犬は家族内で順位づけをしている
犬は本能的に群れ意識を持つ
犬はもともとオオカミを人間の飼育用に改良して創り出された動物です。
野生のオオカミの社会では厳しい世界を生き抜くための厳格な縦社会があり、最も強いものがリーダーとして群れを守っていました。
そのために、オオカミの群れで生きる習性を受け継いでいるとされています。
その考え方から犬は家族を群れとみなし、その中で従うべきリーダーや順位を見極めているそうなのです。
もし、犬が家族の中であなたの言うことだけを聞かない場合、あなたは犬より格下に見られているかもしれません。
順位付けの見極めポイント
順位づけにより犬がとる行動を以下にまとめました。
あなたは犬に自分より上だと認められているでしょうか?
犬の方が上の時
- 甘噛み
- 散歩の時に飼い主を引っ張って好き放題に行こうとする
- 自分の方が先に食べようとする
- マウンティング(※発情期にも見られますが、その延長ではなく、力の誇示として行っています)
人の方が上の時
- 自分がリーダーと定めた人物だけに寄り添って座る(それ以外の人、寄り付かない人は下に見られている)
犬の順位つけに関する2つの考え方
専門家の両論
ただ、最近では専門家の見解も議論が分かれてきています。犬のオオカミ的な階級意識がどれほど根強く犬に受け継がれているのかについてです。
完全なる順位づけ派(アルファシンドローム対策としての強いしつけ)
犬が家族の中で自分が1番偉いと考え、わがまま放題で誰の言うことも聞かない暴君状態になることを『アルファシンドローム』と言います。
そのような状態にならないために、厳しくしつけ、人間が犬より絶対上位であると教え込ませることが重要であると考えている専門家も多数います。
彼らはそのために、犬が問題行動を取った場合徹底的に無視し(犬は群れから疎外されたと考える)飼い主の言うことをできたときだけ注意を注いでやる、という風な徹底的なしつけが必要だと主張します。
特に、小さなお子さんがいる家庭では、体が小さく力の弱いお子さんのことを自分と同レベルか下に見てしまい、その後お子さんが大きくなっても、犬が言うことを聞かないということがおこりえるようです。
犬の中での家族という意識派
それに対して、犬の中での群れ意識について、犬は賢い動物であり人間に飼われている環境で人間に依存していることを理解しているという主張があります。
ともに生活する仲間や家族として人間を認識しており、そのため自分が1番のリーダーになる(群れを守るために周囲を見張るために格下のものを制圧して従わせる)というよりは言うことを聞かなくなるのは単に甘えたりわがままになっているからであると説明されています。
例えば寝そべってお腹を見せるポーズは服従のポーズであるとよく言われますが、犬としては「大好き」、「もっとあそんで」、というサインであり、ソファ(飼い主と同じ高さか、より高い)に座りたがるのは単に見晴らしがよく、大好きな飼い主の匂いがしている場所だと考え、オオカミのような厳格な階級意識は持っていないと考えています。
実際の犬の行動観察
二つの議論は現在どちらも断定はできないという状況のようです。それでは実際の犬の行動を見てみましょう。
我が家の犬の行動を観察してみると以下のような行動が見られました。
OK行動
- じゃれ合っても絶対に歯は立てない
- 家族全員に寄り添って座る(リーダーと認めている)
NG行動
- 食事は家族と同時にとりたがる
- 自分だけの留守番は嫌がる
- お父さんの言う事だけは聞かない(汗)
というように実際に順位づけをしてしまっているケースもあるようです。(お父さんは犬より格下だと思われているかもしれません笑)
しかし、それが絶対的な順位づけではなく、損得計算(ごはんをくれる時は言う事を聞く)や、わがまま(散歩で自分のやりたいようにする、自分もみんなと一緒にいたいという気持ち)などであるともいえるということも頭に入れてい置いた方がいいかもしれません。
犬の順位づけ行動に関するまとめ
最終的にはバランスも大事
ここまで、順位づけの見分け方やその原因となる犬の習性、実際の犬の行動を見てきましたが、最終的には何を重要視するかということではないでしょうか。
たしかに、アルファシンドロームのように、誰の言うことも聞かず飼い主に牙をむくような犬にしてしまっては、飼い主だけでなく、群れのリーダーとして周囲を警戒し、飼い主に甘えられないというように犬にもストレスがかかってしまいます。
そのために、犬には飼い主家族の言うことをきちんと聞くようにしつけるひつようがあります。
ダメなものはダメ、いいものはえらかったね、いいこだね、ときちんと教え、自然な主従関係を築いていくことが出来れば犬にも家族にも幸せといえるのではないでしょうか。
