犬のパンティングとは?理由や注意したい症状、病気について

【獣医師監修】犬のパンティングとは?理由や注意したい症状、病気について

「パンティング」という犬の行動を知っていますか?外出から帰ってきた時など、愛犬が嬉しそうに自分に向かってまっしぐらに走ってきてくれると嬉しいですよね!でもハアハアと上がった息がなかなか収まらなかったり、呼吸に雑音が混じっている時など、愛犬のパンティングが異常だと感じたら病気の可能性もありますので、注意が必要なんです。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬のパンティングとは

パンティング

犬のパンティングとは、犬達が息をハアハアと早めに呼吸する事を言います。

健康な状態であれば、体温を調整する目的でパンティングする場合がほとんどですが、ケガや病気、心因的な要因や、薬による影響など、様々な原因でパンティングが起こる事があるので、原因をしっかりと見分ける事が重要です。

パンティングでどうやって体温を調整しているの?

健康な状態のパンティングは、主に「体温調節」を目的として行う行動で、ハアハアと呼吸することで、舌や口の中の水分を蒸発させ、気化熱を発生させ、発生した気化熱によって体温を下げてています。

人間の場合は、体温が上昇すると全身の汗腺から汗を出し、その水分が蒸発する事で、気化熱が発生して、それを利用する事で体温を下げています。

しかし犬達は、人間のような汗腺が、足裏や耳の内側下部など一部にしかないため、人間のように汗で体温を調整する事が出来ません。

また、犬は全身を被毛で覆われているため、熱が体内にこもりやすく、気温の高い夏場はもちろん、気温が低くてもお散歩や小走りすると体温が上がってしまいます。そのため、パンティングによってこまめに体温を下げる必要があるのです。

夏場は熱中症に注意が必要

特に夏場など熱中症を起きやすい時期は注意が必要で、愛犬がパンティングしていたら、部屋の換気をして風を通したり、エアコン等で室内温度を下げたりしましょう。

また、外では日陰に避難して水を飲ませるなどの対処をしましょう。

犬のパンティングで注意が必要な場合

短頭種の犬によるパンティング

心配、恐怖、不安でストレスを感じている場合

心配、恐怖、不安でストレスを感じているいる場合。は注意が必要です。過度のストレスは、様々な異常行動の原因となります。

例えば、ハアハアという息切れと同時に口を大きく開く、苦しそうな声を出す、独りになりたがる、尻尾を股間に丸める、耳が垂れる、よだれを垂らす、頻繁に口周りをなめる、小さくかがむ、震える、食事を拒否する、失禁をする等。

このような症状がみられる場合は、過度なストレスを感じていないか注意しましょう

苦痛を訴えている場合

ケガや痛みを伴う病気など、苦痛や不快感を感じる場合、パンティングを起こす場合がありあります。

ハアハアと激しく息切れを繰り返す、見るからに苦しそう、あえぎ声や鳴き声を出すなどの症状がみられる場合は、体のチェックや、病院で検査を行うようにしましょう。

短頭犬種の場合

パンティングの音には呼吸器官の形状特徴から、健康な状態でもパンティングで雑音のようなものが混ざる場合があります。それは短頭の犬種達です。

  • ブルドッグ
  • パグ
  • フレンチブルドッグ
  • ボストンテリア
  • ボクサー
  • シーズー
  • チベタンスパニエル
  • チャウチャウ
  • 狆(ちん)
  • キングチャールズスパニエル
  • ブリュッセルグリフォン etc

このような短頭の犬種達は体の構造上、鼻腔が狭く口までの長さも短いため、いびきをかきやすいのですが、「短頭種気道症候群」と呼ばれる呼吸機能の異常に繋がることがあるので、いびきやパンティングがあまりに激しい場合は何かの疾患を疑い、念のため動物病院で診ていただく事をお勧めします。

犬のパンティングに関連する病気

パンティングの異常

異常なパンティングの原因として考えられる心身疾患と、その特徴的な行動に以下のようなものがあります。

  • 心臓疾患、肺疾患(心不全等、貧血)
  • 喉頭麻痺
  • クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)
  • ステロイド(コルチゾンやプレドニゾンなど)の副作用

