栄養不足が犬の毛の退色を招く?
メラニンが色素の濃さを決める
メラニンなんて美白の敵!とばかりに嫌われる事が多いですが、メラニンは紫外線を吸収して色素を作ったり、皮膚細胞を紫外線による炎症や傷みから守る大事な働きがあるんです。
この色素の濃さを作るメラニン色素ですが、ユーメラニン(黒)とフェオメラニン(橙〜赤)の2種類があり、この2種類の比率により色が決定されます。
これにより、犬の皮膚や被毛の色のバリエーションを生み出して個性となっているのですね。
メラニンの合成には様々な栄養素が必要
メラニンの合成にはチロシンとフェニルアラニン(チロシンの前駆体)いうアミノ酸が材料となります。チロシンを摂取すると、体内でチロシナーゼという酵素により種々の化学変化を起こしてメラニンが作られます。
これらの栄養が足りていない時に犬の被毛が退色することがあるのです。他の症状として、毛づやがなくなりパサパサになってしまうこともあります。
また、銅をはじめとするミネラルが不足した時もメラニンがうまく合成出来なくなるのですが、通常のフードを与えていれば銅欠乏症になることはまずありません。
栄養不足による犬の毛の退色を改善するには
犬の毛の退色を予防するにはバランス良い栄養素が配合された被毛の艶も良くするフードが売られていますので、それらを取り入れながら楽しく食事をさせましょう。
また、チロシンは
- 肉
- 魚
- 卵
- 乳製品
- 大豆製品
によく含まれるので、もし被毛の色の薄さにお困りならこれらの中でわんちゃんの好物をおやつにあげてみるといいでしょう。わんちゃんも喜ぶ上に健康にも良いですし、食事で改善できるのならとってもハッピーですものね。
その際はそれぞれの食品の与え方に気をつけてくださいね!
犬の毛が退色する他の原因
トリミング
シャンプーのしすぎやバリカンでのトリミングも原因の一つとされています。
特にミニチュアシュナウザーやワイアーコートを持つテリアのような本来毛を抜いてトリミングする犬種にバリカンを使うと退色するそうで、トリミングサロンでは注意しているようです。 これはバリカンでトリミングすると短く細い毛が多く生えてしまうことが原因とされています。
ここでとられる方法が「ストリッピング」や「プラッキング」、「ローリング」という手法です。どれも専用の道具を用いて毛を抜いて(毛流れに沿って抜けば大して痛くありません!)硬く太く、濃い毛を生やす方法で、狩猟の際に体を守るために硬く太い毛が求められていた犬種で行われます。 いずれも対象となる犬種を飼っていて退色を気にする人、その犬種らしさ、きれいなワイアーコートを求める人には一般的なトリミング法です。
加齢
加齢により、メラニン合成酵素の働きが弱まります。人間のように白髪が見られるようになるだけではなく、毛の色素が抜けていき、全体に色が薄くなったな〜という感じになることもあります。 犬の老化は顔から始まると言われています。口や目の周りの被毛やまつげ、ひげの色が薄くなってきたらり白髪が混じるようになってきたら、わんちゃんがシニア期に入ったサインかもしれません。
ストレス
ストレスも犬の被毛の退色の原因のひとつとされています。人間でもストレスが溜まると白髪が生える…なんてことありますよね? 犬もストレスを感じると被毛の色が退色していくことがあるようです。
犬の鼻も退色することがある
犬は被毛だけでなく、お鼻も退色することがあるんです。
ウィンターノーズ
別名「スノーノーズ」とも言われ、冬場になると黒かった鼻の色がピンクになり、暖かくなると黒に戻る事があります。これは冬の日照時間の減少により、メラニンを作る働きが一時的に弱まるためと考えられています。
ウィンターノーズは冬が終われば自然と戻っていくことが多いのですが、中にはそのままの子もいます。
春になったらわんちゃんと日光浴を楽しみましょう。日焼けには気をつけて!
ダッドレーノーズ
ウィンターノーズは冬に鼻がピンクになる現象ですが、ダッドレーノーズはもともと黒い鼻を持っていた犬で年齢とともに鼻の色が薄くなったりピンク色の斑点が出ることです。ウィンターノーズとは違って季節によって黒い鼻に戻るということはありません。他に異常がなければ病気ではありません。
加齢
子犬の頃は真っ黒だった鼻もピンク色や薄い色になることがあります。
加齢により酵素の働きは弱まるので、色素作りも低下していきます。
色素の薄さ
子犬の頃は黒い鼻だったのに最近色が薄くなってきたという場合は元々持っている遺伝子が関与している可能性が大きいです。
代々の先祖が色素の薄い子同士の掛け合わせでも薄い色素の遺伝子を持って産まれた子で退色が起こりやすくなります。
これは毛色についても言えることで、見た目が同じ毛色の犬でも、持っている色に関する遺伝子の組み合わせが違うことがあり、先祖からどんな遺伝子を受け継いでいるかによって退色のしやすさが変わってくるのです。
次にお話しするトイプードルなどで退色しにくい子が欲しい場合には、両親だけではなく最低3代前の祖先までさかのぼって毛色をチェックしておくと良いと言われています。
トイプードルは退色しやすい犬種?
今回の記事では栄養不足が退色に繋がりうること、被毛の退色と鼻の退色の原因をそれぞれまとめました。
人間も年をとると白髪がでますので犬も同様に毛の色が薄くなるんだな・・・と言われれば納得できるのですが、トイプードルはシニアでなくても退色しやすい犬種なんだそうです。生後1~3年で退色が徐々に始まる子が多く、早い子は生後数カ月~半年くらいで始まることも!
これはホワイトと呼ばれる真っ白なトイプードル以外は避けられない現象だそうです。
特にレッド、アプリコット、ブラウンの子は顕著で、
- レッド➔アプリコット
- アプリコット➔クリーム
- ブラウン➔カフェオレに近いカラー
に変わっていくそうです。
予防できるところはしてあまり神経質にならずに、トイプードルの色の変化を楽しんで愛していけたらいいですね。
ユーザーのコメント
女性 肉豆腐
女性 もふころ
歳を取ると被毛の量が減って、ボリュームも落ち着いてくるので、少ない量でもしっかり栄養が摂れる食事が大事ですね。