そのように愛情を注いでもらい、群れの階級意識をあまり持たなくても、あるいは階級としては1番したであったとしてもその中で幸せに暮らしていけるように犬をしつけてあげられるのが理想的な関係作りといえるのかもしれません。
ユーザーのコメント
女性 しおな
40代 女性 こたママ
40代 女性 SUSU
犬の順位づけについては、昔から都市伝説のように言われていますね。
普段から厳しくしつけをし、飼い主の言うことは絶対、散歩時間は飼い主の都合でランダムに、散歩中はツケで脚側歩行、食事は飼い主の後を徹底すること、甘やかすことは犬が人間をなめる原因になってしまう、飼い主は常に犬の上に立ってなければいけない、と私もよく耳にします。
我が家にはミニチュアダックスフンドの男の子がいますが、家族に対して順位づけをしてると感じたことはありません。順位づけの話を聞く度にあまりピンとこず、違和感をもっていました。
確かに、私と主人、実家の母とでは対応が違います。誰の言うことを聞いて誰の言うことは聞かないということではなく、主人が帰ってくれば大歓迎し、居るときは朝からべったり甘え、遊びたい時は主人が一番、母が来ればおやつをねだったり甘えたり、何かしてほしいとき、寝るときは私のそばに来ます。
旅行先など見知らぬ場所では主人のそばにいることも多いです。
その様子はまさに家族の一員といった感じです。
人間の子供でも、普段はお母さんが身近にいるために交流は多いが、休日はお父さんに甘え、おばあちゃんは見方になってくれるから大好きといったことが普通で、それによって、子供が家族を順位づけしている、大人より上に立とうとしているといったことにはならないと思います。
あくまで犬は犬、という捉え方の人には理解出来ないと思いますが、行動だけを観察していると、子供と同じだと感じています。
そう思えば、みんなと一緒に食事を取りたい、自分だけのお留守番は嫌といった感情が生まれるのは当たり前のことであり、何ら不思議ではないと思うのです。
我が家では先に犬にご飯をあげ、人間の食事中はテーブルの下にいます。おすそけ出来るものはあげ、何もない日はないんだと言うと、諦めて寝て待っています。
お留守番に関しても、行き先、お留守番時間を伝えるとしぶしぶ納得してくれています。
しつけではなく、コミュニケーションと言う言葉が近いと思います。
記事にもあるように、犬の順位づけに関しては専門家によって意見が分かれるところがあり、本当のところは正直、分かりません。
実際、犬に聞いたことがある人もいないわけで、犬にそのような感情があるかどうかすら定かではないと思います。
仮に、我が家の愛犬が本当は順位づけをしていて、しかも犬が上だと捉えられていたとしても、今の状態で特に困っていることはないので、それでもよいかな~とさえ思ってしまいます。
家族みんなが楽しく平和にお互いに尊重しながら暮らしていけたら、それが一番幸せだと思っています。
女性 匿名
この人は遊ぶ人とか、困った時に頼る人とか、散歩に行く人とか。
犬の個性にもよります。
明確に順位を付けたい犬や、ゆるくアバウトな犬。
性格や成長の環境でも左右されるし、犬を全体として0か100では言えないのでは?
それよりも、犬と信頼関係を結ぶ方がはるかに(順位を気にするより)有意義だと思います。
犬はよく人間のことを観察していて、ちゃんと人柄を見ていますよ。
50代以上 女性 匿名
順位付けも否定できませんが、やはり信頼関係の強さが1番大きく関係するのではと_。
女性 匿名
兄弟同士の上下関係は小さいときから明確です。
(メスが上でオスが下。体格差のせいかな?)
ご飯も片方が食べ終わるまで食べません。
(餌皿分けてますが取ってます。促すと自分の方を食べるそうですが、オスも促されるまで待ってるようです。)
遊ぶときもオスの方から遊ぶと嫉妬心MAXで後ろで見てます…笑
メスの方から遊ぶと、オスは遠くで終わるのを待っています。
人間相手には子犬時代と変わらず甘えん坊の子ども気分という感じです。
すぐおなかは見せて「遊んで!!撫でて!!」と主張してます。
同族に見せる顔、人間相手に見せる顔、全然違っていておもしろいですね。
犬としての本能も、人と暮らしていく内に得た甘える、家族の中の子ども的な位置も両方持っていて、躾もバランスだなと思います。
30代 女性 ぽち
50代以上 女性 菜の花
この研究発表自体が間違いだったと1999年にご本人(David Mech)が公表しています。
しかも、彼はこの研究内容が”犬”にも当てはまるなどとは一度も言っていません。
いまだに言葉ばかりがひとり歩きしている俗説にすぎません。
20代 男性 宇野直人
20代 男性 宇野直人