犬が砂や土・石を食べる主な原因
犬としての自然な行動
食べ物以外のものを口の中に入れる行動は幼いものには良くあることですよね?私たち人間の赤ちゃんもなんでも口に入れてしまいますから、お母さんは家の中に危険なものが落ちていないか気を遣うものです。
人間の赤ちゃんも犬の赤ちゃんも、歯が生えそろうまでは歯茎がムズムズするので固いものをハムハムと噛みたがるものです。
犬は4,5か月から7か月ころまでに乳歯が生え変わるので、お散歩中でも木屑や石などかじりだしたりすることもあります。また、仔犬はものを口の中にいれることで、それがどんなものか確かめるので、石や砂に限らずいろいろなものを噛みたがりますが、それは自然な行動です。
砂や土・石を食べる ?
犬は人間より嗅覚がずっと優れているので、砂や小石のたくさん落ちている道端では、その中になにか犬の嗅覚を喜ばせるものがひそんでいるのかもしれません。
公園の砂や砂利なら、子どもがその中にお菓子のかけらや、甘い飲料などをこぼしたかもしれませんし、おいしいものの残飯ゴミをカラスが食べ散らかした後かもしれません。また、ミミズや昆虫、他犬の糞と、犬にとって魅力的なものは砂や土、砂利道の中にたくさん落ちています。
砂や石そのものをパクパク食べるのではなく、それらの匂う砂や石をなめたり、または鼻を突っ込んで掘って探しながら、多少口に入る程度は自然な行動です。
異食症によるもの
砂や小石や土だけでなく、金属やプラスティック、ビニールなど危ないものまで飲み込んでしまう場合や、今までしなかったのに突然食べるようになった場合、または食べては嘔吐しているなどの場合は健康上の問題からくる異食症かもしれません。
食べ物以外のものを食べることを異食といいますが、その原因のひとつに寄生虫の可能性があげられます。寄生虫がいるために消化不良をおこし、それが原因で異食行動が続くことがあるそうです。
また、ホルモンバランスや甲状腺疾患、糖尿病なども異食の原因となる場合もあるそうですが、これら病気による場合は、他の症状もあることがほとんどなので、愛犬の様子を良く観察して獣医さんに相談するとよいでしょう。
ストレスによる異食症
異食症の原因としてストレスによるものとはどんな場合でしょう?
幼いころの甘噛みや、散歩中の拾い食いなどに対して、しつけのために噛んだらクレートやケージに入れて無視する、散歩での拾い食いをさせないように、リードを短く持って下を向かせないようにテンションをかけて阻止するなど、犬に寂しい思いや苦しい思いをさせるとかえってストレスがたまり、異食に繫がっているケースもあります。情緒不安定によるもの
- 引っ越しをしたばかり
- 子どもが生まれた
- 満足な散歩をしていない
- 犬だけの長時間の留守番が続いた
- 花火やお祭りなど大きな音や人が大騒ぎしている場所に頻繁に連れて行ったなど。
犬は落ち着いた穏やかな日常が好きですから、人間の都合で過度の刺激的な日常を犬に押し付けるのはストレスになります。
ミネラル不足が原因?
犬が砂や石を食べてしまう原因の一つにミネラル不足という説もあります。
土や砂、石にはミネラル分が含まれるため、これらを食べる行動はフードの栄養が足りていないからというものです。しかし、一般的に総合栄養食であるドッグフードを規定通り食べさせていて栄養不足になるというのは考えにくいことです。
もしそうなら何らかの健康上問題か個体の体質で、フードに含まれるミネラルを吸収できていないことになります。血液検査で、鉄分、ナトリウムなどの値や、腎臓、肝臓の数値を見てもらうと安心です。
犬が砂や土・小石を食べる場合の対処法
砂や石を食べてしまう原因別に対処法を考えてみましょう。
犬としての自然な行動の場合
仔犬は好奇心と歯の生え代わりのむずがゆさで、なんでも口にいれて確かめようとします。
ラブラドールなどの大型犬は特に、大きめの石ころもカミカミしているうちに飲み込んでしまうことが良くあるようです。
噛み応えのある歯がためおもちゃや、ロープ、タオルなどで欲求を満たしてあげることと、散歩やお庭で飲み込んでほしくない石ころなどを噛んでいても、無理やり大声で叱ったり、慌てて口に手を入れたり、リードを引っ張ったりせず、ゆっくり立ち止まって付き合ってあげてください。
いい加減噛んだら捨てることが多いです。人間が焦って騒ぐとよけいに口の中のものに対して執着し、その結果飲み込んでしまうようになります。家の中でもおもちゃや遊びの主導権は人間が決めて、犬に好きなように遊ばせないというのも逆効果です。
自由にできなかったり、急に取り上げられたりすると物への執着は強くなり、取られてしまう経験を積むから取られまいとして飲み込んでしまう行動に繫がります。
逆に犬に任せておけば自分で判断して適当なところでやめるものです。ただし、本当に飲み込んでしまい消化管閉塞を起こすことも十分考えられます。ボロボロに噛んでしまう癖のある犬の場合は任せることは危険です。 犬の性格によって臨機応変に判断してください。
自然な行動のものは無理に食べさせなくする必要はありません。ただし頻度によります。砂や土は掘ってなめて食べる程度ならウンチで出てきますし、石といっても砂利のような細かいものを少しなら大体はウンチに混じって出てきます。
便に混じって出てきますが、どの程度の量ならよいのかという基準はありません。また、総合栄養食のドッグフードを食べていればミネラル面で不足は起きないはずです。土を大量に食べる場合はどこかに問題ありですので早めに受診しましょう。
異食症の場合の対処は?