精神疾患の場合は、ストレスの原因となる人や犬がいる場合は間に飼い主さんが入って安心させたり、慣れさせまして、ストレスの原因を発見して解決しましょう。

環境変化が原因であれば、身の回りに愛犬や飼い主さんの匂いのする物を置いてあげると良いでしょう。動物病院に通院して身体疾患の治療をする場合にも安心できる環境作りは重要な点です。

それぞれの病気の症状は下記のような特徴があります。

心臓疾患、肺疾患(心不全等、貧血)

激しくあえぐような症状がみられます。心肺の働きが不十分だったり、貧血による赤血球減少で酸欠状態になり、それを解消しようと呼吸が激しくなります。

喉頭麻痺

喉頭蓋が何らかの理由で正常に働かない状態の時に起きる病気です。呼吸に支障をきたし呼吸が激しくなります。

クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)

中年期以降の犬に起こるホルモン異常疾患が原因で起こる病気です。特に初期症状では激しいパンティングが出る事があります。

ステロイド(コルチゾンやプレドニゾンなど)の副作用

上記のクッシング症候群の治療薬の影響で、異常なパンディングが起こる場合があります。激しいパンティングが続きますが、投薬終了後に収まる事が多いようです。

犬の異常なパンティングの見分け方

健康な犬の呼吸は1分間に15~30回と言われています。散歩や運動で息があがっても、しばらくすれば収まるものは正常な反応です。

通常の活動でもハアハアと呼吸が早い状態はパンティングと言いますが時には注意が必要な場合があります。以下のような症状が見られたら異常なパンティングかもしれません。

  • いつものハアハアよりも息が弾んでいる
  • 気温は高くない、散歩で運動している時でもないのにハアハアしている
  • ハアハアの音に混ざって擦れるような雑音が混ざる
  • いつものハアハアよりも息苦しそう、激しい、息遣いの音が大きい

何らかの病気が原因でハアハアと息を切らしている可能性もあるので、「何か変だな」と思ったらすぐにかかりつけの獣医師に相談する必要があります。

まとめ

犬のパンティング

パンティングは犬が体温調節をするための行動で、犬にとって非常に重要なものです。

気温や室温が暑すぎるわけでもないのに、愛犬の息が上がっていたり、息苦しそうに呼吸をしている場合は、もしかしたら何らかの疾患かもしれないという事を頭に置いておきましょう。愛犬の息遣いがいつもと違うと思ったら、よく観察して原因を探ってください。

そして、愛犬のパンティングに異常を感じたら早期に動物病院を受診し、適切な治療を受けましょう。

毎日愛犬と楽しく散歩や運動が楽しめるよう、愛犬の健康に対して賢明な観察眼を持って接していたいですね。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 こまちママ

    うちの子は、真夏日でクーラーの部屋でもパンティングが酷く、病院へ連れて行って3日後に亡くなってしまいました。
    クッシング症候群で肺に水が溜まり、応急で利尿剤を飲みましたが、1日だけ楽になっていたようでした。
    ただのパンティングだと思わずにおかしな?と思ったら直ぐに病院へ連れて行ってあげてください。思わぬ進行をしていることもあります。
  • 投稿者

    30代 女性 悠里

    夏場、特にお散歩中に愛犬のパンティングをみるのは、日本の夏の特性もあり、ある程度は仕方のない側面もありますが、それ以外のシーンでパンティングを見かけるのは、不安やストレスを愛犬が感じていることが多いかと思います。病院、車での移動などが代表的なところでしょうか。これらについては、飼い主さんが日頃の愛犬の様子を観察していれば、分析して対策がたてられるものですが、この記事にもあるように隠れた原因(病気)が潜んでいると大変なことになりかねません。普段の様子をしっかり観察するのは当然大切ですが、「暑いから」「病院嫌いだから」等、いつもの事と片付けてしまう怖さを改めて感じました。
    ブルドッグ、パグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリア、ボクサー、シーズーといった短頭犬種のワンちゃんの飼い主さんは、呼吸器の形状もあり日頃から敏感にされているかと思いますが、クッシング症候群や心疾患は犬種に関係なく罹患する可能性のあるものです。家の子は大丈夫と思わないように気をつけたいものですね。
  • 投稿者

