愛犬の認知症予防に効果的な食べ物
長寿に伴って増えているとされる認知症のシニア犬
年を取るにつれ、体型の変化が起こったり、目や耳、手足や関節をはじめ、内臓や脳機能に少しづつ衰えが現れるのは、本来仕方のないことで、どんな生き物でも避けて通ることはできません。
でも、無理のない範囲で運動不足を解消したり、食事や栄養面の工夫をしたり、女性なら下着や化粧品を工夫するなどの対策をする事で、少しでも元気に美しい状態を保つ努力を続けるのは大切なことですし、実際に効果もあります。(若返ることは難しくとも、老化の針を遅くできます)
犬の認知症は、何より予防が大切とされています。
食べ物(栄養面)について、特に有名なのが「オメガ3脂肪酸」と「抗酸化物質」です。
オメガ3脂肪酸とは?
「脂質」の過剰摂取はよくありませんが、もっとも効率がよいエネルギー源とされる「脂質」は、犬にもある程度は必要なものです。
脂質は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に大きく分けられ、前者が肉類によく含まれる脂質で摂り過ぎると肥満だけでなく、高脂血症や動脈硬化につながるとされています。
後者は、魚や植物系に含まれ、血中の中性脂肪やコレステロール値を調節する働きがあるとされます。
オメガ3脂肪酸は、この「不飽和脂肪酸」のひとつで、イワシや鯵などの青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)、えごまに含まれるαリノレン酸が有名ですが、その他にも、亜麻仁油、くるみ、緑黄色野菜にも含まれます。
オメガ3脂肪酸は、血中の中性脂肪やコレステロール値を調節する以外にも、脳の活性化に役立つとされていますが体内でつくり出すことができない成分なので食べ物から積極的に摂取するようにしましょう。
脳の老化に伴って記憶力や判断力が失われていく認知症ですが、そこには神経細胞の働きが大きく関わってきます。神経細胞同士をつなぎ、ネットワークのように働いてスムーズな思考を行うためには神経細胞膜の柔軟さが必要ですが、加齢とともにどんどん固くなり働きが鈍くなります。オメガ3脂肪酸はその神経細胞膜を柔らかくなめらかにする効果があり、脳の機能をサポートすると考えられ、認知症予防に役立つ成分として注目されています。
近年、日本犬(特に柴犬)が認知症になりやすいというデータが出ています。
要因として、『古来、魚を食べる日本人に合わせて進化してきた日本犬なのに、肉中心のドッグフードを与えているためではないか?』といわれていますがあくまでも仮説です 。
日本犬(柴犬)が認知症になりやすいと決めつけるのは危険ですが、猫があまり認知症にかかるケースがないこと、海外では特定の犬種が取り上げられないことから、オメガ3脂肪酸を取り入れること、(アレルギーがなければ)魚を積極的に摂ってあげることで、日本犬(柴犬)の犬種に応じた食餌となり、ひいては認知症の予防につながると考えられます。
オメガ3脂肪酸はイワシやサバ、サンマなどに豊富に含まれていますが、においや苦みが強い青魚は慣れていないとなかなか食べてくれない場合も多いと思います。また、えごまオイルや亜麻仁オイルも手軽に使えて栄養価に優れているおすすめ食材のひとつですが独特の香りで抵抗感を見せる犬も少なくありません。
その場合、含有量は多少落ちますが大豆製品(納豆や豆腐)や枝豆、くるみ、栗などからオメガ3を摂取するのがおすすめ。野菜ではカリフラワーやブロッコリー、芽キャベツ、ほうれん草、小松菜などに含まれ、冬野菜に多いとも言われています。飼い主が食べる時などにちょこっとおすそ分けしてあげましょう。
抗酸化物質とは?