寄生虫や、その他の病気のサインなら、ほかにも症状が出ると思いますが、そんな時は迷わず獣医さんに相談しましょう。嘔吐を繰り返したり、便に異常がないかも確認してください。
ストレスによるものはその原因を取り除くことが必要です。何が愛犬にとってのストレスになっているか、観察して取り除いてあげましょう。引っ越しや、子どもが生まれたなど日常や環境の変化によるものは、犬の気持ちになって接してあげれば時間が解決します。人間の都合ではなく、犬側にたって考えましょう。
引っ越しした場合はしばらくの間、一人ぼっちで留守番させないようにしましょう。荷物の片づけなども人間側はさっさと終わらせたいところですが、のんびりと、なるべくバタバタしないようにしてあげると犬は早く落ち着きます。
お散歩コースも無理せずゆっくり開拓しましょう。
我が家は3年前2頭の犬連れで引っ越しを経験しました。
引っ越し屋さんが来る前に私と犬は先にペットタクシーで先に引っ越し先に到着(ケージに入れずにそのまま飼い主と一緒に乗せてくれる会社を探しました)して、ゆっくり家の中を一回りしてから一緒におやつを食べて横になって、ほかの家族と引っ越し屋さんを待ちました。
一部屋荷物を運び込まないようにして、犬と私は引っ越し屋さんに合わずにすませました。どんな時も家族が〝いつもどおりに平常心で接してあげること〟が、ちょっとした環境の変化のストレスを乗り越える大切なポイントだと思います。
お家に赤ちゃんを迎える時も犬をよそへ預けたり、急にケージに閉じ込めたり、生活環境を隔離したりせず、ぜひ一緒に赤ちゃんを迎えてあげてください。
犬の行動範囲を制限したりすると、犬自身のストレス行動につながり、赤ちゃんともうまくいきません。一緒にするときには噛んだりしないかは必ず見てください。
長いお留守番、さらに行動範囲の狭いケージでの留守番が続くと散歩に出たときの興奮状態がおさまらず、拾い食いや石などの異物も飲み込んでしまったりします。
お留守番の時間はできるだけ短くしてあげたいですが、現代の生活の中で留守番を余儀なくされることもあります。少しづつ留守番にも慣れていってもらいましょう。
また、ケージやクレートは使わず、家の中の数か所に犬が気に入りそうなクッションや座布団などを置いてあげて好きな場所でのんびりできるようにしましょう。そして寝る時は犬が望めば一緒に寝ましょう。(夏は暑いから床がいいみたいですが・・・。)
また、花火を怖がるなら花火大会などに犬を連れて行くのはやめましょう。近所で花火大会の音が聞こえる場所に住んでいる場合は、花火大会の開催される間、一緒にいてあげましょう。
花火の音に驚いて脱走して迷子になる犬が毎年たくさんいます。人が楽しいと思う花火やお祭りが苦痛になる犬も中にはいます。
お散歩は楽しめていますか?砂や石を食べてしまうという相談を調べてみると、お散歩を楽しんでいない辛そうな体談がいっぱいありました。
- リードは短く犬を横につけて、常に速足でさっさと歩く。
- お散歩はリーダーである人間が常に毅然とした態度でコースを決め、犬を前に歩かせてはならない
- 拾い食いやマーキングをコントロールするには、リードを引いて首にテンションをかける
これらを実践しているにもかかわらず拾い食いが治らないというものもあれば、さらに根気よく厳しくしつけたら食べなくなったというものもありました。
犬にとってお散歩は楽しみなものですが、公共の道を歩くのにやはりルールは大切です。やたらに怒ってばかりというのも考え物ですが、やらせたい放題も考え物です。口にしてもよいもの、口にしたら危険なものがあります。確認はよいですが実際に口にしてしまうと中毒を起こしてしまう場合があります。ルールを教えるのも大切なコミュニケーションです。
ミネラル不足の場合の対処法
手作り食で食事のバランスを気にされる方もいると思いますが、不足していなくても、土や砂や草、木の実なども食てしまうことはあるでしょう。
