犬が薬を飲まない原因
動物病院への定期的な健康診断や、毎年のフィラリア予防薬、ケガや病気をしてしまったときの飲み薬、シニア犬の定期薬など、薬を飲む機会は意外と多いものです。健康のために欠かせない薬ですが、なぜ犬は薬を飲まないのでしょうか?
ニオイが苦手
それは、薬独特のニオイが原因の一つとして考えられます。犬は鼻が敏感であるため、薬独特のニオイを感じ取っているのでしょう。また一度薬を飲んだことがある子は、喉に通る薬の異物感を経験しているため、嫌な思い出として記憶し、飲まないのかもしれません。
また私たち人間もそうですが、美味しくないものを無理に食べようとはしませんよね?それは犬も同じで、美味しくないものをわざわざ食べる理由が分かりません。
「薬=嫌なもの」と認識している
人間でさえ飲まなくてはいけないと分かっていても飲みたくないものなのに、飲まなくてはいけない理由も分からないまま得体の知れないものを口に入れられる。そんな状況を見ると、犬が薬を拒む気持ちも分かります。
無理やり飲ませようとすればするほど犬は恐怖を感じて、「薬=嫌なもの」と認識してしまいます。飲んだふりをして飼い主さんが見ていないところで吐き出す子もいるほどです。
犬が薬を飲まない時の正しい対処法
では、犬が薬を飲まないときはどうすれば良いのでしょうか?
薬を与えるうえで一番大切なのは、犬が嫌な思いをしないことです。正しい方法で薬を与えれば、飼い主さんも大変な思いをせず、犬もストレスを感じることがなくなるでしょう。薬を飲まないことに苦労する飼い主さんのために、薬のタイプごとに正しい対処法をご紹介します。
錠剤やカプセルの飲ませ方
食事に混ぜる
一番簡単な飲ませ方として、普段の食事の中に混ぜる方法です。犬は食事を丸飲みしたり早食いをする習性があるので、小さな錠剤やカプセルであれば、気付かれずにペロリと食べてくれるでしょう。
敏感な子は薬を飲まないように器用に避けて、ドッグフードだけを食べる可能性があるので、柔らかいウェットフードに混ぜたりドッグフードの中にヨーグルトなどを入れるなどの工夫をすることで薬の存在を見えにくくし、飲み込みやすくなります。
食べ物で包む
また薬を食べ物に包むことで、薬の存在を隠す方法もオススメです。サツマイモを茹でてペースト状にしたものに包んだり、チーズやパンの中に埋め込んだり、普段ウェットフードを与えていないご家庭は試してみてください。サツマイモのほのかな甘い香りで食欲が増し、薬を飲まない子に効果的といえます。
薬を直接口に入れる
食事に混ぜたり包んだりしても薬を飲まない場合は、薬を直接口に入れて飲ませる方法があります。実際に動物病院で行われている方法で確実に薬を飲ませることができるため、薬を飲まない子に試してみましょう。
- 犬をオスワリさせる。
- 犬の正面に座り、薬を持ったまま上アゴと下アゴを持つ。
- 無理やり開けようとせず、下アゴをゆっくりと下げる。
- 喉の奥に錠剤やカプセルを押し込む。
- 口を閉じて、喉周辺をさする。
水を含ませたシリンジ(注射器)やスポイトを用意し、喉をさすったあとに歯が少ない部分(奥歯と牙の間)からシリンジかスポイトによって水を入れると、容易に飲み込んでくれるので効果的です。
しかし犬にとっても飼い主さんにとっても難易度が高い方法で、これを試したことにより犬がさらに薬を嫌がったり、ストレスを感じる場合もあります。
子犬のころから口を触ったり口を開けたりすることで、口への接触に慣れている犬はこの方法が望めますが、飼い主さんの根気やテクニックが必要となるでしょう。
粉末薬の飲ませ方
粉末は食事に混ぜるとより効果的
粉末の薬は食事とよく混ぜることで見た目としては変化が出ないので効果的です。ウェットフードの場合はなおさらそうでしょう。
水に溶かして口に入れる
しかし薬を飲まない子は薬に対して敏感であり、薬の存在に気付いて食べないかもしれません。その場合は食事に混ぜて与えることを諦め、薬を水や犬用ミルクに溶かしてシリンジやスポイトに入れ、歯が少ない部分(奥歯と牙の間)から与えます。
