犬のうんちの色が意味することは?
犬の健康管理で大事なうんちの観察。飼い主の皆さんは毎日のお散歩や、トイレの掃除の時に「今日のうんちはいつもと違うな…」と思って不安になったりした経験は無いでしょうか。
まずは普段のうんちがどんな色なのか?食べ物によってどんなふうに変化するのか?など、知ることからはじめましょう。普段のうんちと違った色をしていた場合にどんな体調なのか?がわかることがあります。今回はうんちの色が意味することをまとめていきます。
1.濃い茶色
犬の正常なうんちの色は茶褐色が正常だと考えておきましょう。うんちの色は胆汁の分泌が関係しています。胆汁そのものは黄色ですが腸内環境によって色が変化してうんちの色にも影響します。お腹の調子がいい時には茶褐色になります。
2.赤茶色
食べ物によって一時的に赤茶色のうんちがでることがあります。レンガ色のような少しぺとっとしたうんちは食べ物の影響が大きいかもしれません。ジャーキーや犬用の缶詰などを食べていることが影響している場合があります。
3.オレンジや黄土色のうんち
お腹の調子が悪くうんちを頻回にした時に、色が黄色っぽくなったことはありませんか?犬は肉食に近い雑食動物なので、通常腸内は肉を消化しやすいアルカリ性となり、濃い茶色のうんちを出します。
腸内が酸性に傾くと、胆汁は黄色に近くなります。腸内が酸性に傾く時というのは繊維質の多い野菜を食べたときです。もし黄土色のうんちが続くようであれば、硬さなどにも注目してくださいね。もしかすると腸内のバランスが崩れているかもしれません。
また黄色が食べ物に関係なく続くようであれば、膵臓や胆のうなどに異常がある場合がありますので、病気の可能性を考え早めの受診をおすすめします。
4.薄い黄色やグレー
極端に薄い黄色やグレーのうんちがでる場合は、慢性膵炎や膵外分泌不全という病気の可能性があるので素早く受診しましょう。グレーや白に近い色のうんちは消化不良を起こしているかもしれません。
5.黒色
黒いうんちはお肉を食べ過ぎた場合に腸内がアルカリ性に傾いた際に出ることがあります。また上部消化管からの出血が考えられます。主に小腸からの出血を起こしていることが多く、出血した部分が便としてでてくるまでに、変色を起こして黒くなっていることが考えられます。
他にも、寄生虫による炎症を起こしている場合、急性膵炎の場合なども黒いうんちが出る可能性があります。いずれにしてもすぐに病院で受診し治療する必要があります。
6.緑色
緑色のうんちがでたときには注意が必要になります。消化管の働きが不十分になり、胆汁を腸で十分に再吸収しにくくなった場合にそのまま胆汁がうんちと一緒に外にでてきて緑色になります。
腸の働きが良くない場合が多いので動物病院を受診して改善しましょう。
犬のうんちの色を見る時の注意点
茶褐色以外のうんちがでた場合、基本的には病気の可能性なども考え早めの受診をおすすめしますが、うんちの色は食べた物に影響されることもよくあることです。ではその他にもどのようなことが影響するのかなど、注意点を詳しく説明していきます。
1.犬のうんちの色は食事内容の影響を受けやすい
ドッグフードしか普段から与えていない場合には、それほど便の色の変化はないかもしれません。それでも体調の良し悪しによって、多少の変化はあるでしょう。
うんちの色は単純に食べたもので変化しますのでいくつか具体的に挙げてみます。
- ジャーキーなどの肉系のおやつを食べて黒色又は赤茶色に
- 歯磨きガムなどをかじって食べた場合にクロロフィルなどの色素により緑色に
- 手作り食で食物繊維の多い食事をして黄色っぽいうんちに
このように少しびっくりするような色のうんちをする場合がありますが、食事の影響の場合は成分が排出されれば便の色は元通りになるはずです。様々なものを与えている場合には経過を観察してください。
2.薬やサプリの摂取で変化した可能性を除外しておく
抗生物質を与えすぎで腸内細菌が死んでしまった場合にうんちの色が緑色になることがあります。また鉄分のサプリをあたえている場合には黒になります。その他にも様々な薬やサプリメントがありますので、与えるものでどのような影響があるかをしっかり把握しておきましょう。
3.排泄の直後の色を見る
排泄して時間が経つと乾いて色が変化してしまい正確なうんちの色はわかりにくいので、うんちの色を把握する場合には出た直後に観察しましょう。表面の色だけではわからないこともありますのでできれば、つぶして中の色まで確認してください。
4.摂取する水分量や食べた量で色が変わる
水をがぶ飲みしたり、いつもよりもたくさん飲んだ、など水分量によっても硬さや色が変わることがあります。同じドッグフードでも食べる量によっても変わることもありますし、飲食した量の把握をしましょう。
犬のうんちの色が変化した時の対処法
うんちには犬の体調についての様々な情報が隠されていますので、しっかりと観察が必要です。原因がわかるようであれば都度対処していく必要がありますが、分からない場合は早めに受診が必要です。
1.色以外にうんちの異常がないか確認する
