「噛む」と「咬む」の違いとは?「かみ」癖対処法3パターン

「噛む」と「咬む」の違いとは?「かみ」癖対処法3パターン

犬が何かを「かむ」という行動は本能であり、自然なこと。しかし、その「かむ」対象が他の犬や人間になることは許されず、「かみ」癖には矯正が必要です。パターンに合わせた「かみ」癖への対処法をご紹介します。

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「噛む」と「咬む」の違い

犬歯を出す柴犬

愛犬の「かみ」癖をしつけるためにはまず、犬が「噛む」ことと「咬む」ことの違いと、「かみ」癖のパターンを知りましょう。

「噛む」と「咬む」の使い分け

「噛む」と「咬む」。どちらも「かむ」と読みますが、皆さんはこのふたつの違いをご存知ですか?恥ずかしながらわたしは、知りませんでした。と言うか、あまり深く考えたこともありませんでした。なんとなく「噛む」が一般的なような気がして、「かむ」には「噛む」の字のほうを当てていました。分厚い国語辞典で「かむ」という字を引いてみても、「噛む」と「咬む」は同じ意味です。

ですが、「犬が噛む」と「犬が咬む」ではニュアンスが異なり、「犬が噛む」は犬がガジガジとかじるというニュアンスで、「犬が咬む」は犬がガブッと咬んで傷つけるというニュアンスで使われているようです。
ならば、犬の「かみ」癖も「噛み癖」と「咬み癖」で使い分けられるということになりますね。

「かみ」癖の3パターン

犬の「かみ」癖には、「甘噛み」「要求噛み」「攻撃咬み」の3パターンがあります。
もし愛犬に「かみ」癖があるのなら、どのパターンに当てはまるのかを見極めることが大切になります。この見極めに失敗すると、しつけが上手くいかないばかりか、かえって状況を悪化させる事態にもなりかねないので要注意です。
愛犬が「どんなときに、何を目的として噛んでいるのか、または咬んでいるのか」をよく観察して、「甘噛み」「要求噛み」「攻撃咬み」のうちのどれなのか、正確に見極めたた上でそれぞれに合った方法で対処していく必要があります。

では、「かみ」癖の3パターンそれぞれに合った対処法を見ていきましょう。

甘噛みの対処法

甘噛み

甘噛みは、どの子犬も必ずと言っていいほど通る道。そして、この甘噛みに悩む飼い主さんは多いでしょう。
甘噛みはじゃれ合いですが、親犬や兄弟犬たちと噛んだり噛まれたりの甘噛みを繰り返しながら、社会性を学んでいきます。
成犬になれば自然におさまることもありますが、甘噛みを放置しておくと成犬になってからの噛み癖で困ることになる可能性があります。ですから、子犬の甘噛みにも適切なしつけが必要なのです。

甘噛みは叱ってやめさせないこと

甘噛みを叱ってしまうと犬の成長に悪影響を与えかねないので、甘噛みをしつけるために叱るのはNG。必要以上に神経質にならず、徐々にやめさせる方向でいくのが良さそうです。

では、叱らずに甘噛みをやめさせるにはどうしたらいいのでしょうか?

「無視」がイチバン!

甘噛みでも優しく噛むのはさほど問題ありませんが、痛いぐらいに噛んできたら「ダメ!」と制止して立ち上がります。もちろん遊びは中断して、少しの間無視します。これを繰り返すうちに、甘噛みをすると楽しいことが終わってしまうことを犬は理解し、「それなら甘噛みをやめよう」と考えるはず。そして、徐々に甘噛みをやめていくでしょう。

噛まれた手を犬に押しつけてやめさせる方法も知られていますが、犬はこれを反応してくれたと勘違いし、かえって興奮してしまうことが多いのでやはり「無視がイチバン!」なのです。

要求噛みの対処法

要求

要求噛みは、犬が噛むことで自分の要求を通そうとする行動。噛むということを武器に、自分の要求をゴリ押ししようとするのですね。
飼い主さんでも要求噛みのしつけは可能ですが、甘噛みのしつけよりも難しいと思った方が良いでしょう。もし手に負えないと感じたら無理はせず、プロの方にお任せすることをオススメします。

「無視」が基本

要求噛みのしつけも無視が基本です。しかし、甘噛みのしつけのように噛まれてから無視するのではなく、犬が通そうとしている要求を無視します。

毅然とした態度も大事

噛んで通そうとしている犬の要求を無視することに加え、飼い主さんの毅然とした態度も大事です。噛まれることを怖がって飼い主さんが逃げ回っていると、犬に弱い相手と感じ取られてしまいます。毅然とした態度で無視をして、犬が通そうとしている要求を跳ねつけましょう。ただ無視するだけではなく、この人に要求噛みをしようとしても通用しない、要求は通らないということを犬に理解してもらう必要があります。
こうした犬との駆け引きには知識と経験が物を言うので、プロの方のアドバイスを受けながら行うと上手くいくでしょう。

攻撃咬みの対処法

攻撃

攻撃咬みは、犬が嫌なことや怖いことを排除しようとしてやむを得ずとる行動です。
犬は自分に危害を加えられそうになったり、排除したい状況に遭遇すると、「戦う」か「逃げる」かどちらかの行動をとります。そして犬は、「戦う」=「咬む」なのです。逃げようとして逃げ場がない場合も難を逃れるために咬みます。

攻撃咬みは早めにプロを頼る

飼い主さんが攻撃咬みをしつけるのは難しく、大ケガにつながる危険があります。超小型犬ですら、本気で攻撃咬みしてくれば大ケガにつながります。ですから、愛犬に攻撃咬みの兆候が少しでも見られたら、できるだけ早くプロの方に相談を!

攻撃咬みが固定化されてしまうとプロの方でも手を焼くほど危険な状況に陥ります。そうなる前に攻撃咬みをしない犬に育てることが大事です。

子犬期の撫で方が攻撃咬みにつながる!?

攻撃咬みをしない犬に育てるためには、撫で方ひとつにも注意が必要です。子犬の頃の撫で方が社会化や「かみ」癖に影響します。犬にとって不快な撫で方をすると、まず撫でられることを嫌がるようになり、それが攻撃咬みにつながる可能性ありです。

子犬を撫でるときは頭をつかんで強く撫で回したりせず、あごの下など犬が心地良いと感じる場所を中心に優しくゆっくりと撫でてあげましょう。

まとめ

犬と人間が幸せに楽しく生活していくためには、犬の「噛み癖」も「咬み癖」も絶対に直す必要があります。愛犬が咬傷事故を起こしたりしたら、飼い主さんも愛犬も不幸です。

もし愛犬に「かみ」癖があったら、まずは愛犬が「かむ」ときの状況をよく観察し、「甘噛み」なのか「要求噛み」なのか「攻撃咬み」なのかを正確に見極めてそれぞれに合った方法で対処しましょう。これは、飼い主さんの義務です。
ただし、安全を第一に考えるのが鉄則。特に攻撃咬みのしつけは咬まれて大ケガを負う危険を大いに孕んでいるので、無理は禁物です。どの「かみ」癖も、飼い主さんの手に負えないと感じた場合はプロの方の知識や経験に頼りましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 匿名

    甘噛みは叱ってやめさせないといけないと信じ込んでいる人がほとんど。この記事をよんで正しく学んでほしい。
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