突然、股間を犬に嗅がれた!
犬がいきなり人の股間を嗅いだりすることってありますよね。犬を飼っている人にとっては「あるある」かもしれませんが、飼っていない人からすると驚きますしあまり気分の良いものではありません。
注意してもなかなかやめないこの行動、実はちゃんと意味があるんです。
股間の匂いを嗅ぐ理由
犬は嗅覚の動物を言われるほど嗅覚が発達しています。
刺激臭なら人間の約1億倍の嗅覚があると言われています。そのため犬は匂いにはとても敏感で、匂いから得られる情報はとても多いのです。
犬の挨拶
股間やお尻、性器のあたりの匂いを嗅ぐのは犬同士の挨拶です。
犬の肛門付近には肛門嚢(こうもんのう)という袋があります。犬は、そこからその犬の情報が詰まった分泌物を出すのです。この匂いで順位を決めたりすることもあります。これは、順位付けの行動をするうえで大事な行動となります。
フェロモン
犬の鼻はフェロモンに敏感にできています。
アポクリン腺と呼ばれる特殊な汗腺から分泌されるフェロモンは年齢、性別、健康状態など様々な情報が詰まっています。犬やほとんどの動物のアポクリン腺は体中にありますが、とくに性器と肛門付近には密集しています。メスの場合は発情しているのか、妊娠しているのかなどといったことまでわかります。
人間の場合、このアポクリン腺は体の特定の部分にしかなく、脇の下と性器の周辺(股間)に集中しているため、他の犬の股間の匂いを嗅ぐのと同じように人間の股間もクンクンと嗅ぐのです。
初めて会う人には強くこういった行動を示します。また、生理中であったり子どもを産んで間もない女性には、とくに興味を示します。
犬の嗅ぎ分けテスト
世界中には犬による嗅ぎ分けを利用しようという研究もあります。
犬は体内にある物質の匂いを何らかの形で嗅ぎ分けることができるため、以下のような実験が進められています。
牛の妊娠
排卵したばかりの牛を見分けるように訓練して、牛をうまく交配させようといった試みです。
牛の妊娠しやすい期間は短く、人間では見分けることがとても難しいため、犬の力を借りようというわけです。犬の嗅ぎ分けテストは排卵を予測する方法の中で、簡単かつ信頼ができる方法となっています。
ガン探知犬
ガン(悪性腫瘍)は、血液やリンパ管を通じて全身に移っていきます。
かつては不治の病と言われていましたが、早期発見、早期治療を行えば生存率も格段に高くなります。そして、このガンが発する匂いを犬が嗅ぎ分けることができるかもしれないと考えられています。
卵巣ガンや乳ガン、肺ガンなどの様々なガンに対する実験の結果、ガン患者の体内で生成されている物質を犬が嗅ぎ分けるということがわかっているのですが、その生成されている成分がなんなのかはわかっていません。そのため、まだガン探知犬が活躍しているという話はありません。
ですが、将来的にガン探知犬が活躍する日がくるのではないかと言われています。また犬の嗅覚を再現した人口嗅覚を作ることで、ガンの早期発見が可能ではないかとも言われています。
犬の嗅覚が人間の寿命を延ばす手助けをする日も近いかもしれませんね!
匂いを嗅ぐのをやめさせるには
匂いを嗅ぐのは本能なので、強く叱って止めさせようしてはいけません。
代わりとして手の匂いを嗅いだり、足の匂いを嗅いだりするようにさせましょう。股間を嗅ぎにきた犬の脇腹などを撫でて気をそらし、手を差し出して股間ではなく手を舐めれるようにしてあげてください。
これを繰り返すことで、段々とすぐに股間を嗅ぎに行くことは減っていくかと思います。
股間を嗅ぐのはセクハラ?!
実はアメリカで、犬が人の股間の匂いを嗅ぐことで事件が起こりました。
コネチカット州ウォーターバリーでの出来事です。
ウォーターバリーに住むバーバラ・モンスキーさんは、ゴールデン・レトリバーであるコダックとその飼い主のはワード・モラハンさんを訴えました。モラハンさんをセクシャルハラスメントで告訴したのです。
モラハンさんが飼っているコダックが度々、彼女のスカートの中に鼻を押し付けて匂いを嗅いだりしていたのをモラハンさんが止めさせなかったことが、性的な嫌がらせだという主張でした。
連邦地裁はこの起訴を棄却しました。犬が無礼な態度をとったとしても、飼い主がセクシャルハラスメントを行ったことにはならない、ということです。
訴えは退けられましたが、気持ちが良い話ではありませんよね。
他人に対してそういった行動をとった場合には、まず謝罪をして次からそういった行動を相手に対してとらないように何か対策をする必要がありますね。
まとめ
犬が人の股間をクンクンと嗅ぐ理由、犬の嗅覚のすごさ、他人に対して行った場合の思わぬトラブルなどいかがでしたでしょうか。
人の股間を嗅ぐのは犬の本能なので仕方のないことではありますが、何か他の方法で気を引いたりして迷惑をかけないようにしたいですね。
犬の性質を理解して、それに合わせた対処法などをとっていくことで人間と犬とより良い関係を築けるかと思います。
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