犬のタバコの誤飲の危険性と対処法
わずかなニコチンで中毒に!
犬の誤飲事故は年間で20万件以上、そのうちタバコの誤飲は1割ほどを占めると言われています。
人間にとっても有害なタバコを犬が何らかの形で口に入れてしまうと、どんな怖いことがあるのか見てみましょう。
1/3本で中毒症状、2本で致死量
タバコに含まれるニコチンが中毒を引き起こすのですが、犬の場合、体重1kgあたり1~2mgで中毒を起こし、8~12mgで致死量と言われています。
箱に記載されているニコチン量は正しく吸った場合に取り込まれる量であり、1本まるごとに含まれる量はその数倍以上になります。
タバコの銘柄や箱に表記のニコチン量によって本数は変わり、個体差も大きいものですが、大体の危険の目安は下記の通り。
- 小型犬(5kg目安)1/3~1/4本で中毒、2本以上で致死量
- 中型犬(10㎏目安)1/2~1本で中毒、4本以上で致死量
- 大型犬(20kg目安)1本で中毒、8本以上で致死量
吸い殻や浸出液も危険!
上記は吸わない状態でのタバコの目安ですが、吸い殻でもニコチンが含まれることに変わりはありません。
またタバコは水に浸けると1時間で50~70%のニコチンが溶け出しますが、水に溶出したニコチンは吸収が早くなるため、固形でのみ込んだ場合より症状が重くなるおそれがあります。
誤飲から15分で中毒症状
中毒の初期症状は15~40分前後で現れるとされており、下記のような症状が一般的です。
- 興奮
- ふるえ
- 聴覚、視覚の幻覚症状
- 嘔吐
- よだれ
- 下痢や血便、血尿
何も飲ませず、すぐ獣医さんへ!
犬がタバコを誤飲すると、刺激による生理的反応で吐き出そうとするので、大きな事態になることはあまり無いと言われています。
ただ、ニコチンは胃では吸収されないものの、小腸まで通ると一転して吸収が早まります。
吐かせようとしてむやみに水などを飲ませると、胃から小腸への移動が促されてしまうので逆に危険です。
胃から小腸への移動時間を考え、誤飲後、4時間を経過しても症状が出なければ、まず大丈夫と言われています。
ただ、中毒症状が現れるのが早くて15分であることを考えると、よほど近所でない限り病院にたどりつくまでが心配です。
タバコを食べてしまった、またはニコチン液をなめてしまったような場合は、即、獣医さんに行きましょう。
タバコの誤飲を防ぐために
テーブルの上など、犬から届く場所にタバコや灰皿を置かない
犬の誤飲事故は、実はお正月やクリスマスのある寒い時期に集中しています。
これは、寒くて人が家の中で過ごす時間が長く、“うっかり”が増えるからだと考えられます。
また、来客の多い時期でもあり、家族に喫煙者がいなくても来客が吸う場合は、タバコの置き場所に気をつけることをお忘れなく。
道端に落ちているタバコの吸い殻に注意!
子犬は何でも口に入れて確かめようとしますし、拾い食い癖のある犬の場合も散歩中は要注意です。
道端にはタバコ以外にも危険な物、不衛生な物が落ちている可能性が高いので、犬が見つけるより先にチェックして回避するよう気を配りましょう!
犬にも影響するタバコの副流煙
タバコの受動喫煙の悪影響は犬にも及ぶ
タバコの副流煙には約4,000種類にものぼる化学物質が含まれるとされ、受動喫煙が原因の病気で、年間にして約6.800人が亡くなっているそうです。
この数字から推察して、家庭動物の場合は人の5、6倍以上の悪影響があり、飼い主が喫煙者の場合、愛犬の発がん率は1.6倍とも言われています。
主流煙に比べて副流煙に含まれる有害物質は・・・
- 発がん性物質を含むタールは3.4倍
- 発がん性物質はその種類により2~100倍以上
- 体を酸欠にする一酸化炭素は4.7倍
- 依存性のあるニコチンは2.8倍
犬は人間より影響を受けやすい?!
