秋には木の実や落ち葉が落ちており、犬の興味を刺激するものがたくさんあります。中でもよく聞くのが「どんぐり」を食べてしまったという飼い主さんの心配の声。木の実や植物によっては、毒性があり、犬が中毒になってしまう物もありますので、心配ですよね。
犬がどんぐりを食べるとどうなるの?
- 下痢
- 便秘
- 膵臓、腎臓への負担
- 消化管障害
どんぐりの主な成分はでんぷんとタンパク質です。脂質、タンニン、サポニンといった物質が続いて含まれています。この中でも特徴的なのが「タンニン」と呼ばれる成分ですが、このタンニンが含まれていることで、どんぐりに苦味や渋みが出ます。
タンニンは抗酸化物質でもあるため、少量であれば殺菌、解毒といったように犬にとっても有用に働くことがあるそう。しかし、タンニンを多量に摂取することは、中毒症状として下痢、便秘、膵臓や腎臓への負担や、消化管の障害が発生する場合があります。
また、どんぐりとっても種類はいくつかあります。クリ、ブナ、スダジイ、マテバシイの木になるどんぐりはタンニンが少ないといわれています。一方、コナラ、ミズナラのどんぐりにはタンニンの量が多いのだそうです。
そんな中毒症状の発生が懸念されるどんぐりですが、実際には大量のどんぐりを食べない限りは、中毒症状がおこることはないといわれています。また、犬は苦味を嫌うため、どんぐりを食べる場合はタンニンが抜けた熟したどんぐりを選んでいるともいわれています。
しかし、熟しているもの、熟していないものを判断せずに、食べられそうなものを拾い食いしてしまう犬もいると思います。また、堅いどんぐりの皮が消化されずに体内を通るため、消化管に傷をつけるといった恐れもあります。落ちているどんぐりにはカビが生えていたり、除草剤などが付着している可能性もあります。
そのため少量であっても、どんぐりの拾い食いには注意が必要だといえそうです。
犬がどんぐりを誤食してしまったら…
万が一どんぐりを誤食してしまった場合、相当量でない限り、中毒症状の心配はなさそうです。しかし、どんぐり以外でも誤食は命の危険も伴うため、対処を理解しておく必要があります。
目の前で誤食や誤飲が発生した場合、間に合えばすぐに口を開けて取り出してください。もし間に合わなかった場合、飲み込んだものが「中毒を起こすようなものでなく」、「詰まる恐れのないもの」であれば、便として排出されるのを待ちます。
しかし「何を飲み込んだのかわからない」「中毒性のあるもの」「詰まる可能性があるもの」のいづれかであれば、病院へ連れていきましょう。食べてすぐであれば病院で取り出してもらえる可能性があります。
また、一見は普通の葉っぱや木の実、花びらだったとしても、毒性を持ち合わせていることがあります。その場合、強い中毒症状が発生し、最悪の場合は死に至ることもあります。誤飲、誤食をした際は、飼い主が判断せずに必ず動物病院へ相談するようにしましょう。
まとめ
大量のどんぐりを食べてしまうと、中毒症状が表れることが分かりました。また、少量だったとしても、消化不良を起こしたり、や消化管を傷つけたりする恐れがあります。どんぐり自体の毒性は問題なくとも、落ちているものには思わぬ毒が付いていることもあります。
まずはどんぐりであれ、何であれ、「拾い食い」自体をしないようにトレーニングすることが大切です。犬の健康を守ることができるのは飼い主さんだけです。また、万が一の時は、飼い主さんが自己判断をせずに、獣医さんへ相談することが大切です。