摂った栄養を体内でエネルギーに転換する際に、外部からのストレスや紫外線など、様々な原因で人間も犬も、体内に「活性酸素」が出来ます。ある程度は仕方のないことですし、若い時には自身の力で「活性酸素」を過剰に発生しやすいように抑えることができるのですが、年を取るにつれてその力が弱まります。
溜まった「活性酸素」は、血管を錆びつかせて老化をすすめてしまいます。「活性酸素」はさまざまなところに影響を与え、神経細胞にも悪影響を及ぼすことがわかっています。神経細胞の働きが低下することで脳機能も低下していくと考えられているため、認知症を引き起こしやすくなるとされています。
この「活性酸素」を抑える働きに役立つのが「抗酸化物質」の存在で、身近な栄養としては、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン、ポリフェノール(アントシアニン・アスタキサンチンなど)がよくあげられます。それらの成分は強い抗酸化作用を持ち、体の中で発生する活性酸素を除去する働きが期待されます。
ビタミンC、ビタミンEは「若返りビタミン」などと呼ばれるほど優れた抗酸化力を発揮しますが、特にビタミンCは水溶性ビタミンのため、使われない分はすぐに排出されてしまいます。過剰摂取になることはほとんどないのでできるだけ毎日摂取して「活性酸素」に対抗できる体づくりをしてあげましょう。
にんじん、ブロッコリー、カボチャ、トマト、キャベツ、サツマイモ、ジャガイモ、イチゴなどは非常に身近な食材で人間の食事にも利用することも多いと思うので、ドッグフードにトッピングしたり手作り食にも取り入れやすい食材かと思います。
おすすめの認知症予防メニュー
ドッグフードへのトッピング例
(ドッグフード、きゅうり、トマト、鰯のつみれ、舞茸、大根の茎と葉)
鰯のつみれは、頭と中骨と尾をはずし、フードプロセッサーで徹底的にすり潰したものを茹でるだけです。
冷凍保存できるので、まとめて作っておけます。
(きゅうりはビタミンCの効果を妨げる作用があるので、トマトと合わせるのはあまりいい例ではありません。上の写真は夏に作ったもので、体温を下げるきゅうりの効能の方をとって、あえて用いました。)
肉だけでなくお魚も加えたメニュー例
(牛コマボイル、鮭のあらのボイル、にんじん、トマト、小松菜)
鮭のあらは安く手に入るうえに、DHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)が豊富な食材のひとつです。
青魚にアレルギーがあるのなら鮭がおすすめです。
あらでなくても生鮭を焼いたり、生食できるサーモンに熱湯をかけたり、トースターで軽く焼くのもいいでしょう。
塩鮭は犬には塩分過多ですので用いないで下さい。
楽チン手作りご飯には「鰹のたたき」
(鰹のたたき、椎茸と大根のボイル、キャベツ、サンマ節)
犬が好きな旨みが多いうえ、DHAの他にも、タウリンやカリウム等、シニア期の犬に適した魚のひとつが鰹。
新鮮なものならば、鰹のたたきはそのまま与えても大丈夫ですが、心配ならば、さっと茹でてもよいでしょう。
まとめ
慣れてしまえば手作り食を作るのは手間もかからないものですが、栄養に不安があったり、ドッグフードじゃないと・・・いうポリシーの飼い主さんもいらっしゃると思います。
毎日のオヤツに煮干しやリンゴ、焼き芋を加えてあげるのも方法のひとつですし、シニア向けのドッグフード、各種サプリメントもあります。
認知症予防に効果的な食材はさまざまですが、いくら健康にいいとはいえ、嫌がるものを無理やり食べさせることは、犬にとっても飼い主にとっても苦痛になってしまうので食事療法に無理は禁物です。身近で食べやすい食材を日々こまめに摂取させることが健康管理においても認知症予防においても大切です。
犬の認知症については、多くの獣医さんが身近なものとされていますので、7歳を過ぎる頃から、かかりつけの獣医さんと話し合って、それぞれの愛犬・飼い主さんに適した形で「予防」に取り組んでいくのが理想だと思います。
ユーザーのコメント
40代 女性 momo
昨年末にリンパ腫を患い、様々な情報を調べて藻類由来の《アルジェオメガ》というサプリをずっと取り入れています。確かに効果の一つに、脳機能改善効果(老化防止・記憶力の向上等)がありました。認知症予防には是非取り入れたいとあらためて思いました。
その他に、成分のDHAやDPAは炎症抑制効果の他にも血中コレステロール・中性脂肪などを適正値に保つなど、犬の健康の為に必要なものだと思います。シニアになってからはもちろん、若いうちから予防の為にも摂取していただけたら良いのではないでしょうか。
サプリ以外にも、記事にあるような手作り食からもオメガ3は取り入れられるかと思いますので、色々と愛犬にあった方法でお試しいただきたいです。
女性 シュナ
女性 匿名
食事から栄養バランス良く採れると良いのですが、最近では様々なサプリメントがありますね。予防的に取り入れたいです。