犬の名前を呼んでも無視するのはなぜ?
犬の名前を呼んだのに無視されたということは、飼い主さんになら一度はある経験ではないでしょうか。飼い主が呼んでるにもかかわらず、犬は全くこちらを見ずに無視をし続けるということがあります。
しかしその行動にはそれなりの理由があることをご存じでしょうか。
まずわたしたちが犬の気持ちを読み取って、なぜ犬がそんな行動をするのかを考えてみることが大切です。また状況によっては、わたしたち飼い主が犬の症状を早めに気付いて、早急な対応をしなければならない時もあります。
では、具体的にどのようなことが原因で犬は名前に反応をしないのでしょうか。
理由1:名前を呼ばれると嫌なことをされると思っている
今までに名前を呼んで叱った経験はありませんか?
「名前を呼ばれた=怒られる」とイメージがついている場合、犬は名前を呼ばれても無視をする可能性があります。
また 名前を呼ばれて飼い主のところに行ったら「嫌いな病院に連れて行かれた」「嫌いなシャンプーをされた」「遊んでいたおもちゃを取られた」のように犬にとっての嫌な経験をすると、名前を呼ばれてたとしても飼い主を無視してしまいます。
名前に対してマイナスなイメージをつけないためにも、名前を呼ぶときは褒めるときに徹底することが大切です。飼い主のところに行くと褒められる、遊んでもらえる、おやつがもらえるといった何か良いことがあるようにしましょう。
このような印象が付けば「名前=何かいいことがある」というプラスのイメージになり、名前を呼ばれても無視をすることは無くなるでしょう。
一度ついてしまった悪いイメージを修正するのには多少の時間がかかりますが、名前を何度も呼んで焦らずに少しずつ定着させていくことが大事です。
監修ドッグトレーナーによる補足
「○○ちゃんダメでしょ!」よく見る光景です。犬だって好んで叱られる訳ではありません。嫌な事があれば逃げるのが普通です。「名前」を呼ぶ時は気をつけてみましょう。
理由2:遊びに夢中になっている
犬は何かに集中をしていて無視をすることがあります。
特に好奇心旺盛な子犬に多く見られるようです。これは自分のやりたいことを優先した行動であり、犬の気が済むと元に戻ったように普通に反応するでしょう。
対策としては犬をすぐに叱るのではなく、犬の行動や気持ちを尊重してあげることが大事です。少しづつ飼い主と犬間の主従関係を理解させ、飼い主が呼んだ時に素早く反応できるようにしつけをしましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
人も同じですね。夢中で遊んでいる時は、呼ばれても気がつきにくいです。それは意図的に無視したのとは訳が違います。「無視=悪い事」とは限らないと覚えておきましょう。
理由3:体調が悪い
犬にも病気、体調が悪い、脚、腰、関節や筋肉などに痛みがあって辛いなどの理由で返事が出来ずに無反応となる場合があります。また犬はできるだけ反応をしようとしてるけれど、具合がとても悪くて反応が薄い場合もあります。
犬の普段とは違う微妙な反応に気づいたときは、早めに獣医さんに診てもらうようにしましょう。そして日常から犬の体を触り、痛みを訴えるところはないか、しこりはないかなど注意して観察することが予防につながります。
理由4:老化現象
あなたの犬は何歳ですか?
犬は大型犬で7歳くらいから、また小型犬で9歳くらいからシニアと呼ばれています。
シニアになると老化現象として鼻や口の周りに白髪が生えてきたり、目や眼球が白く濁るなどの症状が起こる他に、私たちが見た目では分からない部分である視力・聴力・嗅覚も衰えてきます。そのため名前を呼んでも反応がうすい、または無反応などということがあり得ます。
あるいは動くことが困難なため無視しているのかもしれません。老化による聴力の低下でなく体の痛みや筋力の衰え、外耳炎や内耳炎で難聴になっているなど様々な可能性も考えられますので、シニアの年齢になってきたら毎日の観察の時間を増やし、若い時以上に気にかけてあげるようにしましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
シニア犬で顕著に出るのが聴覚の低下です。分かりやすい例として、玄関の音や冷蔵庫の扉の音や食器の音。これらに反応が薄くなってきたら聴覚の衰えが出始めた可能性があります。
しかし、心配しないでください。犬は嗅覚で世界を認識するので、人の想像以上に幸せに過ごしていますよ。
理由5:ふてくされている
犬は自分の名前を呼ばれ、聞こえているはずなのに見向きもしない場合があります。また呼んでも振り向くだけで、プイッとそっぽを向いてしまうこともあるかもしれません。
実は犬もわざと聞こえないふりをして、ふてくされている行動をします。
理由としては、
- 一緒に遊んでほしかったのに、飼い主だけ外出してしまった。
- いつものおやつを今日はくれなかった。
- 散歩やドッグランの時間が足りず、満足できないまま帰宅した。
- 遊んでたのにいきなり中止させられた。
- 飼い主が旅行に行き、留守番していた。など。
どうでしょう、心当たりはありませんか?ここで飼い主が犬の思い通りにしてしまうと「ふてくされると飼い主は言う事を聞いてくれる」と犬は思ってしまいますので、対応に注意する必要があります。
理由6:あだ名で呼んでいる
犬はあだ名で呼ばれても自分が呼ばれていることだと理解ができません。
可愛さあまりに「xxちゃん」「xxくん」など色々な呼び方をしてしまいがちですが、家庭内で呼び方を統一して、犬にその名前だけに反応をしてもらいましょう。
いくつものあだ名を使うのは、犬が自分の名前をしっかり覚えてからということですね。
理由7:犬の耳に聞きづらい音
実は犬にも聞きやすい音、聞きづらい音を持っています。
犬の聴覚は母音(アイウエオ)の聞き取りやすく、子音(カ行、サ行、タ行など)は聞き取りには向いていない音になります。そのためとても凝った名前やコマンドは犬にとっては聞き取りにくいのです。
特に老犬に対しては聞きやすい音など飼い主が理解したうえで、会話をしてあげるといいですね。
理由8:名前の連呼
普段の生活でお友達が来たとき、また家族と話してるときに犬の名前を何度も言ってませんか?実際犬に向かって名前を呼んでるわけではなくても、犬は自分の名前が呼ばれてるのを理解しています。これは、犬の自分の名前への反応を弱めてしまう結果になるといわれています。
飼い主が安易に犬の名前を連呼するのも、気を付けなければいけません。
まとめ
犬が名前を呼んでも反応しない理由が、おわかりになりましたでしょうか。
愛犬、老犬にも即座に反応ができない様々な理由があるのですね。
大切な犬が出しているサインに早めに気づき、出来るかぎり気持ちを読み取ってあげたいものです。愛犬との普段の生活のなかで飼い主が少し意識することにより、さらに信頼関係を築いていけることでしょう。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
逆に『ダメ、いけない〇〇』となると叱られてる、注意されてる。と、覚えるように使い分けしてます。
50代以上 女性 ももちゃんママ
40代 女性 てと
女性 もふころ