犬猿の仲の6つの由来

犬猿の仲の6つの由来

誰もが知っていて、一度は耳にしたことがある「犬猿の仲」という言葉。この言葉の由来ってなんだろう?そもそも犬と猿って本当に仲が悪いの?そう思い調べてまとめてみました!

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犬猿の仲の6つの由来

学問する犬

仲が悪いことを意味する「犬猿の仲」という言葉の由来には、諸説あるそうです。ここでは、その数多くあるうちの6つの由来をご紹介します!

由来その1:干支の順番の競争

神社

「干支の順番は、神様のもとに辿り着いた者から順に決まっていった」という話は多くの人が知っている話であると思います。その際、犬と猿は喧嘩しながら神様の下へ辿り着いたそうで、これが由来となっています。ちなみに、干支の順番ではこの犬と猿の間に鶏(酉)がいますよね。これは、鶏が犬と猿の喧嘩の仲裁に入ったからなのだとか。

由来その2:猟に出た犬と猿の話

熊と戦う犬

昔、猟師が、仲良しの犬と猿をお供に山に猟をしに行ったそうです。猟師はその猟の最中、熊に出会ってしまいました。その際、犬は果敢に熊に立ち向かっていきましたが、猿は驚いて逃げてしまいました。

このエピソードがあってから、犬と猿は以前の関係が嘘だったかのように仲が悪くなってしまったんだとか。この両者の仲の悪い様子を見た人間が、「犬猿の仲」を作ったそう。

由来その3:猟でのお話

山の中を散策する犬

こちらも、猟でのある出来事から。昔の猟師は猟をしに山に入る際には、犬を連れていくことが当たり前だったそう。当時は、猟の最中に猿に出くわすことも珍しくありませんでした。猿は縄張り意識が強いため、犬に対して激しく威嚇したが、それを見た人間が「犬と猿は仲が悪い」と認識し、それが「犬猿の仲」の由来となったそうです。

由来その4:犬と猿の性質の違いからイメージされた

3匹のお猿

そもそも犬と猿は、大きく性質の異なる動物。犬は、昔から人間に身近な生き物でした。<猟に犬を連れていくのも当たり前なぐらい、犬は昔から人間の良きパートナーであったそうです。その反面、猿は山で自分たちの群れを作りながら生きていく動物。

また、猿は山から下りてきて畑を荒らすなど、人間の生活を脅かす存在であるが、犬は自分の縄張りである人間の住処を守る存在でした。「性質の違う者同士は、警戒、威嚇しあうのは当たり前」という考えがあったためにこの言葉が出来たそうです。

由来その5:大親友の「猿」と「犬」

日本のお城

かつて戦国時代、天下統一を果たした豊臣秀吉。彼が「猿」というあだ名で呼ばれていたことは多くの人が知る事実であると思います。彼には、前田利家という大親友がいました。前田利家の幼名は、「犬千代」。両者は、互いに「犬」「猿」と呼ぶ間柄であったそう。

ところで二人は共に尾張人でしたが、昔から「尾張の言葉は汚い」と言われていました。大親友であった二人ですが、両者の会話は他国人から見ると大喧嘩に見えたそうです。二人を傍から見た他国人が、「仲が悪い」と思い込んでしまい、この言葉が出来たんだとか。

由来その6:西遊記でのワンシーン

中国の山々

西遊記といえば、孫悟空。孫悟空は猿をモデルに作られたキャラクターです。西遊記の中で、こんなワンシーンがあります。孫悟空は、天界に辿り着いたとき、暴れ回り、さらには泥棒をしようとしたそうです。

その時、天界の神様は愛犬と共に孫悟空に立ち向かっていきました。最終的には、この愛犬が噛みついて孫悟空を取り押さえたのです。ここから、「猿と犬は宿敵」と考えられるようになりました。

実際に犬猿の仲は本当なのか?

疑問に思う犬

「犬猿の仲」という言葉を調べてみて、まず思ったことは、「人間の決めつけが多いじゃないか!」ということ。猟での出来事の話も、よく考えてみれば「そりゃ喧嘩するのも当たり前」なんて思えるようなエピソードなような…。

西遊記や干支の話も想像上の話だし、豊臣秀吉と前田利家の話に至っては肝心の犬と猿自体は出てきません。まあ、全ての説が正しい由来であるとは限りませんが…。しかし、だからといって、「犬と猿は仲が良いのか」と考えれば、全てがそうではないと思います。でも、犬と猿は仲良くなれると思います。

例えば、昔の志村動物園の人気コーナー、『パン君とジェームズのおつかい』。パン君はチンパンジーですが、大きく見れば猿の仲間ですよね。私から見ても、パン君とジェームズはとても仲の良い関係に見えました。

猿はとても縄張り意識の強い動物だそうですが、仲間だと認められれば良い関係を築けるのかも。反対に犬も、昔から人間と長く共に暮らすことで、親和性が養われてきました。そんな互いの性格が良い方向に組み合わされば、犬と猿もとても良い関係を築けるのかもしれません。