ここでポイントなのが、少しずつ与えること。一気に全て流してしまうと誤嚥(食道ではなく気道に入ってしまうこと)の恐れがあります。薬を飲まないことよりも、誤嚥になってしまう方が問題なので、注意が必要です。
液体薬の場合
液体の場合も食事にかけることで与えることができますが、敏感な子は風味の変化に気付き、薬を飲まないどころか食事を食べようとしないかもしれません。粉末と同じで、シリンジやスポイトで飲ませるといいでしょう。
犬が薬を飲まない時の注意点
飼い主さんにとっては犬の健康のためにしている行動も、きちんと犬の気持ちを汲まないと犬に嫌な思いをさせてしまうかもしれません。ここでは犬が薬を飲まないときの注意点をご紹介します。
まずは飼い主さんが冷静に
犬の健康のために、「薬を飲まないと治らない」「絶対に飲ませなきゃ」と考えるのは素晴らしいことですが、その緊張や気合は犬に伝わってしまい、飼い主さんに対して警戒心を持つかもしれません。初めての投薬の場合は仕方のないことですが、なるべく冷静に、しれっと食事に混ぜてしまいましょう。
飲めたら思いっきり犬を褒める
犬にとって飼い主さんに褒められることはとても嬉しいことです。薬を飲むことだけでなく爪切りやハミガキもそうですが、犬にとってあまり好きではない行動がきちんとできたとき、思いっきり褒めてあげてください。
犬は「頑張ったら褒めてもらえる!」と認識し、嫌なことを我慢することができるほど張り切ってくれるでしょう。飼い主さんの喜んだ顔を見たくて、薬を飲まない子も頑張って飲んでくれるかもしれません。
必ずその子に合った投薬方法を
「うちの子は飲めない」「何をやっても飲まない」と決めつけず、愛犬に合った投薬方法を見つけましょう。投薬にはたくさんの方法があるので、いろいろ試してみるのもいいかもしれません。
獣医さんは回復するために必要な薬の量と期間を考慮したうえで処方しているので、いろんな方法をチャレンジしても飲ませることができないときは相談してみましょう。
無理やり飲ませない
食事に混ぜたり、直接の投薬方法をしても飲まない場合も、決して諦めてはいけません。そして無理やりに飲ますことも禁物で、犬がなぜ飲まないのかの原因を追及することが大切です。
もしかしたら薬が大きくて飲み込めないのかもしれない、薬を見てしまうと食欲がなくなってしまうかもしれない、「薬=飲まないもの」と認識しているかもしれない、など犬の行動をきちんと観察することが大切です。
どうしても薬を飲まない場合は、便利グッズを使ってみましょう。
犬が薬を飲まない時の便利なもの
ピルポケット
商品情報
グリニーズ 獣医師専用 ピルポケット は、愛犬の健康を考慮し主原料に100%自然素材を使用して作られた、薬を包み込んで隠すことで簡単・確実な投薬を可能にする投薬補助トリーツです。
薬を隠す形でポケットに入れることができるオヤツです。小麦粉や乾燥チキンなどを使用して作られているので柔らかく、薬をポケットに入れたら塞ぐことができます。薬を隠した状態で与えるので、薬の存在によって飲まない子にオススメのグッズです。
錠剤クラッシャー
商品情報
オールペット用錠剤クラッシャー錠剤を簡単にくだいて投薬。薬嫌いなペットにも、好みのエサにトッピングするだけ。人間の薬にも使用可能です。
錠剤をカットしたり、細かく砕くことができるグッズです。薬の存在感を消すことができるので、薬が大きくて飲まない子にオススメのグッズです。
しかし獣医師さんから処方された薬を勝手に砕いたり、カプセルの中身だけを与えることはNGです。犬にとって一番効果的で効き目のある薬を処方しているので、勝手な判断で形状を変えるのはやめましょう。グッズを使用する場合は事前に獣医師さんに相談して、判断を仰ぎましょう。
まとめ
犬への投薬には、苦労している飼い主さんも多いでしょう。でも動物病院から処方されている大事な薬を「飲まないなら仕方ないか」と済ませられません。
