どうして?犬が名前を呼んでも無視してくる心理
いつもは名前を呼んだらすぐに近寄ってくる愛犬が、なぜか今日は無視してくる…。あるいは、他の家族が呼ぶと反応するのに、自分が呼ぶと無視してくる…。そのような事態に直面することはありませんか。
名前を呼んでも無視してくるということは、何らかの理由があります。ここでは、犬が名前を呼んでも無視してくる心理を紹介するので、自身に改めるところがある方は、すぐに改善しましょう。
1.嫌な事をされると察知している
さっきは名前を呼んだらいつも通り反応してくれたのに、今は名前を呼んでも無視を決め込んでいる愛犬…。もしかすると、その時、飼い主は愛犬が嫌がる何かをしようとしていませんでしたか。
例えば、犬が嫌がるお世話として、爪切りや歯磨き、シャワー、耳掃除などが挙げられます。これらのケアをするために、名前を呼んだのではないでしょうか。
犬は飼い主のちょっとした動きから、その後の行動を予測することができます。そのため、「歯磨きされる…!」と察知し、無視を決め込んだのかもしれません。
2.他のことに夢中になっている
犬にもそれぞれ性格があります。どんなことがあっても飼い主さんを優先する犬もいれば、自分が一点集中してしまうと、周りが見えなくなる犬もいます。こればかりは、それぞれが持つ性格なので、仕方がありません。
後者の場合、おもちゃで遊んでいるなど、何かに夢中になっているため、飼い主から名前を呼ばれても無視している、あるいは耳に入っていない可能性もあります。
しかし、ここで注意したい点は、何に夢中になっているかです。おもちゃであれば問題ありませんが、前足を執拗に舐めているなど、体の一部を夢中になって舐めているようであれば、すぐにやめさせる必要があります。
これは、一種の自傷行為とも言われていて、この行為を継続してしまうと、皮膚炎を発症してしまいます。無理矢理やめさせるとストレスに繋がり、余計に悪化するため、他のおもちゃなどで釣り、行為をやめさせましょう。
3.『名前』に対してネガティブなイメージを持っている
名前を呼んでも常に反応しない、あるいは反応しても近寄ってきてくれないという場合は、過去に名前を呼ばれた後、嫌な経験をしたことがトラウマとなっている可能性があります。
例えば、子犬期に名前を呼ばれる度に叱られていた…ということはありませんか。これは飼い主がやりがちなNG行動の1つです。『名前』を呼ばれることで「叱られる」イメージと直結してしまっているのです。
犬にとって『名前』は、自分を示す言葉というよりも、アクションを指す言葉です。つまり、通常であれば、『名前』=「飼い主の所へ行く」「飼い主の方を振り返る」ための指示として捉えている犬が多いです。
しかし、名前を呼ばれて叱られてばかりいた犬の場合、『名前』=「叱られる」合図として捉えている可能性があります。この認識を変えるためにも、名前を呼んだ後に褒めたり、撫でたりと、愛犬にとって良いことをしてあげてください。
4.他の音や物に気をとられている
これは警戒心の強い犬に多い傾向にあります。飼い主に呼ばれていても、他にとても気になる対象があれば、「それを逃してはいけない」という心理が働き、あえて飼い主の呼びかけに応えないことがあります。
散歩中、突然立ち止まった愛犬に「○○?」と名前を呼びかけても無視をされた経験はありませんか。その後、他の場所から別の犬がやってきた…ということはありませんでしたか。愛犬は、他の犬が事前にやってくることを察知しており、警戒心を緩めるわけにはいかなかったのでしょう。
家の中にいても同様の事が起こります。飼い主は気にしていない、あるいは聞こえていないけれども、愛犬には聞こえている外からの怪しい音。その音の正体を探るために、飼い主に呼ばれても反応せず、ジッとその音に耳を傾けていることがあります。
決して悪気があるわけではなく、むしろ警戒することで、自分や飼い主の身を守ろうとしている犬もいます。責めるのではなく、大丈夫だよと声をかけてあげましょう。
5.苦手意識・嫌われている可能性
とても残念ではありますが、中には今までの行動や接し方が原因で、飼い主に対して苦手意識を感じている犬もいます。
もしも家族の中で、自分だけが無視されてしまうならば、この可能性は高いです。または、苦手ではないけれど、他の家族に比べると関係が薄いと認識されている可能性があります。
やはり、どんな犬であっても、信頼関係が築けていない相手には、名前を呼ばれても近寄って行くことはありません。せいぜい振り向く程度でしょう。
愛犬にとって嫌な事をしていなかったか、または接する機会が足りていなかったのではないかなど、自分の愛犬に対する接し方を見直してみましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回紹介したように、犬が名前を呼んでも無視してくるからといって、必ずしも嫌われていたり、怒っているというわけではありません。その時の状況や愛犬の様子から、愛犬の正しい心理を読み解きましょう。