警戒している
言うまでもなく、わんこには自分のテリトリーを守りたいという本能があります。
自分のテリトリーをどこまでと認識しているかはわんこによって異なり、また、窓と庭のレイアウトによっても異なりますが、窓の外に見える通行人や訪問者を侵入者とみなし、吠えてしまっている場合が多くあります。
これはつまり、無駄吠えの中でも「警戒吠え」に当たります。「ここは俺のテリトリーだから、勝手に入ってくるな!勝手に通行するな!」と訴えているのです。
人や車に興味がある
警戒しているというわけではなく、単に、通行している人や車に興味があって吠えていることもあります。
例えば、以前に通行人に対して吠えたら振り向いてくれ、こちらに興味を示して構ってくれたことがあるなど、「僕はココにいるよ!こっちを見て!」と自分をアピールしている場合です。
達成感を得ている
最初にご紹介した警戒吠えの延長線上になりますが、かつて得てしまった達成感が報酬になり、吠える行為を繰り返している場合もあります。
つまり、窓の外の人や車を「あっちに行け!」と威嚇して吠えた結果、人や車が(たとえ通り過ぎていっただけであっても)自分のテリトリーから退散していった、という成功体験です。
「吠えたらテリトリーを守れた!家族を守れた!」という達成感を得たことがあるために、また同じように侵入者を追い払おうとしている子もいるのです。
吠え癖を直すためには?
窓の外を見えなくする
通行人や訪問者に恐怖を感じている場合はもちろん、構ってほしいという興味本位で吠えてしまっている場合には、まず、窓の外を見えなくするという根本的な対策から始めましょう。
ハウスやケージの位置を変える、カーテンで窓を塞ぐなど、そもそもわんこの関心が窓の外に向かないよう工夫します。
社会化を行う
警戒吠えをしている場合には、基本的な社会化がされているのかを見直す必要があります。警戒心は臆病心の現れです。通行人や訪問者、車やバイクが「怖い」と認識するからこそ、恐怖の対象を遠ざけようとして警戒吠えをしてしまうのです。
長い時間がかかることが多いですが、人慣れや車慣れのしつけを行い、全てが全て怖いわけではないと教えてあげることが必要です。
また、警戒吠えをしている場合、飼い主さんとの信頼関係が薄く、自分がテリトリーを守らないと自分の安全が脅かされると思っていることもあります。そのような場合には、吠え癖の他にも散歩時のひっぱりや他人への威嚇、フードやおもちゃを守るための飼い主さんへの威嚇など、他の問題行動が見られることが多いでしょう。飼い主さんとわんことの関係性を根本から見直す必要があります。
吠えても無視する
警戒吠えに達成感を得てしまっている場合、窓の外に吠えている愛犬に対して、飼い主さんが「どうしたの?」「うるさい!」などと声がけをしたことが、「吠えて敵を追い払ったら、飼い主さんに褒められた!」「飼い主さんも一緒になって吠えて追い払っている!」という勘違いの成功体験として刻まれてしまっている可能性もあります。
この場合には、無駄吠えのしつけと同様、わんこが窓の外に向かって吠えても無視をすることが大切です。しかし、「通行人に対して吠えたら遠ざかっていった。」という犬にとっての成功体験は繰り返されることになりますので、まずは窓の外が見えないようにする必要があります。それでも吠えるのをやめない場合、他の方法によるトレーニングが必要となるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?わんこの吠え声はご近所トラブルにもつながりやすく、飼い主さんにとっても頭の痛い問題です。
愛犬が窓の外に吠えてしまう場合、放置しておくと騒音トラブルだけでなく、常に窓の外を意識していることで愛犬がリラックスして休むこともできず、場合によっては健康問題にも発展しかねません。わんこが常日頃吠えているということは、飼い主さんが困るだけではなく、わんこ自身も常に気を張り詰めた生活を送っていて気の休まる時がないということです。早めに原因を探り、対策を立てることが大切ですよ。