動物病院で獣医さんや動物看護師さんに投薬を頼むことも可能ですが、できれば自分の手で与えたいですよね。ケガや病気などで日常的に飲まなくてはならない犬であればなおさらです。
この記事を読んで、薬を飲まない子でも嫌な思いをすることなく、さらに飼い主さんが投薬慣れするまで奮闘してくれたら幸いです。
ユーザーのコメント
20代 男性 go
飼い主が口を開けて薬を飲ませることが出来ない場合にはとてもおすすめな商品だと思います。
女性 ふゆ
先代の愛犬が心臓病で、8年間、毎日薬を飲ませていたのですが、食がとても細くて、お薬に対してもすぐに気が付いて吐き出してしまう子でしたので、毎日お薬を与えることに本当に苦労をしました。病院で相談をしても、このピルポケットについてはふれていなかったので、病院によっても勧められるものは違うのでしょうね。我が家では最終的には苦肉の策で、カステラで薬を包んであげていましたが、ピルポケットがあればまた違ったかもしれませんね^^;
30代 女性 38moto
飲み薬の中でも抗生物質は匂いがあるのか、何に混ぜても綺麗にそれだけ残してしまいます。好物で一通り試したことがありますが、何度か成功しても次に与える時に不信感いっぱいの目で見てきます。
ピルガンも試しましたが危険なだけで一度しか使っていません。
愛犬に心臓病の薬が必要になったので毎日朝晩の投薬になりました。そこで今はオブラートに包み、手で喉の奥まで押し込んで飲ませていますが、毎日のことなので、できればストレスのない方法で続けていきたいです。
ピルポケットは一粒のサイズが大きめです。小型犬にひとつ丸ごとを与えてしまうと量が多いので、ちぎって与えるといいようです。今のオブラートの方法がうまくいかなかった時のために買って置いておこうと思います。こんなに便利な投薬補助なら、小型犬向けに一粒が小さいものも出来たらいいですね。
20代 女性 つぶあんぱん
ピルポケットは本当におすすめの製品です!
薬が嫌いで何に包んでも気付いて飲まない犬でも、ピルポケットに包むと騙されてパクッと食べてくれます。とても美味しく作られているのでしょうね。
ピルポケットは柔らかいので薬も包みやすく、大きい場合はちぎって包むことも可能です。
警戒する傾向のある子に与える時は、
①薬の入っていないピルポケットを先に与える
②薬の入ったピルポケットを与える
③薬の入っていないピルポケットを与える
これをすると警戒せず、次にも投薬しやすいです。
動物病院に訪れて薬が飲めない犬の特徴は、病気をする前から嗜好性の高いものを日頃からもらっていたケースが多いようです。人間の食べ物や、犬用のおやつ、缶詰等をよくもらっている子です。
そのような食生活だった犬が、いざ病気や怪我をした際にいろいろな物に薬を包んで与えてもすぐにバレてしまいます。犬にしてみたらいつもの食べ物であり、特別感がなく、いつもと違うなと気付いてしまうようです。
逆に普段から固いドックフードのみ与えられていた犬は、何かに包むとあっという間に食べてくれることが多いようです。
健康な犬はいざという時の為に備えて、特別な嗜好性の高いものを与えずにいるのもひとつの手かと思います。
女性 匿名
女性 コロ
お薬を飲めないわんこが増えてきたのか、近所のホームセンターでもよく見かけるようになりました。今までは通販で購入してきたので、こういうものが身近に買えるようになるといざという時本当に助かりますね。
女性 ゴン吉
ピルポケットのように、愛犬が自ら好んで食べるものに混ぜるのが一番安心で安全です。
女性 織田
30代 女性 rin
薬を飲ませるというのは、多くの飼い主さんたちの悩みの種だと思います。
何も抵抗なく飲んでくれる子ならばいいのですが、たいていの子は嫌がります。
フードに混ぜて与えても、薬だけ器用に残す子もいますよね。
この商品は匂いも強めで、嗜好性がたかそうなので、試してみる価値はありそうですね。
犬も年をとると人間と同じように薬が増えてきますので、少しでも負担を少なくしていきたいですね。