犬走りの語源について知っていますか?

犬走りの語源について知っていますか?

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『犬走り』の誤解されがちな意味と正式な意味や、時代によって変わっていく犬走りの遍歴や同義語とされるキャットウォークの由来などを説明していきます。

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犬が走れるほどの幅だから犬走り?

足跡ではなく建築用語です。

コンクリートについた足跡

皆さんは“犬走り”という言葉を知っていますか?
もちろん犬のモノマネをして走る意味ではありませんよ(笑)
また、よく「工事等でのセメントを塗りたての状態で、ウッカリと犬が走ってしまって足跡を付けてしまった事を犬走りと言うんだよね?」という事を耳にしますが、これは誤解なんです。

“犬しか通れない”が名前の由来

犬走りとは建物の垣と溝の間や軒下などの建ち上がり部分を保護するために石や砂利、コンクリートで敷き固めた部分、または土砂の流入を防ぐ為に土手の斜面に設けられた細長い通路の事を表す建築用語なんです。何故このような名前がついたのかと言うと、「犬くらいの小さな動物しか通れないくらいに幅が狭い道」というのが由来になっているのだそうです。

いつごろから使われてるの?

古い民家の犬走り

犬走りの歴史はとても古く、今から約700年も前に当たる鎌倉時代に既に存在していました。
その証拠として、鎌倉時代前期に書かれとされる軍記『保元物語』にの中に「門より西、築地の犬走りに打ち出で」という文があるんですよ!

時代と共に意味合いが少しずつ変わった

更に時代が流れて戦国時代となると犬走りは、城の垣と堀の間の空き地を表す意味合いにもなり、この時代に記された『築城記』にも「土居の塀より内は武者ばしりといふ也。外は犬走りといふ」と書かれてあります。

そして長かかった戦乱が終わり200年以上に及ぶ太平の世と呼ばれた江戸時代になると、犬走りの元々の特徴の1つでもある“建物の外壁が雨で濡れてしまうのを防ぐ”という事を活かし、もし町を歩いていて雨が降った際にも身体が濡れないように済ませる為に“犬走りは民の公有地”とみなされるようになりました。
義理と人情の時代とも呼ばれた江戸時代らしいですね!

因みに、この時代は「雨に濡れないように、ちょこまかと小走りで通路を通る人の様子」の事も犬走りと呼んだそうですよ(笑)

じゃあ、キャットウォークはどうなの?

高所の点検用に設けられた通路

劇場の照明

犬走りと同時に思い浮かぶワードと言うと“キャットウォーク”の存在だと思います。
キャットウォークは体育館や劇場の舞台といった、大きな建物に取り付けれている照明や緞帳などの高い場所の調整や点検を行えるように、天井から吊されている通路の事を呼びます。

近年では愛猫の為に作る通路の意味合いも

そして近年では猫好きの方がマイホームを立てる際にネコが歩き回れるように高い場所に通路を設置してもらったり、中には手作りする方が増加している事から、キャットウォークは“猫が快適に歩いたり寛げるように設置された通路”という意味にもなりつつあります。

まとめ

犬走りは、塗りたてのセメントに犬が足を踏み入れてしまう意味と誤解されがちですが、実際は建物の垣と溝の間や軒下などの建ち上がり部分を保護するために砂利やコンクリート等で固めた通路を表す建築用語です。
そして犬走りという言葉は、鎌倉時代から戦国時代、そして江戸時代に渡って少しずつ意味合いを変えながら使われ続けているんです。

因みに似た用語でキャットウォークは、高い場所に設置された器具を点検する為に作られた通路ですが、近年では愛猫家の方々が自分の猫が快適に過ごせるように自宅に設置した猫用の通路という意味合いで使用されているんです。

言葉って1つ1つが時代毎に変化するから本当に興味深いですよね!

