしましょう。

垂れ耳のため、耳の中が蒸れやすい点にも注意が必要です。普段は耳の入口の汚れをやさしく拭く程度にし、赤み、強い臭い、耳垢の増加、かゆがる様子がある場合は動物病院に相談してください。

歯磨き、爪切り、足裏や肉球の確認も定期的に行いましょう。運動量が多い犬種なので、散歩や遊びの後は、足先に小さな傷やトゲがないかを確認しておくと安心です。

また、短毛で寒さにあまり強くないため、冬場は室温管理や犬用ウェアで防寒します。室内では滑りにくいマットを敷き、関節や足腰に負担がかかりにくい環境を整えておきましょう。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの寿命と病気

ハートと聴診器

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの平均寿命は、12〜15年ほどが目安とされています。

中型犬としては比較的長く暮らす個体もいますが、健康寿命を延ばすには、適切な体重管理、十分な運動、皮膚や耳のケア、定期的な健康診断が欠かせません。

活発な犬種のため、運動不足だけでなく、成長期の過度な負荷や滑りやすい床にも注意が必要です。また、体調の変化に気づきやすいよう、普段から歩き方、食欲、耳や皮膚の状態、便の様子を観察しておきましょう。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラのかかりやすい病気

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラで注意したい病気のひとつに、股関節形成不全があります。股関節の発育に異常が起こり、歩き方が不自然になったり、立ち上がりを嫌がったりすることがあります。

成長期の過度な運動を避け、体重を増やしすぎないこと、室内の床を滑りにくくすることが予防や負担軽減につながります。

大きな垂れ耳を持つため、外耳炎にも注意が必要です。耳の中が蒸れやすく、赤み、強い臭い、耳垢の増加、かゆがる様子が見られることがあります。

日常的には耳の入口をやさしく確認し、異常がある場合は自己判断で洗浄を続けず、動物病院に相談しましょう。

深い胸を持つ犬では、胃拡張・胃捻転症候群にも注意が必要です。食後に何度も吐こうとするのに何も出ない、お腹が張る、よだれが増える、落ち着きがなくなるといった症状が見られた場合は緊急性があります。

食事は一度に大量に与えず、食後すぐの激しい運動は避けるようにしましょう。

そのほか、てんかん、アレルギー、眼のトラブルなどが見られることもあります。元気そうに見えても不調を隠すことがあるため、年1回以上の健康診断を受け、シニア期に入ってからは検査の頻度や内容を動物病院で相談すると安心です。

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの歴史

ハンガリー

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラは、ハンガリーで古くから猟犬として発展してきた犬種です。ルーツは、9世紀頃にハンガリーの地へ移動してきたマジャール人と行動を共にしていた犬にあるとされています。

その後、ハンガリーの貴族や猟師たちによって、獲物を探し出し、位置を知らせ、回収までこなせる万能な鳥猟犬として育てられていきました。

広い草原や野外で人と連携しながら働く能力が重視され、現在のビズラらしい機敏さや協調性が形づくられていきます。

一方で、戦争や社会の変化によって、一時は頭数が大きく減った時期もありました。それでも愛好家たちによって血統が守られ、20世紀以降はヨーロッパやアメリカなどにも広まっていきます。

現在では、美しい外見を持つ家庭犬としてだけでなく、ドッグスポーツやフィールド競技でも活躍する犬種として知られています。

人と協力して働いてきた歴史は、現代のショートヘアード・ハンガリアン・ビズラの高い訓練性や、人のそばにいたがる性質にもつながっています。

まとめ

佇むショートヘアード・ハンガリアン・ビズラ

ショートヘアード・ハンガリアン・ビズラは、ハンガリー原産の活動的な鳥猟犬で、人との結びつきが強く、家族のそばで過ごすことを好む犬種です。

美しいラセット・ゴールド系の短毛と引き締まった体型が魅力ですが、十分な運動量と日々の関わりを確保できる家庭に向いています。

国内では出会える機会が少ないため、迎える際は信頼できるブリーダーを時間をかけて探し、健康状態や飼育環境を確認することが大切です。

股関節や耳、胃拡張・胃捻転症候群などにも注意し、健康管理を続けながら、愛犬と一緒に活動的な暮らしを楽しみましょう。

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