犬猿の仲に関するまとめ

お猿に毛づくろいをしてもらっている犬

今回は、「犬猿の仲」の由来、そして「本当に犬と猿は仲が悪いのか」について調べ、まとめてみました。調べてみると、すべてが正しい由来であるとは限りませんが、想像以上にたくさんの由来があることがわかりました。

しかし、どの説を知っても、犬と猿は本当は仲の悪い関係ではないように思えました。「犬猿の仲」という言葉があるために、「犬と猿は仲が悪い」と勘違いされがちです。

しかし、調べていくうちに、犬も猿も、仲間を大切にする気持ちが強い動物であるという共通点を見つけることが出来ました。お互いを仲間と認めることができたなら、とても良い仲間になると思います。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 mocmoc

    なかなか面白いまとめでした。確かに昔から「犬猿の仲」というと、とても仲の悪いことだと思っています。どの説もなるほど!と納得できるものが多かったですが、それと同時に仲が悪いというのとはちょっと違う気もしてきました。
    犬と仲が悪いとされている動物が猿なのは日本くらいですね。海外では犬と敵対する対象は猫になっています。
    fight like cats and dogs
    意味合いは同じだと思います。

    昔話では、犬は勇敢な生き物の象徴になることが多いですし、猿は知恵、知識の象徴になることが多いです。犬は勇敢であるが故に戦いの場では向かって行きやすく、逆に猿はその知恵を生かしむやみに前へ出ない性格もあったと予想されます。その真逆の性格からもソリが合わない、という意味合いでもあったのかなと思います。

    実際に犬と猿は仲が悪いわけではなく、人間の干支の戌年と申年も仲が悪いわけではないですよね。日本語の由来を調べていくと犬が登場することわざも数ありますが、どれも面白い逸話があるので、物語を作ってもらえるほど犬は昔から人の生活に密着していたのだろうなと思います。
  • 投稿者

    女性 ポムポム

    昔からあることわざで、当たり前のように意味は理解していましたが由来や本当のところは・・という部分にはまったく目がいっていませんでした。犬と猿をモチーフにいろいろな説があるんですね。私は犬と猿で一番最初に桃太郎を思い出してしまいました。これは仲良く鬼退治をしたお話ですが、桃太郎を介して犬と猿(きじも)はお互いに仲間と認識していたのかもしれませんね。にしても、こんなにも一般的に今もよく使われることわざは少ない気がします。犬も猿も本能的な部分では群れ意識があるので違う動物として敵対するのもわかります。ですが特別にその種族が嫌いというわけではないですよね、きっと。志村動物園のように、楽しい交流がこれからたくさん見られると嬉しいです。
  • 投稿者

    20代 女性 あめたま

    犬と猿の仲が悪いとされている由来としては干支の話が代表的です。
    よって、犬猿の仲という諺の由来は干支の順番の話が最もポピュラーな為、現在まで伝わっていると解釈していました。

    しかし、犬と猿の性質や生活習慣の違いから犬猿の仲と言われているという事を知り、「成る程な」と感じられました。

    私は犬と仲が悪いのは猫だと思っていたので、犬と猿の仲が悪いのではないか、と考える事はありませんでした。

    しかし、私達より昔の時代を生きた人達から見たら、犬と猿の相性は最悪だった事を表してるのではないかと考えられました。

    現在では動物番組でも特集が組まれる為、たとえ異なる動物同士でも仲良しで微笑ましい一面がクローズアップされています。

    ですが、本来の動物の性質や性格などを考慮すると人間の視点では仲が良さそうに見えても本当は馬が合わない動物同士であるのかもしれません。

    したがって、一概に諺の通りという訳ではありませんが、諺で言われている事が全く嘘ではないという事も考えられます。
  • 投稿者

    30代 女性 トマト

    犬猿の仲=仲が悪い
    そう思うだけで由来などは考えていませんでした。
    とても面白く読ませていただきました。
    私は干支のお話と桃太郎のお話の関係性が好きです
    神様のところにたどり着く間の両社の競い合いを想像してみました
    下の道を走っていく犬に対して猿は木から木へと渡っていけるので猿は上から犬を見下ろして、下の犬はケンケンと吠える、まじめに一直線に進む犬に対して猿は要領よくその場の機転で攻め方を変える
    人間社会でも同じようなことが常に起こっていますよね
    犬にしてみれば、こっちは正方向でまじめにコツコツやってるのにと面白くない事でしょう
    私は干支説から行くと鳥タイプなので双方にまあまあと仲裁する苦悩は痛いほどわかります。
    それぞれがそれぞれの立場を尊重する、大切なことですですよね。
    犬猿の仲はどちらかというと、調子よく要領のいい猿に対して、まじめで忠誠心に熱い一途な犬の憤りのようなものを感じずにはいられません。
  • 投稿者

    女性 lovedog

    確かに、なんで”犬猿の仲”っていうのかな?と不思議でした。この記事を読んでいくとある意味人間の誤解によるものなのかなと面白かったです。 ただ、後半にあるように、確かに猿も犬も仲間意識、家族意識は強いかもしれませね。守ろう!助けよう!みたいな、素敵なことなのに、なぜか人間には犬猿の仲なんて言葉を作られてしまいかわいそう。。いやごめんなさい。
    しかも、最近テレビ等ではよく、イヌと猿のたわむれる番組を目にします。 生まれた頃から一緒にいるからなのか、楽しそうに遊んだりお出かけしたり、、、助けたり助けられたり。
    そういうの見ていると”犬猿の仲”っていう言葉は無くしたほうがいいんじゃないかな?とまで思ってしまいますねw
  • 投稿者

    女性 tamara

    ▪️実は仲良し?

