ペットが健康で長生きできる社会を目指して〜Team HOPEのメッセージ

全国の獣医師が中心となってペットが健康で長生きできる社会づくりを目指している「Team HOPE」という団体があります。ペットと暮らす人なら知っておきたいTeam HOPEの理念と活動を紹介します。

更新日：2017年12月21日

皆さんは、『Team HOPE』という名前をお聞きになったことがあるでしょうか？
Team HOPEの名前はHealthcare Organization for PEts の頭文字から取っており、その名の通りペットの健康管理と予防医療を推進する団体です。
この記事では、Team HOPEの目指す理念や活動内容を紹介したいと思います。

獣医さんと犬と猫のイラスト

Team HOPEとは

Team HOPEは、全国の動物病院や獣医師が中心となって組織されており、ペットの予防医療の大切さを多くの飼い主さんに知っていただき、普及していく活動を行っています。
会員となっている全国の獣医師が協力し合ってペットの予防医療の普及を推進していくという、日本で初めての団体です。

なぜTeamなのか

犬や猫と暮らす多くの人にとって、彼らは単なるペットという存在を越えて大切な家族の一員となっています。
また、人間と同様に医療の発達によりペットの寿命も延びていると言われていますが、病気になってから治療する時間が長くなるよりも、健康でいる時間が長くあって欲しいというのは飼い主さん共通の思いでしょう。
しかしその一方で、動物病院を訪れるのは年に一回程度という飼い主さんが48%以上にものぼりるというアンケート結果もあります。
半数近くの飼い主さんにとって、『動物病院は病気になってから行くところ』と認識されているのですね。

そんな現状に対して、動物病院が『病気を治療する』場所であるだけでなく『病気を防ぎ、健康を保つ』ための身近な場所となれるような取り組みが必要だと、多くの獣医さんが感じています。
そのためには、それぞれの動物病院が個々に活動するよりも、全国的な規模でTeamとなることで、より多くの飼い主さんへのアプローチが可能になり、予防医療の大切さを広めていくことができます。
また、ペットが健康なうちから病院を訪れていくことで、獣医さんと飼い主さんがより多くの情報を共有するTeamとなってペットの健康を守っていきたいという意味も込められています。

青い服の看護師さんに抱えられるテリア

Team HOPEの理念

犬や猫の寿命は、私たち人間よりもずっと短いものです。
限りある大切な時間だからこそ、病気を予防して「健康な時間」を延ばすことが必要なのではないでしょうか。
日頃の健康管理と定期的な健康診断での病気の早期発見の重要性を、より多くの飼い主さんに向けて発信していくこと。
言葉で伝えることができないペットたちに代わって、健康で楽しい時間を少しでも長く保つノウハウを提供すること。
健康管理と予防医療を通じて、ペットにやさしい社会を目指すことがTeam HOPEの理念です。

Team HOPEの活動

Team HOPEでは、全国を北海道・東北・関東・中部・関西・中四国・九州・沖縄の８ブロックに分けて、個々の動物病院からの情報発信、それぞれの地区からの発信、そしてTeam HOPEとしての全国発信をすることで、きめ細かくかつ幅広く予防医療の啓発を行っています。

聴診器を当てられている子犬

啓発と教育

地域のブロックごとに、様々なセミナーや講演会を開催しています。
一般の飼い主さん向けには『なぜ健康診断が必要なのか』『予防医療の大切さ』を訴えるセミナーで予防医療の普及の啓発を行っているそうです。
また獣医師や看護師を対象とした、医療技術や検査方法の提案などの教育セミナーも開催しています。

啓発活動の一環としては、産経新聞に『獣医師からのアドバイス』としてコラムの連載も行っています。
過去の記事はこちらでも読むことができますので、興味がある方はご覧ください。
↓
https://www.teamhope.jp/activity/category4

ウェルネスチェックの提案

ほとんどの飼い主さんにとって、動物病院を訪れるのはペットの具合が悪くなった時です。
そのため飼い主さんとペットの両方にとって病院は敷居の高い場所になってしまい、病気の発見や治療が遅くなるということも起こりがちです。

そこでTeam HOPEでは、ペットが健康な時からもっと気軽に病院に足を運ぶための手段として『ウェルネスチェック』の提案をしています。
チェックの項目を記したウェルネスチェックシートを使って飼い主さんが自宅で定期的にチェックを行い、半年に一度同じチェックシートを使って動物病院で健康チェックを行います。
飼い主さん自身がチェックをすることで健康管理への意識も高まり、獣医さんがペットの普段の状態を知ることで健康管理のアドバイスもしやすくなります。