飼い主が、飼い犬の臭いに気づかなくなる理由
うちの犬はいつもシャンプーしているし、一緒にいるのにぜんぜん臭わないから大丈夫!
そう思っている飼い主さんも多いと思います。
でも、「一緒にいるからこそ臭いが分からない」ということもあるんです。
ではなぜ一緒にいると臭いに気づかなくなってしまうのでしょう?
自分自身に臭いが移ってしまっている
タバコの臭いや香水の臭いなどは、他の人にはキツイと感じる程度でも、本人には分からないことがありますよね?それと同じことが言えます。
日頃から抱っこしたり撫でたり、常に愛犬に触れていることでしょう。
そうすると自分自身に愛犬の臭いが移ってしまい、その臭いに慣れてしまうんです。
自身の臭いは体を洗えばすぐに消えますので、もし気になるようでしたら臭いを落とすようなボディソープなどを使用してみてもいいかもしれません。
衣服に臭いがついてしまっている
洗濯物を室内で干しているお家も多いと思いますが、そこに愛犬が出入りしていたりしませんか?
完全に乾ききっていない衣服は特に臭いがつきやすい状態です。
そこへ愛犬が入ってくつろいでいたりすれば、犬の臭いが衣服へついてしまいます。
洗濯物を干す時には、愛犬が入ってこないように注意が必要ですね。
もちろん乾かしたあともすぐにタンスにしまうなどして、愛犬に衣服が触れないようにしましょう。
愛犬の臭いの原因をチェック
愛犬の臭いはいったい何が原因なのでしょう。
シャンプーは定期的にしているし、心当たりがないのに…という方もいると思いますが、臭いの原因は実にさまざまなのです。
この機会に愛犬と一緒に「臭いチェック」をしてみましょう!
汗腺から
「犬は汗をかかないから、舌を出して体温調節している」といわれてますが、実は犬も汗をかいているんです。
人間は汗をかいて体温調節をしますが、このとき「エクリン腺」というところから汗を分泌しています。
犬にはこのエクリン腺は肉球にしかありませんが、もうひとつ「アポクリン腺」という汗腺も持っています。
エクリン腺が原因
肉球の臭いをかいでみてください。「臭い!」と感じたら、このエクリン腺が原因です。
アポクリン腺が原因
アポクリン腺は、人間だと脇の下などにある汗腺です。「汗臭い」と感じる臭いはここから発せられます。
愛犬も肉球が臭くなくても、汗臭いというのであればこのアポクリン腺が原因と思われます。
アポクリン腺は皮脂腺とつながっていますので、汗が皮脂を含んで外へ出ます。
そこで空気に触れると酸化して臭いを発したり、空気中の雑菌が繁殖して臭いを発します。
しかし、動物はここから発せられる臭いで互いの個体を識別したり、性的興奮を感じるので必要不可欠なものではあるんです…。
汗の臭いはタンパク質や脂質の摂り過ぎが原因ということもありますので、食べ物を変えてみたり、臭いを消すドッグフード(もちろん安全です!)を一度試してみてもいいでしょう。
口臭から
汗腺に問題がなければ、口臭はどうでしょうか。
おなかの不調
最近のドッグフードはとても栄養満点です。ドッグフードだけでも十分な栄養が摂れるので、他の食べ物を与えるとバランスが崩れてしまい、結果消化不良を起こすことも。
特にタンパク質や脂質の摂り過ぎは、腸内細菌のバランスを崩していまいます。
こういった消化不良からくる口臭には、ハーブやジンジャーといった香草が効果的です。
歯周病
犬も人間と同じ永久歯ですし、虫歯にも当然なります。
ところが日本ではペットの歯磨き習慣が定着しておらず、週3回の歯磨きをしている飼い主さんはほとんどいないそうです。
その結果、3歳以上の犬の80%が歯周病か歯周病予備軍にかかっているとか!
愛犬の歯のケアは毎日欠かさず行ってあげましょう。
またニンジンやリンゴは歯を綺麗にしてくれますので、おやつに与えるのもよいでしょう。
口臭には他にも糖尿病や尿路感染症、腎臓や肝臓の病気が原因ということもありますので、臭いが酷い場合は獣医さんに診てもらいましょう。
シワの汚れ
パグやブルドッグといった犬種は、シワの汚れが溜まってしまいがちです。
これはシワが深い溝になっていて、水を跳ね返す構造になっているためです。
濡れたタオルやティッシュなどでこまめに拭いてあげましょう。
シャンプーのしすぎや生乾き
清潔に保つためにと週に何回もシャンプーをするのはかえってよくありません。
犬の年齢や毛の長さによっても適正な頻度は異なりますが、週に1回のシャンプーはやりすぎといえるでしょう。
犬は人間より皮膚が弱いので、シャンプーをしすぎると皮膚病にかかってしまう恐れがあります。皮膚病にかかるとカビが繁殖して、臭いを発生させます。
またシャンプー後の乾かし方が足りないと、体中に細菌が繁殖して臭いの原因となります。
自然乾燥はやめてしっかり乾かしてあげましょう。
肛門から
犬のお尻の中には肛門腺という臭腺があります。
「だったら臭うのは仕方ないのでは?」と思いますが、肛門腺からの分泌液はトイレの時に一緒に流れていきますので、臭いが留まることはありません。
ですが体調不良や年齢、ストレスによってこの肛門腺の臭いが溜まりやすくなります。
病院でケアをしてくれますので、「お尻が臭いな」と思ったら治療へ行きましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ひとくちに「臭い」といってもその原因はさまざまです。
他にも耳から臭ったりすることもありますので、特に垂れ耳の犬はこまめに掃除をしてあげてください。
またロングコートチワワなどの長毛種は、暑い時期や梅雨の時期は蒸れて臭くなりますし、ビーグルなどの短毛種は毛がないので、汗をかいた皮膚に直接雑菌がくっついてトラブルになりやすいです。
臭いはなかなか指摘しづらいデリケートな部分ですので、飼い主さんがきちんと対処しておきましょう。