犬の爪が折れてしまった時の応急処置

犬の爪が折れてしまった時の応急処置

犬にとって大事な爪。そんな爪が折れてしまったら……飼い主としてはびっくりしますし、どうしたらいいのかわからなくなるかもしれません。爪が折れた時の応急処置や爪のケアなどをご紹介します。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

爪の役割とは?

白い犬の爪

犬の爪は走る時にスパイクのように使ったり、ブレーキをかけるときに踏ん張ったりするときにとても役に立ちます。
また指先をカバーする役目もあり、とても重要な部分です。
爪は伸び続けるため、定期的にカットしないといけません。
爪を伸ばしすぎると肉球に刺さって歩けなくなってしまったり、折れて歩けなくなってしまったりします。

犬の爪が折れる原因は?

伸びた爪

爪折れは犬の怪我の中でも意外と多いです。
散歩中や犬同士の喧嘩、ケージなどの固いものをカリカリしたり、急にスピードを出した時や急ブレーキをかけたときなどに爪の1本に体重がかかることで、折れたり割れたりしてしまいます。
爪の中には血管と神経があり、折れると痛みをともないます。
そういった状態になるには「伸ばしすぎた爪」が原因となります。
数ヶ月に1度だけ切ったり、室内犬で外に出る機会が少なかったりすると爪が伸びてしまいます。
伸びたタイミングできちんと切れればいいのですが、気付かずそのまま伸ばしていると爪が折れる原因となってしまいます。
また爪の長さ以外にも、爪の一部がアスファルトなどにひっかかることがあるため、ヤスリがけも必要でしょう。

爪が折れてしまったときの応急処置

獣医に前足を持ち上げられる犬

折れているだけで出血はしていない場合

人間と同じように犬の爪にも神経や血管が通っています。
深爪すると血が出ますし、痛い思いもします。
白い爪であればよく見ると赤い血管が通っているのがわかると思います。
爪の折れたところから出血はなく、その周りを触っても痛がらないようなら2〜3日様子を見ても良いかもしれません。
もし痛がったり、元気がなくなる、餌を食べなくなる、足を気にしてなんども舐める、足をひきずる、などの症状や行動をとるようになったら病院へ連れて行ってください。

爪の先端が折れて出血している場合

爪の先端から出血している場合は、爪切りの時に使う止血剤を使って止血してあげてください。
その後、折れた部分のまわりを触ってみたりして痛がらないか確認してください。痛がらないようであればそのまま様子を見ても良いでしょう。
爪の付け根が腫れたり、痛がっているようであれば動物病院へ連れて行ってください。
止血剤は爪切りと一緒にホームセンターや動物病院などで売っています。もし止血剤などがない場合には、動物病院へ連れて行って止血してもらってください。

根本から折れて出血し痛がっている場合

爪の根元から折れている場合、爪だけではなく強い衝撃で指の骨まで折れてしまっている可能性があります。
優しくタオルでくるんで止血をしながら動物病院へ連れて行ってあげてください。
もしタオルを当てるのも嫌がるようでしたら、無理に触ろうとせず撫でてあげたりして落ち着かせながら動物病院へ連れていきましょう。
またここでひとつ気をつけることがあります。それは犬に傷口を舐めさせないことです。
舐めることで口内にいる細菌が傷口に付着し、化膿させてしまうおそれがあります。
そうなると治りも遅くなってしまうので、できるだけ傷口は舐めさせないようにしましょう。

普段から爪のケアをしてあげよう

つめきりをする犬

爪が伸びすぎると折れる可能性も高くなります。
日頃から爪のケアをしておくことで、折れる可能性をできるだけ低くしてあげましょう。
爪を切る際は犬用の爪切りと止血剤を用意してはじめましょう。

爪切りの回数

爪切りの頻度は散歩の量や犬種によって異なります。
あまり頻繁に切りすぎると血管を切ってしまう可能性が高くなりますし、逆に切らな過ぎると中の血管が伸びてきてしまって、少しの爪切りですぐ出血してしまうことがありますので大体月に1回、ペットショップやペットサロンなどで切ると良いでしょう。
動物病院でも爪切りを行っているところはあります。
どうしても自分で切るのが不安ならプロにまかせても良いかと思います。

爪切りのやり方

つめきりをするビーグル

白い爪の場合

白い爪の場合は血管がうっすら赤く見えるので、その手前までをカットします。
カットした後は角をやすりで削り滑らかにします。

黒い爪の場合

黒い爪の場合は、白い爪と違って血管が見えないので少し難しいです。
そのため血管を切ってしまわないように注意しながら少しずつ切っていく必要があるでしょう。
切っていると爪の断面の中央に黒い点が出てきますので、それを目安にしてください。
黒い爪の場合も白い爪と同じように切り終わったらやすりで削り滑らかにしてあげましょう。

血が出てしまった場合は?

爪を切りすぎて血が出てしまった場合に止血剤が必要です。
ティッシュで血を拭いたあと、止血剤を出血した部分に塗ってください。もしなければ小麦粉を代用することができます。
それでも止まらないようであれば動物病院へ連れて行ってください。

まとめ

茶色い犬の前足

犬にとって爪はとても大事な部分です。
爪は一生伸び続け、飼い主さんがカットしてあげないと肉球に刺さったり折れたりする原因になります。
折れた場合、様子をみて大丈夫そうであればいいのですが、腫れてしまったり、痛がったりした場合はすぐに動物病院に連れていきましょう。
日頃のケアで爪が折れるリスクを回避することができるので、コミュニケーションを取りながら爪を切ったりヤスリで削ったりとケアしていってください。

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