犬がしっぽを丸める意味は?
犬は喋れない代わりにしっぽや目、鼻の動きなどのボディランゲージでコミュニケーションを取ります。特にしっぽには感情が現れやすいと言われていますが、中でも犬がしっぽを丸めてしまうのは、どんな感情が隠されているのでしょうか。
愛犬のボディランゲージで感情が読み取れるようになれば、より絆が深まることに繋がるかもしれません。そこで、今回は犬がしっぽを丸める意味や、感情の読み取り方、注意点などをご紹介します。
不安や恐怖を感じている
犬は、不安や恐怖を感じた場合、しっぽを股の間に丸めてしまいます。また、耳を下げる、毛を逆立てるなどは、強い相手と遭遇した時などに見られる行動で、過度なストレスや不安、恐怖の感情の現れと言われています。
相手への服従やなだめる気持ちを表現している
相手に対する服従や降参などの気持ちを表現する場合もしっぽが丸くなります。この場合は、相手から目をそらす、しっぽの先だけを小刻みに振るなど、最終的にはお腹を見せる行動をとります。
例えば、留守番中にいたずらをして飼い主に怒られた場合などに見せる仕草かもしれません。その時の感情は、「なんで怒ってるの?」「落ち着いて?」という意味合いが込められていることがあるので、愛犬の様子を見ながら落ち着いて接してあげましょう。
体が感じる寒さを和らげようとしている
犬は寒さを感じた時に、しっぽを丸めて寝ることがありますが、これは寒さを和らげ、体を温めようとするボディランゲージになります。寒さに強い犬種もいますが、寒さを感じていないわけではなく、また寒さに弱い犬種もいます。
体を沿うようにしっぽを丸めていたり、体を震わせている、鼻先をしっぽで覆っている場合は、毛布や湯たんぽなどを利用したり、室内の温度を調整しましょう。
犬がしっぽを丸める時の注意点
犬が感情表現以外でしっぽを丸めるのはどんな場合があるのでしょうか
犬がパニック状態になっている
犬がしっぽを丸めながらキャンキャンと吠える場合、パニック状態になっているかも知れません。犬は極度の不安や恐怖心を感じると、転位行動を取ると言われています。
この転位行動は、人で言う八つ当たりのようなもので「しっぽを追ってグルグル回る」「穴を掘る」などの行動を見せることがあります。
転位行動自体に意味は無いと言われていますので、落ち着くまで見守るのが良いとされています。また、転位行動と似たものに、常同行動というものがあります。
常同行動は、精神的な関与が大きく、常にストレスがかかっている状態に起こるので、しっぽを追って噛みちぎってしまうなどの恐れがありますので、獣医師など専門家に相談することをおすすめします。
痛みや病気によるサイン
犬は痛みや病気など、体調不良でもしっぽを丸めることがあります。犬がしっぽを丸めた状態で触られることを嫌がった場合は下記のようなものが疑われます。
- しっぽの外傷
- 肛門周辺のトラブル(肛門嚢炎など)
- 椎間板ヘルニア
- 馬尾症候群
その他にも、元気がない、食欲不振などいつもと少しでも様子が違う場合は、動物病院を受診することをおすすめします。
寒さが続くと体調を崩す恐れがある
犬にとっての寒さは犬種や年齢、体調などにより異なります。とくに子犬や老犬は体温調整が難しいので寒さには注意が必要です。体が冷えた状態が続くと、体調不良の原因になります。
子犬は、4~6週齢頃までは体温調節機能が未発達なので、この時期に体が冷えた状態が続くことは命の危険にも関わってきます。子犬が寒そうにしっぽを体に回して震えている場合には、すぐに体を温めましょう。
老犬は、基礎代謝が落ちているため体温調整ができなくなってきます。また年齢による病気のリスクも高くなるため、冬場は体が冷えないようにベッドなどに毛布を敷くなどの工夫をしましょう。
犬がしっぽを丸めている時の対応
犬がしっぽを丸めている時はどのようにしたらいいのでしょうか。
不安がっている場合は犬をその場から離れさせる
不安や恐怖でしっぽが丸まっている場合は、対象相手や場所から遠ざけてあげましょう。ただし、パニックになっている状態の犬の前に手を出したりしないことです。
驚いて噛まれてしまう危険性があるため注意が必要です。相手と犬を遠ざける時には優しく声をかけながら慎重に距離を取り、落ち着いてから撫でてあげましょう。
寒い場合は防寒対策をする
犬種や年齢によって寒さは異なりますが、とくにシングルコート(一重毛)の犬種は寒さに弱いと言われています。代表的な犬種にイタリアングレーハウンドやウィペットがいますが、冬場は外出時だけでなく、室内でも防寒着を着せてあげるなどがおすすめです。
痛みや病気が原因の場合には動物病院を受診する
不安などの感情でも、寒さなどが原因でもなく、しっぽを丸めて触られるのを嫌がったり、いつもと少しでも違う場合は、痛みや病気が原因の可能性があります。
痛がっている場合、脊髄圧迫による排泄障害や運動障害が起こる椎間板ヘルニアなども考えられるため、早急に動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ
喋れない代わりにボディランゲージでコミュニケーションを取る犬のしっぽには、たくさんの感情や情報が現れます。「これは何を意味してるの?」と考えさせられるような動きをしっぽだけで見せるかもしれませんが、そこには感情や、見過ごすことの出来ない合図を私達に送っているのかもしれません。
しっぽの動きで愛犬の感情が読み取れるよう、日頃からよく観察し、絆を深めるとともに、異変にも早く気付けるように心がけたいものです。