犬のシャンプーの基本
汚れを取ろう
あなたはどうして頭や体を洗うのですか?
「汗をかいたから」
「汚れたから」
「匂いがしたら嫌だから」
ですよね?
では、犬はどうでしょうか。
まず犬は、汗はほとんど肉球でしかかけません。
どれだけ走りまわっても、人間のように体に汗をかくということはありませんので、汗で汚れるということはありません。
しかし人間と違うところは汚れを気にせず、どこでもはしゃぎまわるという事です。
我が家の愛犬も、水を見ればすぐさま入ろうとしますし、散歩中は草むらに「なんか臭いがするぞ~」と、どんどん入っていきます。
土や砂のところへ行けば、気が狂ったように興奮し走り回り、泥だらけになりながら穴を掘り始めます。
そして、その掘ったところにうまく体を入れ込み休憩…。
「あぁ~~~!手もお腹もドロドロ~~~!!」
なんてことはしょっちゅうです。
そんな汚れた状態をほおっておけば、いつのまにか愛犬がどんどん真っ黒になり、毛もベトベト、そして「なんか臭くない?」となっていくのです。
ノミやダニから守ろう
シャンプーをする理由は、汚れを取るだけではありません。
毎日お散歩をする自然の中には、ノミやマダニが目では見えないところにたくさん潜んでいます。
わんこの暖かい毛の中は、ノミやマダニにとっては最高の住み家です。
そしてそれらの中には人間にも寄生するものもいます。
マダニの感染症により、人間が死亡するニュースは最近よく耳にします。
人間が死ぬということは、もちろんワンコの命も危ないという事ですね。
皮膚を清潔に保ち、ノミやマダニを予防するためにも、シャンプーは欠かせないのです。
どれくらいの頻度でシャンプーすればいいの?
「じゃ~早速、毎日シャンプーしてきれいにしてあげよう♪」
- ちょっと待ってください!!
愛犬を思う気持ちはわかりますが、わんこは毎日シャンプーする必要はないんです。
意見は様々ですが、夏は2週間に1回、冬は月1回ほどでいいと言われています。
それを基準に愛犬の様子や、どこにお散歩に行ったかを考えシャンプーしてあげてはいかがでしょうか?
洗い過ぎは皮膚の乾燥の原因にもなりますので、十分お気を付けください。
またシニア犬でシャンプーがやりにくい子、またシャンプー嫌いの子の場合は、度々温かい濡れタオルで優しく拭いてあげると苦手なシャンプーの回数も減らしつつ、清潔に保ってあげれると思います。
シャンプーは何を使えばいいの?
もちろん、犬用シャンプーを使用してください。
- シャンプー
- コンディショナーorリンス
- リンスインシャンプー
長毛の毛が自慢のわんこには、もちろんシャンプーをしてから、コンディショナーをお勧めします。
「うちの子は短毛だし、ささっと洗いたい」という方はシャンプーのみ、またはリンスインシャンプーでもいいのではないでしょうか。
それぞれ、パピー用や低刺激タイプなどが出ています。
また最近は、自然素材の成分でできたものや、自然治癒力を高めるように作られたシャンプーなどもたくさん出ています。
調べればたくさん出てきますので、あなたの愛犬に合ったものをお選びください。
正しいシャンプーの仕方
ブラッシングをしよう
わんこをシャンプーするとたくさん毛が抜けます。
排水溝のつまりの原因にもなりますし、余分な毛が残ったままゴシゴシしますと絡みの原因にもなります。
そして、シャンプー前にブラシで汚れをあらかじめ落としておくことで、泡立ちが良くなります。
余分なものは片付けておく
我が家の愛犬はスポンジが大好きです。見つけると即座に口にIN!
そしてなぜか石鹸をペロペロ・・・!!
あらかじめ、愛犬が興味を持ちそうなものは届かないところへ移動させておきましょう。
必要なものを準備する
シャンプーやコンディショナーをもちろん。
タオルを洗面所に広げておくといいです。
うちの愛犬はシャンプーが終わり洗面所に出ると大騒ぎをするので、あらかじめおとなしくしているお風呂場である程度拭いておきます。
大騒ぎしそう・・・という方は、数枚お風呂場にタオルを持っていき、お風呂場である程度拭いてあげると後が楽だと思います。
まずは濡らす
シャワーの温度は35~38度と言われています。
冬はなんだか寒そうだから、温度をあげてあげよう・・・なんて人間基準の考えはやめてくださいね。
犬は汗腺がないのでのぼせた状態になり、脱水症状になりかねません。気を付けましょう。
まずは足からお尻、内また、背中と徐々に濡らしてあげるのがいいでしょう。
この時すごく暴れるわんこがいます。我が家の愛犬もそうでした。けれどある方法を知ってから暴れなくなったのです!
