犬の血液型の基礎知識

犬の血液型の基礎知識【獣医師監修】

お気に入りに追加

血液型占いや血液型別の性格をまとめた本などがたくさん売られていますが、ほとんどがヒト向けの本で犬の血液型占いというのは見たことがないと思います。そもそも犬に血液型なんてあるの?と思う人もいるかもしれません。知っていると役に立つ犬の血液型についてここではご紹介します。

13754view

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の血液型の種類

犬の血液型の種類

ヒトにABO式やRh式の血液型があるように、犬にも様々な方法で血液型が分類されています。その中でもDEA(Dog Erythrocyte Antigen)と呼ばれる、犬赤血球抗原による分類が国際基準になっています。

DEA分類はヒトでいうRh式に相当し、犬ではABO式に当たる血液型がありません。このDEAによる分類では13種類の血液型に分けられます。日本ではDEA1.1型、DEA1.2型、DEA3型、DEA4型、DEA5型、DEA6型、DEA7型、DEA8型というように現在9種類に分類されています。

犬の血液型と性格の関係性

犬の血液型と性格の関係性

犬の性格は犬種や生活する環境、幼少期のしつけの仕方などによって変化するため、血液型が直接犬の性格に関わるとは言い難いです。更に犬の血液型は1匹に1つあるわけではなく、DEA1.1とDEA1.2の組合せといった感じで複数の血液型を持っています。そのため、やはりヒトのように何型だからこういう性格だとは断定しにくいですよね。

犬の血液型と輸血について

犬の血液型と輸血

犬の輸血には、注意すべきポイントがいくつかあります。犬はヒトより血液型の種類が多いので、輸血の際、血液型の適合性等がとても複雑だと思う方もいるかと思いますが、実はDEA1.1型が陽性か陰性かが最も重要なので、まずはこのDEA1.1型についてよく知っておくことが大切です。

また、犬は生まれつき持っている抗体がないため、1度異なる血液型を輸血するとその型は異物として判断され、次からは拒絶反応が起きてしまいます。よって、もしDEA1.1型が陰性の犬にDEA1.1型が陽性の犬の血液を輸血すると、初回に拒絶反応はほとんど起こりませんが、2回目以降は激しい拒絶反応が起きてしまいます。なのでまずは、DEA1.1型が陰性か陽性かを調べることが安全な輸血への近道です。

犬の献血ドナーについて

犬の献血ドナー

動物医療センターや動物病院によってドナー登録の条件は異なるものの、犬にも献血ドナーは存在します。犬の献血ドナーは骨髄疾患や免疫異常、外傷による失血や血友病などの疾患を患っている犬にとっては必要です。献血ドナーの条件の例を挙げると、

  • 年齢が1歳から7歳で体重は4㎏以上
  • 狂犬病の予防接種や混合ワクチン接種
  • フィラリア予防が毎年されている健康な犬
  • 麻酔をかけずに採血可能で温厚な性格の犬

などがあります。ただし、輸血を受けたことのある犬や妊娠・出産経験のある犬、赤血球のカリウム濃度が高い秋田犬などはドナー登録ができません。

また、動物病院で大型犬を飼っていることが多いことからも分かるように、多くの血液を採血できる大型犬の方が小型犬よりも望まれる傾向にあります。採血する際は全血液の1/3がなくなると命に関わるため、1/4の血液を採取します。

犬の献血ドナーは、ふだん聞くことがない上、動物愛護の問題として様々な意見があり人間の医療と比べるとまだまだ輸血による治療は十分に確立されていませんが、この献血ドナーが増えれば治療によって助かる犬も今後増えることが期待されています。

犬の血液型を知っておくメリット

犬の血液型を知っておくメリット

犬の血液型を調べることで輸血を安全に受けることができ、輸血の提供も行えます。また、父犬がDEA1.1型陽性で母犬がDEA1.1型陰性である子犬が、母犬の初乳を飲むことで起こる溶血反応を防ぐことにもつながります。

血液型が分かれば上記のような組合せの交配を避けることや、子犬が生まれた場合でも人工の乳を与えるといった対策をとることができるため、子犬の出産や子育てをするときに役立つといえます。