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 はなぽん

    犬走りという言葉、そんない昔から使われていた言葉だったんですね。時代とともに少しずつ意味合いも変わり、興味深いです。また、鎌倉時代から戦国時代にはどんなわんこたちが多くいたのか違う視点からも想像力を膨らませてしまいました。
    由来となった「犬くらいの小さな動物しか通れないくらいに幅が狭い道」。確かに、よくそんなところに入ろうと思ったねぇと思うところや狭いところも犬は入っていけますよね。うちのわんこは前には進めたものの、その先で行き止まりにあいもじもじと時間をかけて後ろ歩きをして戻ってきたこともありましたが。。
    ちょこまかと走る姿を犬走り、も言われると納得です。通じやすいですね。
    余談ですが、うちのわんこは全速力で走るときは普通なのですが、普通に走るときの姿はなぜか横走りです。それがまた、親ばかてきにはとてもかわいいのですが。
    言葉は時代とともに変化もしていきますが、こちらの記事のように由来や変化の過程を知ることはとてもおもしろいことでね。ありがとうございます。
  • 投稿者

    女性 雀3号

    犬という単語の入る専門用語にそんなに深い謂れがあったとは驚きでした。書物にも書かれることがあるほど、当時は浸透していた言葉だったのですね。
    恥ずかしながら、犬走りという単語自体聞いたことがありませんでした。言葉だけのイメージは、四つん這いで走ること、とそのままの意味で取っていたので、歴史の話が出た時には「なにごとか!?」と思って読んでいました。勉強になります。

    犬くらいの小さな動物しか、とありますが当時は小さい犬が多かったということでしょうかね。大型犬もいたとは思いますが、「犬」というカテゴリーではなかったのかなと思いました。

    建築用語ではありませんが、「犬返し」という言葉も存在します。こちらの意味も、「犬も通れないような海岸の断崖絶壁」のことを言います。当時は狭いことを犬で例えることが多かったのですね。
  • 投稿者

    30代 女性 ちょびこ

    そうそう、私も家を建てる時にはじめて聞いて、「犬走りってなに?たしかに家を建てたら犬を飼うつもりだけど担当さんにそこまで話したっけ??」なんて思ってしまいました(^-^;ちょうど玄関先の話をしていた時だったので、犬に優しい庭とか外構関係の用語かと思ってしまったんですよね。でも犬走り自体は本当に一般的な用語だと聞いて少し驚きました。でも妙に犬走りという言葉が気に入ってしまって、家が建った今も、犬走りを歩く時や愛犬が犬走りを歩いている時に何だか妙に意識してしまいます(笑)そういえばキャットウォークもありますよね!犬も猫も、やっぱり私たち人間にとって身近な存在なんだな~、生活に密着した存在なんだな~なんて考えさせられてしまいました。これがもっとマイナーな動物なら「なにそれ?」って感じで浸透しなさそうですもんね。
  • 投稿者

    30代 女性 zzz

    恥ずかしながら「犬走り」という言葉は初めて目にしました。それも建築用語だったなんておもしろいです。
    犬しか通れないくらい、というのはどの程度なんでしょうね。当時の犬は柴犬などの日本犬がベースでしょうから、そんなに狭いイメージはありませんが。というか、なんなら猫の方が狭いところを通るのが得意そうですけどね。
    とにかく昔から犬が人間の生活に根付いていたということなのでしょうか。現在でも家を建築されるときに「犬走り」と図面に書き込まれるくらい、長く使われてきた言葉だというのもなんだか感動します。
    他にも似たように、「犬」が含まれた言葉や言い回しが日本語にはたくさんあるのかもしれません。楽しそうなので、時間のあるときに調べてみようと思います。
  • 投稿者

    女性 すいーとぽてと

    犬走りとは、犬のように走る事だと勘違いしていました。犬しか通れないと言う意味なのですね。古くから犬走りという言語があったとは、犬と人が密に暮らしていたということが改めて実感します。

    やはり江戸時代の犬走りとは、犬のようにちょこちょこ走るという意味合いがあったんですね。こちらの方が私の中で犬走りのイメージがありました。
    時代とともに言語の意味が少しづつ変わるのは昔から変わらないんですね。

    キャットウォークも普段耳にしたところで特に気にした事はなかったですが、天井から吊るされている通路のことなんですね。
    これは高く細いところでもスイスイ歩ける猫ちゃんの歩き方から、そう呼ばれるようになったんでしょうか。

    猫カフェなんかでよくある猫を下から見れるように作られた猫の歩ける透明の道もキャットウォークと言ったりしますよね。
    本当に時代によって新たな言葉が生まれますよね♪犬や猫に例えた言葉は他にもあるので語源を調べてみると楽しいかもしれないですね!
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