犬が白目を見せる「クジラ目」とは?
皆さんクジラ目という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
日本ではあまり聞き、慣れない言葉ですが、海外では犬の感情表現の1つとして「Whale eye」という言葉で知られています。
クジラ目とは、犬が対象物を見たまま頭を少し動かすことで、白目が半月型になっている状態のことを指します。
主にトレーナーが使う用語で、犬の目に白い部分が見えているときに使っています。クジラ目にはいろいろな気持ちや犬の置かれている状況が考えられます。
では、このクジラ目はどういった気持ちのときになるのでしょうか。
犬が白目を向くのは「なんか嫌だな~」という気持ちであることも
クジラ目にも色々な意味があり、以下のような意味が持たれています。
- 緊張や困った時
- 飼い主さんの行動など気になるものを追いたいとき
- 体のつくり的に意味はなくてもいつもクジラ目になることも
緊張や困った時
緊張や困った時にもクジラ目が見られる場合があります。正面からじっと見つめることでお互いの関係が緊張状態になることもあります。しかし、相手の動向が気になるときや違う方向を向いていてもその人や行動が気になるとき、追いたいときはクジラ目のような状態で物を見る場合があります。
また、怒られてしまったり気まずくなって顔を反らしたものの相手の様子を伺いたいときなどにもクジラ目が見られます。ただし、これらのマイナスの雰囲気の時にはしっぽが下がっていたり、耳も緊張によってぴんと立っているなどの状態が併せて起こる可能性が高いです。
飼い主さんの行動など気になるものを追いたいとき
飼い主さんが大好きでどんな時でも動向を追いたい!というときにもクジラ目は見られます。例えばリラックスをしていて床やクッションに顎を付けた状態のときや、他のことをして気になるものとは顔の向きや体の向きが違うときでも気になるものを目で追いたいときなどにもクジラ目になります。
どんな体勢をしていても視線で追うためクジラ目のような状態になることがあります。
大好きな飼い主さんや大好きなおもちゃ、ごはんの動きを追う場合にもクジラ目のような目をして視線を送ることがあるでしょう。
体のつくり的にクジラ目になる場合も…
体のつくり的に、体高が低い小型犬なども、普段からクジラ目が見られることもあります。
特にダックスフンドのような、より体高の低い犬などは何も無い時でもクジラ目のように白目が見えるような上目遣いで見上げることがよくあります。
犬のクジラ目はストレスが原因?
犬のクジラ目は「ストレスが原因」と言われる事がありますが、あくまで一つの可能性であり、一概に「ストレスが原因である」とは言い切れません。
その犬が置かれている状況や、犬種特有の体のつくりなどで、クジラ目になっている場合もあります。そのため、様々な要素を確認しながら、問題があるクジラ目なのか?問題の無いクジラ目なのか?を判断する事が重要です。
また、素人では判断が難しい場合がありますので、もし愛犬のクジラ目が「ストレスが原因ではないか?」と思った場合は、かかりつけの獣医師や、行動学に詳しいトレーナーなど、専門家に判断を仰ぐようにしましょう。
犬がクジラ目になって緊張している時の対処法
クジラ目になっている状態は、自分の身を守りたいという防御の気持ちですが、時に防御は攻撃性を引き出すこともあります。
もし、犬に近づいたときに白目が多く見えていて、尻尾がぴんと立っていたり興奮して振っている、耳がぴんと立っている状態などの緊張している様子だったら、少し距離を置いて犬から近づいてくるのを待ちましょう。
一旦その場から離れて愛犬を落ち着かせてあげることも大切です。
犬の目などでわかるその他の心理
犬の目は、相手に自分の気持ちを伝える重要な器官なのです。犬は他に目でどんなことを伝えているのでしょうか?
ただし視線だけでは犬の感情を完全に推測することは難しいケースが多いです。他のボディランゲージと合わせて判断することが大切です。
少し大きく目を開く+聞き耳を立てる
いつもよりやや大きめに目を開き、聞き耳を立てている状態は警戒しています。遠くまで見えるように高い姿勢を取り、集中しています。
相手の目をじっと見つめる
相手の目をずっと見ている意味は大きく分けて2つあります。愛情表現と敵意です。飼い主など心を許した人に対しては愛情を表しています。穏やかさを感じるはずです。逆に目に緊張を感じられたり、歯をむきだしている場合は敵意むき出しで攻撃的な状態です。
大きく目を見開いて凝視する
この状態は、支配的な気持ちがあります。低い声で断定的な唸り声を出す時もあり、攻撃的な部分が出てしまうこともあるので注意が必要です。
歯茎をむき出しにする、そのために口周りがひくひくするなどの変化が見られる場合があります。
目を細める
目を細め、耳を後ろに折っているのは不安を感じている状態です。
目をしばしばさせる
目を細めてしばしばさせており、頭の後ろに目を流して白目を見せているのは怯えていることがほとんどです。
耳が寝てしまっていたり、尻尾が脚の間に入ってしまっていることもあります。この時、体が震えたり小さな鳴き声を出したりすることもあります。
まとめ
このように犬のボディランゲージには、一つひとつに犬の気持ちが表現されています。
愛犬と言葉で話すことはできませんが、ボディランゲージを理解することでより良い関係を築くことができるはずです。
愛犬がどんな気持ちでいるのか、何をされると不快なのかを理解し、愛犬との信頼関係を深めていきましょう。
ユーザーのコメント
女性 MIHO
仕草だなとは思っていましたが、実は不快やストレスを感じいたなんて・・・なんだか
ショックです。しかし、このクジラ目は結構犬を飼っている人たちは見たことがあるの
ではないでしょうか。我が家の愛犬も何度も上目遣いで私のことを見ています。犬の
目の表現は深い意味があるのかもしれませんね。