命の危険もあった不明女性をわずか10分で発見!
寒さの残る季節に起きた行方不明事件!
まだまだ寒さの残る今年の3月15日の午前中に事件は発生しました。
埼玉県にある東松山署に、とある一本の電話がかかってきました。
その内容は「家族(女性)が寝間着を着たままの格好のまま家を出てしまったまま、何処か行ってしまったようで見つからなくなってしまった!」というものだったのです。
捜索から半日が過ぎても見つからず…
通報を受け、署員は一斉に捜索を開始しました。
何も所持していない女性の足でならそう遠くへ行く事もないだろうし、すぐに発見できるだろうと思われましたが、いくら捜しても女性の行方はいっこうに分からないままでした。
そして無情にも時間だけは過ぎて行き、気付けば女性が行方不明になってから半日が経過してしまったのです。
出動から10分!頼れる仲間の正体は?
そこで白羽の矢が立てられたのが、秩父第1警察犬訓練所で訓練を受けた11歳のオスの警察犬「アルノルト・フォム・マイネ・ヴンシュ号」でした。
そして彼が捜索を開始したところ、人間の捜査員が半日かけても見つけられなかった不明者の女性を、自宅から約600メートル離れたところにある病院の敷地内の物置で眠っていた所を発見したそうなんです!
行方不明となっていた日はかなり気温が低かったのですが、幸い保護された女性の生命に別状はなかったとの事で、事件は無事解決しました!
警察犬の驚くべき捜査能力の決め手は?
アルノルト・フォム・マイネ・ヴンシュ号が驚くべき速さで発見できたのは、日頃から厳しい訓練を続けているのに加え、犬には人間の約4千〜6千倍と言われるほど優れた嗅覚があるからだとされています。
7年前にも同様の捜査劇が!
実は今から約7年前にも今回と似たような出来事がありました。
福島県の会津若松市で子供が行方不明になってしまった際、「クヴィレット・フォン・ワカミシンドー号」という県警の捜査嘱託犬が児童の捜索に出動され、児童の靴のにおいをかいだ 場所から100メートルほど離れた住宅街で、児童を見つけるということがありました。
その時はなんと、出動から僅か3分という早さで 発見に至ったのです!
捜査員にとっていかに警察犬が頼れる仲間なのかが良く分かりますよね!
活躍を讃えられて表彰される
話は戻り、短時間で且つ無事な姿で行方不明者を発見した功績がたたえられ、アルノルト号と秩父第1警察犬訓練所で彼の指導士を務めている新井寿美さんは、鈴木久生署長から感謝状が贈られました。
表彰された新井さんは、「寒い日で女性の体調が心配されたが、早く見つけることができて良かった」とアルノルト号の頭をなでてあげたようです。
きっと彼にとっては表彰をされるよりも、新井さんから誉めてもらえる方が嬉しかったのでしょうね♪
まだまだ活躍し続ける警察犬達
ここで彼の他にも活躍した有名な警察犬を紹介していきます。
少女の救出に犯人逮捕まで導いた警察犬
今から3年前の平成25年に、大阪府内で連続女児連れ去り事件が発生した際、府警に所属している当時7歳だった警察犬「ゲルマン号」が出動され、行方不明になった少女が所持していたランドセルを発見し、そこから検出された指紋から容疑者の特定、逮捕、そして少女の救出にも結びついたとして、警察犬にとっては初となる長官賞を授与されました。
雪の中を倒れていた高齢者の命を救った警察犬
平成26年、ラブラドールレトリバーの嘱託警察犬ラブは、北海道の津別町で散歩に出かけたまま行方不明となってしまった83歳の高齢男性の捜索に協力し、雪の中で倒れていた男性を発見しました。
男性は入院したものの、その後は普段と同じ生活をおくることができたそうです。
もちろんラブは男性の命を救った活躍を認められて感謝状が贈られました!
これから警察犬はどんどん必要とされる?
ここからは私個人の考えにはなりすが、警察犬はこれから増々必要とされるのではないかと思うんです。
高齢化が進む事による行方不明者の増加
まずは今の日本の大きな問題となっている少子高齢化との関係です。
おそらく今後も高齢者の数は増え続け、それに伴って認知症を患った高齢者の徘徊からの行方不明となってしまうケースは避けられません。
そうなれば人手は明らかに足りなくなってしまうでしょう。
だからこそ短時間で発見できる優秀な警察犬は欠かす事ができなくなるでしょう。
オリンピック開催に伴う治安悪化の危機
そしてもうひとつは、2020年に開催される東京オリンピックです。
スポーツと平和の祭典を日本で開催できる事に喜びを感じる一方で、心配されるのは莫大な数の外国人が一気に押し寄せてくる事による治安の悪化です。
中には誘拐や強盗、麻薬取り引き、最悪の場合はテロといった犯罪を企てる者も出て来る可能性も完全には否定できません。
こういった犯罪を水際で食い止める為にも警察犬の活躍に頼る事は増えてくるのではないかと思います。
まとめ
今年の3月に発生した、行方の分からなくなってしまった女性を、出動してから僅か10分というスピードで発見して表彰された、警察犬のアルノルト・フォム・マイネ・ヴンシュ号が活躍を称えられて表彰されました。
この目覚ましい働きをしてくれる頼もしい警察犬は、これから様々な課題を抱える我が国にとってますます必要不可欠な存在となると思います。
だからこそ、今後は嘱託警察犬の報酬額を上げる等の補助を行う等、もっと国を挙げて優秀な警察犬を育成していく必要があるのではないでしょうか。