犬の血液型ではDEA1.1のみ調べることができます。ラピッドベット-Hという血液型判定キットも市販されているため、動物病院で測定することが可能です。輸血をする際は他にもドナー(供血動物)とレシピエント(患者)の血液を混ぜて、適合しているかどうかを判断するクロスマッチング試験が必要です。

まとめ

散歩中の犬たち

犬の血液はヒトとは異なることはもちろん、血液型や血液検査はヒトよりも複雑で数が多いことが分かります。外傷は目で見て気づくことができても、体内の異変は言葉を話せない動物だとすぐに判断することは難しいため、血液の状態を知ること、輸血のときや安心安全に子犬を育てるときのために血液型を知ることは重要です。いざというときのためにも、健康的なうちに愛犬の血液型を1度検査してみてはいかがでしょうか。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 momo

    以前、知り合いのワンちゃんが手術の際に献血が必要になり、やはり記事にあるように7歳未満でワクチン接種済みなどのいくつかの条件をクリアしたワンちゃんを探していました。その子はなかなかマッチする血液がないとのことで、かなり手術まで時間がかかってしまいました。その時は、何故だろうと思いましたが、犬は人間と違って、本当に細かい血液型の種類があるのだと今回の記事で初めて知りました。まずはDEA1,1型が陰性か陽性かによって、せっかくドナーが集まっても輸血出来ないというのが、とてももどかしく感じます。飼い主は一刻でも早く愛犬の手術をしたいと思います。大切な命を繋ぐためにも沢山のドナー登録が必要なのだと、今回あらためて思いました。
  • 投稿者

    30代 女性 38moto

    愛犬に輸血をしてもらったことがあります。犬の輸血は血液型とかどうなんだろうと心配でしたが、人とはこんなに違う構造なんですね。動物病院から輸血処置承諾の連絡があった時に「輸血は一度しかできない」と言われ、過去に輸血をしたことがあるかどうか何度も確認されてとても不思議でした。愛犬の血液型を知っておくことは大事かもしれませんが、いざ何かあった時にぱっと出るかと言われると、おそらく出てこないのも事実です。

    血を提供してくれたドナーの大型犬は、愛犬の下のゲージで点滴を受けて横になっていました。血液は長期保存できないので、こういう時のために動物病院で飼われているレトリーバーでした。輸血のために飼われるというのは悲しいですが、それで助かった命があるのでとても複雑です。

    輸血後、体調は良好で血液の数値が改善され拒絶反応等もありませんでした。気になった点は、輸血後愛犬の目が垂れたことです。元々アーモンドアイだったのが丸い目になっていて輸血の影響なのかどうか、過去に報告もないのでわかりませんが、これが輸血後の一番の変化でした。
  • 投稿者

    女性 ぴょん

    犬には血液型が13種類あると言われているので、いざ輸血をすることになったとき適合する血液を探すのは難しいのではないかと思う。
    そして、犬には人間のように血液バンクがなく保存をすることができないので必要なときに適合する犬を探して輸血をすることになります。
    しかし、輸血が必要な状態というのは多くは突然やってきて緊急を要することが考えられます。その一刻を争っているときに、血液検査から適合検査、適合した犬からの献血と段階を経て輸血となるには時間を要します。
    愛犬に輸血が必要になったとき、もしも犬の血液バンクが発達していてすぐに取り寄せることができたらと、思ったことがある飼い主さんも多いのではないかと思います。
    現段階でできることは、愛犬の血液型を知っておけば輸血や供血を少しは早く段取りができるのではないでしょうか。
    愛犬が元気な時には考えもしないことですが、この機会にそんなこともあるかもしれないことを、考えておくのはいいかもしれません。
  • 投稿者