基本的な状態を確認しましょう。
- 硬さ(軟便、下痢、硬すぎるうんち)
- 形(小さな塊やボロボロ崩れるうんち)
- 回数
その他にも以下の点に注意して観察してください。
- 便の周りに粘膜や血がついていないか
- 便の中に異物が入っていないか
- 便の中に消化しきれていない食べ物がないか
- 臭い(酸っぱい、または硫黄のような臭い)
- 寄生虫&卵はないか(米粒のような卵や糸のような寄生虫がいないか)
うんちの観察で意外なことを知るきっかけになります。犬のうんちの中には、たまに驚くような物が混ざっている場合があります。例えば、ティッシュの箱を少しずつかじっていた、といった異物を食べてしまっている場合などは便にそのまま出てきたりします。
生活していて気付かないうちに…ということがほとんどです。消化しにくい食品はそのままでてくることもありますので、その場合は消化しやすいような形状にして与える必要もでてきます。
また、便の表面に血混じりの粘液がついている場合は、血便と呼ばれるものです。消化管に炎症がおきて血便が出ている可能性や、寄生虫や感染症の可能性もあるので動物病院をすぐに受診しましょう。
このように色が茶色だからと言って必ずしも健康!とは言い切れないのです。色んな面から観察して異常があれば病院に相談をして検査などが必要になるでしょう。
2.犬の新鮮なうんちを採取して動物病院へ持参する
色がおかしいな、と思ったら、うんちを病院に持ち込んで検査してもらいましょう。うんちの検査は
- 色
- 形状
- 硬さ
- 中身
目視で確認して、さらに顕微鏡で寄生虫の有無や細菌のバランスなどをみます。その為できるだけ新鮮な状態で、水分量もそのままの状態で見れるとベストです。できればサランラップやアルミホイルに包んで、つぶれないように持っていきましょう。衛生的な問題や臭いもあるので、さらにビニールに入れて持参しましょう。
3.犬との生活の上で変わったことがなかったかを確認
色がちがうな、と思ったとき、犬にとって環境の変化やストレスがかかっていないかを思い返してみてください。人間でも環境が変わって便秘がちになったり、運動不足によって便の状態が変わることがあります。
犬も同様に環境によって変化することがあるので、気になって病院に相談する際にそういったことも含めて伝えることができるといいですね。
犬のうんちの色を良好に保つための対策
犬のうんちを良好に保つために飼い主さんができることはどのようなことがあるでしょうか。いくつかの点をご紹介します。
1.犬の体質に合う栄養バランスの整った食事を与える
犬のうんちの色は食べ物に影響されることが多いことは、おわかりいただけたと思います。手づくり食を与えている場合には毎日食べ物によって変化するのは仕方ないことですが、うんちの色が極度に黒や黄色に変化するようであれば、胃腸に負担をかけ続けているかもしれません。
ドッグフードは犬にとってバランスよく作られています。もしうんちの色にばらつきがあり健康管理をしにくい場合にはフードを見直す必要もあるかもしれません。
また、人間のご飯を分け与えている場合は、急性膵炎にかかる可能性が高くなるので、便の状態や色の観察を普段からしっかりしておきましょう。
2.犬の拾い食いや寄生虫感染を予防する
犬は散歩中などもよく見ておかないと拾い食いをしてしまったりします。その場合も食べたものによっては胃腸症状が出てうんちの色が変化します。
また寄生虫の感染によって消化器官に異常をきたして変化する場合がありますので、日常的に犬の観察を怠らず衛生的にも環境を整え、しつけもしっかり行う必要があります。
3.極度の環境の変化やストレスをなくすこと
環境の変化やストレスは便通に大きく影響します。言葉が話せない分、様々な部分に変化がでます。その中でもわかりやすく便の色の変化が起きたら環境を見直す必要があるかもしれません。
4.生活のリズムを一定に
生活のリズムが一定で、運動を適度に行っていると体調が安定します。休日に集中して運動しすぎて胃腸の動きが激しくなり軟便になったり、神経質な犬は家族が賑やかにしていて思うようにうんちができないことで、便秘を引き起こすことも考えられます。
なるべく部屋の中のトイレの場所や状況、散歩の時間も管理してあげられるといいですね。
まとめ
いかがでしたか?うんちの色で様々なことがわかりますね。うんちの色だけではなく、茶褐色の正常な色をしていても、注意すべき点は様々です。
- 真っ黒緑色黄色は注意信号
- 色だけでなく、硬さや内容物も確認
- うんちの状態を保つには食事の管理を
- 拾い食いや寄生虫もうんちの色には影響が
- うんちを検査する際には新鮮な状態で
以上のように、犬のうんちにまつわることについて記事をまとめてみました。
犬の健康管理をするうえで、便と尿の観察は必須になります。色や状態などの知識は必要になりますし、日々の観察を飼い主さんがしっかり行うことで健康状態にSOSが出ている場合には早急に気付いてあげられるでしょう。
動物病院にうんちを持ち込むときは持ち込み方を知らない方が結構多いので、今回の記事を是非参考にしてください。