    女性 ゴン吉

    心臓疾患を持っているのでパンティングの数は増えていると思います。ですが、季節柄25℃を超える日が多いので、お腹をやんわり冷やすと落ち着くこともあります。暑いことも原因なのかもしれません。
    パンティングをしている時が一番、舌の状態を見やすいのでその時によく確認して、貧血の状態やチアノーゼが出ていないかも見ています。
    酷い息づかいになると、ハァ、ガー、ハァ、ガーっと息を吸う時に雑音が混じってきます。呼吸困難になりそうなので毎回不安になります。

    短頭種は太ると喉の辺りに肉が付きやすく、気管を狭めてしまうことがあります。雑音が混じるパンティングや、呼吸が酷い場合は体重をチェックし、ダイエットをすると改善される場合があります。
    うちの愛犬は、やや太り気味だったので獣医さんからダイエットを勧められました。少し体重を減らすとこの荒い息づかいも解消されるよ、と言われたので今現在減らしているところです。何グラムか落とせた時点で息を吸う時の雑音は改善されてきました。太らせないことは大事だと思います。
  • 投稿者

    女性 カカオ

    たくさん遊んだり、暑い季節にはよくみるパンティングですがパンティングからわんこの異常を発見することもあるんですね。うちのわんこはいまのところ、特に異常はないかとおもいますがこちらお記事でたくさんの可能性を知ることができて飼い主としてよかったです。暑くなるとお散歩や遊んだ後はパンティングは激しくなります。なかなかおさまらないと、遊ばせすぎたかもや体力以上のことをさせてしまったかなといつも不安になります。まずはパンティングがおさまるようにお部屋の環境をととのえたり温度調節をしやすいようにお水や氷を与えてひどいときはわきの下を冷やすこともあります。ですが、こんなにもパンティングに異常の原因があるとは知りませんでした。これから年を重ねるとさらに注意も必要になると思うので、愛犬のサインを見逃さないようにしたいと思います。
  • 投稿者

    40代 女性 シュガー

    異常なパンティング、見逃さないようにしないといけませんね。
    以前小学生低学年のお子さんが犬を真夏に公園を連れて歩いていて、犬がものすごいパンティングをしていました。小型犬(たぶんポメラニアン)でした。
    お子さんは気が付いていなかったんだと思いますが、私と他の大人が呼び止めて、急いで犬を抱きかかえて水飲み場へ。上からじゃーっと水道水を浴びせている間にそのワンちゃんは自分の力では立ち上がれないほどに弱ってしまいまして、お子さんのお母さんへ電話をし、すぐに動物病院へ連れて行ってもらったことがあります。
    その場合は熱中症でしたが、犬の異常はなんでも早く見つけてあげないと手遅れになってしまうことがあるので気を付けたいです。
  • 投稿者

    30代 女性 Rie

    異常なパンティングとの見分け方などとても参考になりました。うちの子は大きな音が苦手で雷や花火が鳴るとあからさまに緊張して震えるのですが、その時もハアハアしていることがあるのであれも恐怖やストレスからのパンティングなのでしょうね。
  • 投稿者

    40代 女性 てと

    普段の行動でも夏なんかは特にハアハアして体温を下げたりするので、病気なのかどうか判断するってとても難しいですね。でもきっと対応が一歩遅くなると本当に悲しいことにもなりかねなそうです。見極めのためにも普段から愛犬の行動やパターンなどに目を向けておくのが一番良いのかなと感じました。何か異変を感じたらすぐに動物病院へ行ける準備もしっかりとしないとですね。
  • 投稿者

    女性 もふころ

    食後にパンティングが多くなり、息使いが荒い気がしてとても心配になっています。正常な回数は1分間に15~30回ということなので、平均を知るためにも少しの間、毎日計ってみようと思いました。
    このパンティングも少しすると収まるので、食後の体温上昇を冷やしているのかなとも思います。
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