その方法はシャワーをわんこの体に近づける事。シャワーが体から離れていると、水が床に当たり音がします。その音がさらにお風呂場ということで響き渡り、わんこにとっては怖いようです。なるほど~と思いました。
これを実践すると、あっという間に嫌がらなくなりました。
そして、信頼している飼い主さんの手を添えることも重要です。
「大丈夫だよ~気持ちいいね」と優しく声をかけながら、しっかりと濡らしてあげてください。
最後は顔です。顔は優しく手を使って濡らしてあげましょう。
耳に水が入らないように、注意してあげてくださいね。
シャンプーする
シャンプーは必ず風呂おけに入れたお湯で泡立ててから使用してください。
順番は濡らすときと同じ順番だと怖がらないでしょう。
1.足の指は細菌がたまりやすいです。肉球、指の間をもむようにしっかり洗ってあげましょう。
2.お尻、内股も汚れやすい部分。だからといってゴシゴシせず、優しく丁寧に洗ってあげてください。
3.お腹と背中。もみもみしながら洗ってあげると、とても気持ちよさそうにしています。背中の毛の中までしっかり洗ってあげてください。
4.顔を洗うのを嫌がる子は、柔らかい布を使って洗ってあげるといいでしょう。
耳の表面、周りもしっかり洗いますが、耳の中に水が入らないように十分注意してください。
5.流すときは洗った順番とは逆、上の方から下へ流すようにします。
シャンプーのすすぎ残しがあると皮膚病の原因やかゆみの原因になりかねません。
しっかり毛の内側から流してあげてください。
流し残しがありがちなのは、耳の周り、わきの下、内股部分、しっぽ、指&肉球の間です。
注意してください。
やってしまいがちな悪い例
洗う時の注意点は先ほども述べましたが「シャワーの温度」「シャンプーをお湯で薄めてから使う事」「耳の水が入らないようにすること」「洗い残し、すすぎ残し」です。
わんこを洗うのはちょっと疲れます。
我が家は大型犬で長毛なので、「ふぅ~やっと洗えた」と言う感じです。
でもまだまだ大事なことがあります。
それは乾かすこと。
ある程度タオルで拭けば「あとは自然乾燥で乾くでしょ」と言うのも注意したいことの1つです。
乾かすのをおろそかにすれば、夏場でしたら蒸れて皮膚炎の原因にもなりますし、冬は冷えて風邪をひいてしまいます。
耳の中が濡れていれば外耳炎の原因になりますし、指&肉球の間が濡れていれば指間炎の原因になります。
しっかり乾かすことは、とっても重要なことなのです。なかなか乾かない部分があったり、長毛の子の場合はドライヤーを使って乾かしてあげましょう。
でもこのドライヤーが実は困難なのです。苦手な子が多いはずです。
我が家の愛犬もドライヤーをすると暴れる!吠える!!で大変でした。音と風が来ることが怖かったようです。
でも我が家の子はもともと皮膚が強くないゴールデン。夏場はしょうがなくタオルドライを長々として頑張っていましたが、冬場はそうもいきません。
早く乾かさないと風邪をひいてしまいます。
そこで久しぶりにドライヤーをしたのですがやっぱり吠える!でもやめるわけにはいかないんだ!とマッサージをしながら「気持ちいよ~」と声をかけ、無理やり続けてみました。
すると段々気持ちよくなってきたのか、大人しくなっていったのです。
しっかり乾かせる、とってもありがたいドライヤーですが、高温ですので火傷や、乾かしすぎによるお肌が乾燥に気を付け、うまく使用してくださいね。
まとめ
今回はシャンプーの基本を説明させていただきました。みなさんきちんとできていましたか?
シャンプーが嫌いな子は多いと思います。
きっと「怖いから」と理由ではないでしょうか。
我が家の愛犬もその一人でした。
けれど「シャワーヘッドを近づける事」、私たち飼い主の安心する「手」、そして気持ちいい「もみもみ」で克服することができました。
あなたの愛犬がシャワー嫌いなら是非試してみてください。
なにかするごとに「いい子ね」とおやつをあげてみるのもいいかもしれません。
シャワーしたらウマウマもらえる♪我慢しよう♪となるかもしれませんよ♪
愛犬の健康のためにシャンプーはしてあげたいけれど、嫌がるのを無理やりさせるのは飼い主として辛いものがあります。
まずは少しずつならして、あなたの愛情を感じさせ安心させながら、清潔と健康になれるシャワータイムを楽しんでくださいね♪
監修トリマーによる補足
シャンプーの頻度は3週間から1か月に1回の頻度で行なってあげると愛犬の健康維持のためにも良いですね。
お散歩頻度が多く汚れてしまう場合には、2週間に1回、シャンプー後はしっかりと保湿スプレーなどで皮膚が乾燥してしまわないようにケアしてあげると良いでしょう。
お家でシャンプーをされる場合には、愛犬がシャワーを怖がらないように水圧を下げ、シャワーヘッドを近づけて優しくすすいであげましょう。
大事なのは愛犬のことをよく観察し、アイコンタクトとったり言葉をかけながら優しく洗ってあげることです。
シャンプーのあとは、しっかりと乾かしましょう。シャンプーでのトラブルで一番多いのがすすぎ残しと生乾きです。しっかり毛の根元から乾かしてあげるようにして下さいね。
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30代 女性 あー