『ペットの健康管理とフードの安心・安全に関する意識調査』
マーケティングリサーチ会社である『シタシオンジャパン』が、9月20日のペットフードの日に合わせて、全国の犬や猫のオーナー1236人(20代から70代それぞれ206人ずつ)にオンラインで『ペットの健康管理とフードの安心・安全に関する意識調査』を行いました。
その調査結果には、意外なものや参考になるものもありましたのでご紹介します。
『シニア期』3割に認識のズレ
一般的に、犬のシニア期への転換は6から8歳だといわれていますが、今回の意識調査の結果をみると、ペットの高齢期を「10歳から」だと思っている人は28.3%、次いで「7歳から」と思っている人が25.1%、「8歳から」が17.1%でした。
10歳からと認識している人が最も多いというのも意外でしたが、約3割の人の認識にズレがあることが分かりました。
平均寿命が延びることで埋まる認識のズレ
しかし、今後はこのシニア期に対しての認識のズレは、少しずつなくなっていくかもしれません。
獣医療の進歩やフードの良質化により、年々ペットの寿命が伸びてきていて、ペットフード協会の2015年の調査では、4年前に比べて犬で1.0歳、猫で1.4歳も寿命が延びていることがわかっています。
高齢犬に必要な栄養に違い
平均寿命の伸びとともにペット業界でも高齢化が進み、介護の問題もでてきます。
ペットを介護するとなると、当然飼い主のより正しい知識が必要になりますが、ペットの年齢に合わせた食事をしているかという問い(複数回答可)では、加齢でフードの種類を変えると答えた人が70.5%、フードの量を変えると答えた人が55.5%、与えるおやつの量を変えると答えた人が24.0%でした。
さらにペットの年齢によって必要な栄養が異なることを知っているか、という問いで「知っている」と答えた人は53.7%でした。
加齢とともに変わるペットに最適な食事の量や質
アンケートを監修した東京大学大学院農学生命科学研究科の日下部守昭教授は、「ペットが高齢になると栄養素を補えたり、消化のよいものに変えたりすることが大切だ」と指摘しています。
愛犬の好みだから、と同じフードを準備しがちという人も、毎年愛犬の誕生日には、一度フードについて考える時間を設けるのが大切かもしれません。
ちなみにペットが太ったり痩せたりした時、フードの量を見直すと答えた人は56.1%、フードの種類を見直すと答えた人が32.4%、おやつの量を見直すと答えた人が28.5%でした。
健康診断させますか?
ペットの健康診断を半年に一回以上受信させている人は38.8%、全く行かせない、または定期的には行かないと答えた人は35.9%でした。それ以外の主な回答は、1から2年あるいは3から4年に一度、だったそうです。
連れて行かない理由は、「健康診断の料金が高いから」が42.3%と最も回答が多く、ほかに「自分のペットが健康だから」「保険がきかないから」などがありました。
さらに、自分のペットの健康状態を健康だと思っている人は89.2%。7歳以上のペットを飼っている人でも84.2%がペットは健康だと答えました。
健康診断は飼い主で2極化
日下部教授はペットの健康診断については飼い主で2極化すると指摘しています。
ペットの健康診断は保険きかない場合は確かに高額なので、なかなか手を出せない気持ちもよくわかります。
そんな時は、行きつけの獣医師のもとで相談して、できる範囲内で健康管理を行うのも、よいかもしませんね。
食事がペットの健康育てる9割
ペットフードがペットの健康に影響すると答えた人は97.3%。ほとんどの人が毎日の食事が健康につながると意識しています。
では、フードの選択基準は何か問うと、「安心・安全」が最も回答が多く、ほかに値段、品質の良い原材料、栄養素、味と続きました。
この「安心・安全」をどこで判断しているのかについては、6割の回答があったのが原材料と成分規格、次いで原産国、メーカーやブランドなどが続きました。
安心、安全を知りたい
平成21年に「ペットフード安全法」が施行されましたが、これを知っていた飼い主は57.8%、知るきっかけとなった情報源は獣医師やペットフードメーカーのホームページが多いようですが、『フードメーカーが安心・安全な商品の開発の取り組みなどの情報開示を十分していない』と感じている飼い主が4割いました。
フードメーカーに期待する公開してほしい情報は、原材料の安全検査方法や原材料の原産国、原材料の選択基準などがありました。
家族同然のペット
日下部教授は「ペットを家族同然の存在としてとらえる考えた方が浸透してきていて、少しでも長くペットとの生活を楽しみたいと考える人が増えている」と指摘しています。
もはや家族として、生活の中で欠かせないペットの存在。
言葉で話して意思疎通することができない相手だからこそ、飼い主が正しい知識を身につけ、彼らの生活をサポートしていきたいですね。