    私は見ました!!
    以前、ウチのワンコのドッグランデビューをかねて「富士すばるランド/ドッグパーク」へ出かけて行った時の話です。

    まだ犬慣れしていないウチの子にレンタル犬を借り、林の中をのんびりお散歩していたところ、何やら空から爆音と共にヘリコプターが降りてきたではありませんか。

    なんとそこに乗っていたのは日光猿軍団でした!テレビで良くお見かけする座長と共に猿達がピョコピョコ次から次へと現れ、あたりは一瞬ざわつきましたが、猿達は慣れたもの。リュックを背負い、まるでピクニック気分です。そのうちレンタル犬達?が借り出され、犬猿共に仲良く触れ合っていました。

    ここの犬達が良い子なのか、猿達がしつけがなっているのか、はたまたその両方か、全く目からウロコの光景でした。
  • 投稿者

    20代 女性 てとめる

    犬猿の仲についての由来はたくさんあるんですね!わたしもTVでつい先日、畑を荒らすサル対策のために犬を飼っているという地域の取材を見ました。そこでの説明は犬の吠える声の周波数がサルがあまり得意としないという理由でした。実際に犬を番犬変わりにすることで被害が減っているそうです。ただこれもお互い家族を守っているというだけで、犬猿の仲だからという訳でも無さそうですが。よく動物番組ではサルと犬が仲良くしている姿か流れてますし、一度家族となると犬も吠えることはあまりなさそうなのでやっぱりお互いの役割を果たしているだけのように思います。そもそも人間もサルなので本当に犬猿の仲ならば一緒に過ごせないですよね(笑)
  • 投稿者

    30代 女性 にこママ

    へえ~!この言葉にこんなに由来となるものがあったんですね。もちろん言葉は知っていますが、特に深く考えたことがなかったんですが、改めて考えると仲が悪いもののたとえがなんで犬と猿だったんだろう?と思いますね。今の感覚だとむしろ仲良くなりやすい動物では??と思ってしまうほどです。
  • 投稿者

    40代 男性 不可思議 那由侘

    前田利家と豊臣秀吉の説は眉唾です。
    実際、豊臣秀吉を「猿」と言い始めたのは江戸時代に書かれた小説「太閤記」です。
    信長自身も秀吉の事を「六つ」と呼んでいました。これは秀吉の右手の指が6本の「多指症」から来ています。
    豊臣秀吉の「猿」然り、真田信繁を「幸村」と同一人物にしているのは共に江戸時代に書かれた小説を元に、情報交換が乏しい時代に「書物」と云う情報を鵜呑みにした結果、現代まで勘違いされています。
    因みに、牛若丸と弁慶の物語もそうです。後に源義経の従者として有名になった豪傑として認知されていますが、これも「小説」で有名になり「武蔵坊弁慶」は架空の人物で、実際にはいません。
  • 投稿者

    女性 Chika

    「犬猿の仲」という言葉は物心つく前から聞いていた言葉です。よく考えてみると、本当に犬と猿が仲が悪いのか分かりませんよね(笑)。テレビなどでは、犬の背中に乗って気持ち良さそうにしている猿の子どもを観たことがあり、驚きでした。記事を読んでみると、いろいろな言われがあったのですね!どれも知らないことだったので、勉強になりました。
  • 投稿者

    女性 そらまめ

    確かに犬猿の仲とはいいますが、たまーにニュースで猿と犬が仲良しの映像が紹介されたりしますよね。犬も猿もそれぞれ個性がありますから、たまには仲良し同士もいるんでしょうね。うちの犬は犬も猫も違いが分かっていません。でも猫にはたいてい嫌われますが。
  • 投稿者

    30代 男性 動物好き

    犬は人間に飼われ始めたのが1万年位前だと言う話ある位で、犬がその役割りとして、弓や斧で戦う人間の狩猟に一緒に同伴するようになるよりもずっと前に、犬はきっと人間が集めた木の実や果物を盗もうとする動物から番をすると言う役割りを担っていたと考えられます。なので、特に日本等においては、その泥棒の対象に猿が含まれたであろう事はまず間違いなく、数千年の歴史の中で人間が犬に「猿を見かけたら吠えて知らせろ」と教え続けて来たのなら、今日に普段吠えない犬が猿を見かけると吠えると言うことがあっても別段不思議ではない気がします、、。実際今でも山に住んでて犬を飼っている人はそうしているでしょうし。私の経験では犬にもよりますが、どちらかと言えば基本的に仲が悪い気がします。
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