    40代 女性 パンプキン

     犬の血液型の種類が、これほど多いとは驚きました。以前、友人の愛犬が重度の貧血になり、どうしても輸血が必要ということで、ドナー探しを手伝ったことがあります。知り合いに声をかけたところ、幸い大型犬のドナーが見つかり、クロスマッチテストも問題がなく、無事に輸血を受けることができました。
     わが家の愛犬は体重の軽い小型犬で、友人の愛犬(中型犬)の献血ドナーにはなれませんでした。体重だけでなく、過去の出産経験や輸血経験も、条件に関係しているんですね。体の大きな犬が望ましいということは聞いたことがありますが、秋田犬はドナーになれない(それも、血中のカリウム濃度の関係で)というのは意外でした。
     気になったので調べてみると、ドナーになった犬が採血するときは、麻酔をかけないことを知りました。おとなしい犬じゃないと、ドナーは難しいということでしょうか。
     犬の輸血・献血にはいろんな条件があり、もしもの場合、即座に対応できるとは限らないことがよくわかりました。現状では、献血を病院で飼われている犬に頼るか、知り合いやドナー登録してくださっている方に協力をお願いすることになります。自分の愛犬はすでに高齢のため、ドナーとして協力できないことが心苦しいですが、今後、犬の献血ドナー登録が増えることを願っています。
  • 投稿者

    30代 男性 さとう

    犬を飼っているため、犬友さんたちとSNSでつながっていると、たまに輸血できる犬を急いで探しているという記事が巡ってきます。
    いろいろな条件を満たしたうえで、その病院まで急いで連れて行ける犬、となると大変だなと思いながら見ていました。
    しかし、病院で血液検査をしても適合するかわからないとなると、これはもう本当に大変ですね。
    献血が必要な犬の飼い主さんは、なにがなんでも適合する血液が欲しいでしょうし、そのツライ思いを察するとどうにかしてあげたくなってしまいます。
    以前ダックスのわんちゃんが緊急で血液を探していましたが、ちょっと特殊な型とかで結局見つからなかったようです。その際にはダックスで探していらっしゃいました。ダックスはいろいろな犬種がかけ合わさっているから特殊なのでしょうか。
  • 投稿者

    30代 女性 nico

    犬の血液型ってあるのかな?どうなんだろう?と楽しく読まさせていただきましたが、最後は献血ドナーや輸血のことなどで色々と真剣に考えてしまいました。犬だって輸血が必要になることがあるんですから、献血ドナーがいても当たり前なのに、今まで考えもしませんでした。うちの犬はもう年齢的にアウトなのですが、もっと若い時に知っていたら協力してみたかった気もします。でもやや貧血気味とも言われているのでやっぱり無理かな??犬のこと、この10年で自分なりに勉強してきたつもりですがまだまだ知らないことがたくさんあるんだなぁ。これからはどんどん年を重ねていくばかりなので、病気や介護についてもっと情報を集めていこうと思います。
  • 投稿者

    20代 女性 あめたま


    犬にも血液型があることは知っていましたが、それは私たち人間が知識として得ている情報とは異なるものだと知り、驚きました。

    同じ哺乳類であっても、分類の仕方が違うのは種族が違うので当たり前だと言えます。

    犬の血液型を知る事は飼い主にとって有意義であると言えます。

    人間が用いる血液型占いには利用出来ませんが、病気を防ぐ事も出来ます。更には年齢に制限がありますが血液を提供する事も可能なのでより多くのワンちゃんを救う活動に参加も出来ます。

    場合によっては、自分の飼育するワンちゃんが助かる可能性も高まるので犬の献血についての知識や理解が飼い主により広まると良いな、と感じられました。

    犬の血液型に関しては知らなくても日常生活に支障をきたすものではありません。

    ですが、知っておくと良い事も沢山ある事は確かです。
  • 投稿者

    20代 女性 ゆず

    人間と違って犬の献血や輸血はまだ確実に確立されたシステムではないので、難しい問題ですよね。
    でも、いざ自分の愛犬が輸血が必要になったというときは迷わず輸血治療をお願いしたい!と思うはずなので自分の愛犬の血液型はちゃんと事前に調べておいて損は無いと思いました。
    記事の中ではあまり触れらていませんでしたが、輸血に関するデメリットもきっとあると思うので病院の先生ともよく相談して決めたいですね。
この記事をシェアする
LINExわんちゃんホンポ(友達に追加する)
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。