犬のクッシング症候群とは?
クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)とは、副腎のホルモン分泌過剰が原因で起こる病気のこと。「コルチゾール」と呼ばれるホルモンが異常に分泌されている状態になり、犬のみならず人間にも起こり得る病気です。
ホルモン異常が起きる原因として、「脳下垂体の腫瘍」「副腎の腫瘍」の2つが考えられます。犬の年齢や犬種に問わずかかる病気ですが、メス犬や高齢の犬に多く見られる傾向も。
進行すると命に関わる病気ですので早期発見が重要です。「ただの老化現象」と勘違いしやすい症状が多く、気づいた時に進行してしまっているケースも少なくはありません。
もし愛犬に気になる点がある、最近愛犬の調子が悪い気がすると感じる方は、次の初期症状をチェックしてみてください。
犬がクッシング症候群である時の初期症状6選
犬のクッシング症候群は早期発見が大切です。原因や進行状況により治療方法は変わりますが、手術が必要になった場合でも、腫瘍が小さいほど犬への負担は軽減されます。犬の老化現象に類似しているため見過ごしてしまいがちですが、次のような症状を見つけたら一度獣医師へ相談しましょう。
1.多飲多尿
水を飲む量が増えたり、おしっこの回数や量が増えることがあります。多飲多尿は犬のクッシング症候群に多く見られる初期症状なので、異変を感じた時は気をつけなければなりません。
犬の多飲多尿は糖尿病、腎不全、甲状腺機能亢進症といった病気にも見られる症状なので、いずれにせよ「最近おかしい」と感じたときは一度獣医師に相談してください。1日に飲む水の量をペットボトルなどで計量しておくと、早期発見につながります。
2.毛が抜ける
犬がクッシング症候群を患うと毛がよく抜けるようになります。左右対象に毛が抜ける傾向があるので、ブラッシングの際に異変を感じられるでしょう。
ただ、犬の毛の脱毛は老化現象にも見られる症状です。「まさか病気ではないはず」と思い込まず、毛が抜ける量が多く左右対称であれば早めに獣医師に相談しましょう。
3.足腰が弱る
散歩に行きたがらない、元気がない、疲れやすくなったように感じる…これらもクッシング症候群の初期症状です。筋力の低下により犬の足腰が弱る症状もよく見られますが、一般的な犬の老化現象とほぼ同じです。
激しい痛みを伴うこともないため発見しにくいですが、「元気がない日が続いている」と感じたら早めに受診しておくことをおすすめします。
4.皮膚の異常
犬の皮膚の黒ずみ、皮膚の弱りもクッシング症候群のひとつ。ブラッシングの際に毛だけではなく皮膚の状態もチェックしてください。もし、皮膚が薄くなったり、黒ずみが見られるようになった場合はただの老化と見過ごさないようにしましょう。
5.お腹が膨れる
クッシング症候群にかかると犬のお腹がぽっこりと膨れることがあります。これは肥大した副腎、脂肪の増加による症状です。エコー検査やホルモン検査などを行い、総合的な判断によってクッシング症候群と認められます。いずれにせよ、早期発見が早期回復へのカギとなるのは間違いありません。
6.呼吸が荒い
動いていないのに呼吸が荒くなったり、苦しそうな呼吸をするといった症状も見られます。
まとめ
犬のクッシング症候群は予防する方法がないため飼い主さんは辛い思いをしてしまいますが、重要なのは早期発見です。少しでも「おかしい」と感じた時は獣医師へ相談してください。
ユーザーのコメント
40代 女性 匿名
でも、多飲、脱毛、皮膚の異常など初期症状と言われる症状は何もありませんでした。
気になったのはトイレに行く回数が少し増えたことぐらい。
心臓病なので毎月通院し、定期的に検査をしてましたが、血液検査でも特に問題はなし。
飲水量も普通だし、腎臓が悪いわけでもないし、老犬なので年齢的なものかもしれない…。でも、念のためコルチゾールの検査をしてみましょう、ということで検査をしたらクッシング症候群でした。
かかりつけの病院はすぐに検査をしてくれたので、治療をすぐに始めることができましたが、病院によっては症状があまりないとクッシングを疑わずに治療が遅れることがあるようです。
いつもより水を飲む量が増えたかな?トイレに行く回数が増えたかな?と思ったときは、例え多飲多尿とまでいわない状態でも、先生に相談してみることをおすすめします。