石も口に入れて歯触りや感触を楽しむ犬もいるようですが、頻繁に石を飲み込んでしまうのはミネラル不足ではなく、明らかに何かのストレス状態だといえるでしょう。
また、ミネラル不足を心配される方はこちらのサイトをご覧になると良いかと思います。
手作りごはんの不安も解消してくれる須崎動物病院のホームページです。症状別の与えたい食材なども紹介しています。
まとめ
犬がまったりと草をハミハミしていたり、楽しそうに土や砂を掘ってなめていたりする程度の食べ方なら、むしろ(楽しそうだね)と心の中で呟いて見守ってあげましょう。さすがに石を何個も食べることが日常だというなら、体の不調や生活のストレスを見直しましょう。
我が家の犬はたまに庭の穴掘りをしますが、掘って柔らかい土をなめたりすることがありますが、特に問題はありません。道端の草も食べますがめったに吐いたりもしません。
ゴミや食べ物が道端に散らかっていても、匂いは嗅ぎますがフン!とはなをならすか、おしっこをかけようとします。家の犬たちはいつも手作り食なのですが、食いしん坊でとても良く食べます。
でもなぜか落ちているお菓子のふくろとか、なまゴミは食べず、河川敷の草の中には鼻を突っ込み楽しんでいます。
無理に何かを取り上げようとしたり、命令ばかりされる毎日だと、変な行動をとるようになってしまっても仕方ないと思いませんか?
人と犬が仲良く楽しく暮らせる犬育てのヒントはこちらがお勧めです。
砂や石を心配なほど食べる犬や、それを心配して辛い思いをする飼い主さんが減りますように。
ユーザーのコメント
20代 女性 らずべりー
立ち止まってではなく、歩きながらペロペロしていたので地面に食べ物などはなかったのですが、おそらくお散歩や外が新鮮であぁいう行動をとってたのかな?と思ってました。
ストレスやミネラル不足でも、食べようとしてしまう事があるんですね。
地面を舐めたり砂や小石などを食べようとする場合は、飼い主としてはして欲しくないですよね。なので行動そのものをやめさせようと考えてしまいますが、どういった理由からその行動をしているのかを考えるのも大事なのかもしれないですね。
理由がない場合もあるかもしれませんし、ストレスや体調面でそういった行動をしてるのかもしれないですし・・・。
道端の草は、食べるわんちゃんって少なくない気がします。胃の調子を調整してるとか色々聞いたことはあるのと、飼い主さんによって、気にせず食べさせている人や止めさせている方がいますよね。道端の草に関しては、場所などにもよりますがあまり衛生的ではない事が多いので、なるべく食べさせない方が良いと聞いた事があります。
この辺りは飼い主さんの考え方にもよりますが、吐く吐かない関係なくあまり良いとは言えないそうです。
わんちゃんの行動には、なんとなく〜の意味のないものから、意味のある行動まで様々なんですね。ストレスや体調面からおこす問題行動もあるので、ひとつひとつ向き合って原因を解決してあげたいですね。
女性 ケンケン
庭には無数の大小の石があり、すべてを取り除くことは不可能な状況ですので、とにかく暇さえあれば石をくわえて見せに来ます。
石が好き、というよりも、我が家の場合、おやつとの交換条件に近いと思います。
子犬のときは、興味本位で石で遊んでいましたが、注意して石を取り上げるようにしていましたら、いつしかそれが駆け引きの材料となりました。
これではいけないと、おやつなしで、取り上げるように最近では努力をしています。
まだ1歳になったばかりで、何にでも興味があり、くわえるものは石だけではありませんが、
特に石が好きなのは、何か理由が他にあるのかな、と思い、今回の記事を読ませていただき、
「あー、なるほど、そんな理由もあったのか」と、とても参考になりました。
犬が石や砂を食す理由はこんなにもいろいろとあるんですね。もう一度我が家の状況を見直し、他にも理由が見当たらないか、検討することとします。
女性 あんこ