犬がドライヤーを嫌がる理由
ドライヤーが苦手というワンちゃんはとても多いですよね。犬にとって「嫌がる」ということは「怖いイメージがある」「慣れてないので警戒している」ということなんです。
ドライヤーの何が怖いのかを理解して、徐々に慣れさせてあげればドライヤー嫌いも克服できます。ドライヤーが苦手な理由として「音が苦手」「風が苦手」「熱風が苦手」の3つが考えられます。
①「音」が苦手
犬は慣れない音に対して非常に敏感です。人間には「ちょっとうるさいな」くらいのドライヤーの音も、犬にとっては「爆音」なんです。
犬は嫌いな音が聞こえた場合でも、「安心できる場所にいる」もしくは「逃げ出せる状況である」ならば、そこまで怖がることもありません。本来犬が最も安心できるはずの室内で、しかも逃げられないという状況下でドライヤーの音が鳴り響くために恐怖を感じてしまうのです。
②「風」が苦手
犬は顔(特に耳)に風があたることを嫌がります。それは私たち人間も同じですよね。私たちだって散歩中に吹く風は「心地よい」と感じても、ドライヤーの風を顔に直にあてられるのは不快ですよね。
通常、犬は顔にドライヤーの風があたると嫌がって顔をそらしますが、飼い主さんは「乾かすためだから」と、そらした方向からまた風をあててしまいます。そうすることで「逃げられない状況」が生まれ、さらにドライヤーが苦手になってしまうのです。
③「熱風」が苦手
犬は本来なら暖かい場所を好みます。我が家の愛犬も冬はヒーターの前をずーっと占領しています。
しかし、当然のことながら「熱すぎる」のは嫌います。ドライヤーは距離が近いとかなり高温になります。家庭用ドライヤーは距離が5センチになると、その温度は80度を超えます。飼い主さんは早く乾かそうという気持ちから、いつのまにかドライヤーが近くなりすぎてしまうことがあります。すると犬は「ドライヤーは熱すぎるから怖い」という経験をすることとなり、ドライヤーを嫌がるようになってしまうのです。
犬のドライヤー克服法
「音」が苦手な場合の克服法
音が苦手な場合は徐々に音に慣れさせてあげることが効果的です。ドライヤーは風量を弱にすれば音も小さくなります。また、飼い主さん自身が髪を乾かすときにも愛犬と同じ部屋でドライヤーを使用するようにすると、犬にとってドライヤーの音が「慣れない音」から「毎日聞く音」に変わります。
どうしても嫌がる場合には、犬用のドライヤーの購入も検討してみてください。価格は5000円以下のものもありますし、犬用に作られているので音もかなり小さいです。固定できるタイプのものが多いので、飼い主さんは両手を自由に使うことができるのでとても便利です。
「風」が苦手な場合の克服法
風が苦手な場合も、やはりドライヤーに慣れさせてあげる必要があります。まずはお風呂の後以外のタイミングでもドライヤーを使用するようにしてみましょう。ブラッシングの際に、背中だけ遠めの位置からドライヤーを短い時間あてて、徐々にその時間を増やすようにしてあげてください。おとなしくしていられたら、おやつをあげて褒めてあげるのも効果があります。
お風呂の後のドライヤーは乾くまでドライヤーをあてなければなりませんが、しっかりタオルドライしてあげることでその時間はかなり短縮できます。特に犬が嫌がる顔まわりは、マッサージするつもりでしっかり拭いてあげることが大切です。顔周りにドライヤーをあてるときには決して正面からは当てずに、少しずらした位置からあてるようにしましょう。
また、ブラッシングをしながら風をあてれば、風による刺激よりもブラッシングによる刺激を感じとるようになり、あまり怖がらなくなります。
「熱風」が苦手な場合の克服法
熱風が苦手な場合は、初めのうちは冷風を使用してあげましょう。ただし、冬場に冷風を使う場合には部屋の温度をあたたかくしておいてくださいね。
次第に、冷風と熱風を切り替えながら乾かすようにして徐々に熱風に慣れさせます。一度でもドライヤーの熱で怖い思いをしてしまうとドライヤーに対して警戒心を抱くようになってしまうので、熱風の当てすぎには十分注意しなければなりません。犬とドライヤーは最低でも30センチは離しながら使用し、一箇所に集中して熱風があたらないようドライヤーを持つ手を動かしながら乾かしてあげましょう。
まとめ
いずれの場合でも、ドライヤーが苦手な犬に対しては「弱で遠くから」という方法が有効です。
我が家の愛犬も初めはドライヤーが苦手でしたが、ブラッシングの時に少しずつドライヤーをあてて慣れさせることで「ドライヤーの時間=気持ちいいブラッシングの時間」と捉えるようになり、今ではおとなしくどころかウトウトしてしまっています。初めの頃は我が家では両手を使えるように、一人がドライヤーをあて、もう一人がブラッシングをするというように二人がかりで乾かしていましたよ。