タバコの副流煙の有害物質は床に沈着
副流煙に含まれる科学物質の中には、空気より重いものもあるので床に沈着する。このため人間より体高が低いペットは人間より影響を受けやすい。
マズルの長・短種犬はリスクが高い
マズルの長いダックスフントなどは、鼻がフィルターの役割を果たすため鼻腔がん、パグのような短頭種は逆にその働きが小さいため直接副流煙が肺に入りやすく、肺がんの発症率が高い。
見落としがちな布類に付着した有害物質
服やじゅうたん、ソファカバー、また犬の被毛にも有害物質は付着する。
これらを犬が直接または間接的になめるのも悪影響がある。
犬のアトピーやアレルギー
人間でもタバコの煙や浮遊するタバコの化学物質を吸い込むことで、アレルギー症状を起こすが、犬も同様にアレルギー性気管支炎やアトピー性皮膚炎を発症する。
まとめ
- タバコは少量でも口にしたら危険
- 中毒症状が出るには個体差があるので、すぐに獣医さんへ!
- 吐かせようと水分を取らせるのは逆効果
- 副流煙のリスクは人より犬のほうが大きい!
犬の嗅覚は最大で人間の1億倍。
人でさえ息苦しいタバコの煙は、犬にとっては筆舌に尽くしがたい苦痛だろうと、台所等換気扇の下で吸うという人は多いようです。
しかし、今回、犬へのタバコの悪影響を調べた結果、ニオイどころか副流煙の怖さにおののきました。
やはりタバコは百害あって一利無し!
依存性が高く、やめるのはなかなか難しいものですが、この度、消費税の軽減税率の財源確保策としてタバコ増税が盛り込まれる見通しもあり、愛煙家であり愛犬家でもある皆様、本気で禁煙に取り組んでみてはいかがでしょうか?
ユーザーのコメント
40代 女性 MAKI
30代 女性 きなこ
たばこの有害物質が床や家具に付着しているっていうのも初めて知りました。
ペットOKの宿もよく泊まったりしますが、基本禁煙の部屋を選んでいます。
少しでもリスクを避けたい。
夫がたばこを吸うのですが、わんこにもよくないし私自身ぜんそくがあるので本音は禁煙して欲しいです。
愛犬を溺愛しすごく大事に思ってくれてるけど、愛煙家なのでそうそうやめられるものじゃないみたいで…
こういう問題は本当に難しいです。
ただ、たばこの誤食を回避するのはできる事なので、目の届かない場所に置くなど気をつけたいと思います。
10代 女性 のんのん
20代 女性 芽衣子
よく愛犬の散歩に行くと、タバコの吸い殻が道端に落ちてるのをよく見ます。もちろん、愛犬が食べないように注意していますが、まさかタバコ2本で致死量になるとは思ってもいませんでした。また、犬の方が副流煙が大きいのも知りませんでした。実家の父親がよく愛犬たちの周りでタバコを吸うので、この記事の内容を教えてあげようと思います!
30代 女性 38moto
我が家ではタバコを吸う人がいないので、自宅にいれば副流煙や誤って食べてしまう心配はありませんが、出かけた際には注意しなくてはなりませんね。
また、タバコの灰が落ちて、低い位置にいる犬に火傷や怪我をさせてしまう可能性もあり危険です。吸っている人の近くを通る場合は気を付ける必要があります。我が家の愛犬も尻尾に灰を落とされてひやひやしました。
遠出をした時の宿は犬が一緒でもいい部屋に泊まっています。犬の匂いがうつってしまうため、犬も同室OKな部屋は喫煙可能な部屋が多いです。布製品にもタバコの有害物質が残っているのを知り、中毒になるほどの量はないにしろアレルギーには注意しようと思います。
一昔前とは違って今はタバコの有毒性も色んな人に認識されています。分煙も進んでいるので環境は改善されていますが、愛犬は飼い主が守らなくてはならないです。油断せずに気を付けてあげたいですね。
女性 もくもく
30代 女性 おはな
30代 女性 ひまわり