犬が集中している時の仕草①耳が前に傾いている
犬が何かに興味を持ち、集中している時には耳が前に傾きます。犬は気になることがあり、情報を得たいと考える時視覚以上に聴覚に頼ります。そのため、普段はやや横を向いている耳でも出来るだけ気になる音のする方向に向けて意識を集中するのです。
たれ耳の犬の場合は耳の方向がわかりにくいと思いますが、耳の付け根を見ると力が入っていることなどがわかります。たれ耳の犬でも何らかの音に集中している時には、いつもよりも耳が持ち上がっていたり、付け根にシワが寄っていたりするのでよく観察してみてください。
犬が集中している時の仕草②口が閉じている
犬がリラックスしている時、口元はほがらかに緩んでおり軽く開いていると思います。その反対に何かを狙っている時や集中している時には口角が後ろに引かれ、キュッと閉じた様子が見られます。
犬が集中している時に聴覚から情報を得ようとしているとしましたが、それと同様に嗅覚によって情報を探ることもあります。そのため、口を閉じることで嗅覚をより効果的に使うことが出来ると考えられているのです。
また、口を閉じるのは緊張や不安のあらわれでもあるので、未知のものに出会った時など興味と不安が入り混じっている時に口を閉じる仕草がよく見られます。
犬が集中している時の仕草③前足を上げる
犬が強い集中や周囲への警戒を見せる時に、片方の前足を折り曲げるようにしてヒョイと上げることがあります。
これは特に狩猟犬に多く見られる習性で、獲物を発見した時に姿勢を低くして前足を上げるのです。これは“ポイント”と呼ばれる仕草・ポーズで、飼い主(狩猟の相方)に獲物を位置を知らせるという働きを持っています。そうした本能を持つ犬が、散歩の途中で鳥や虫などを見つけて立ち止まって前足を上げている時は獲物だと思って集中しているのかもしれませんね。
ただし、獲物だと感じて集中力を見せている場合、対象のものに向かって突然飛びかかったり、走り出したりすることがあるので注意しましょう。
犬が集中している時の仕草④尻尾が立つ/水平にする
何かに興味を引かれた時や集中している時、尻尾を上に向けてピンと立たせることがあります。単純に気になるものがあるだけという場合もありますが、尻尾をピンと立てて小刻みに震わせている時などは、強く警戒している場合があるので攻撃行動などに出ないかしっかりと観察しておきましょう。
また、ポインターなどの狩猟犬が獲物を見つけた時に前足を上げて飼い主に知らせるのと同様に、尻尾を水平にして獲物の位置を知らせるということもあります。鼻先で獲物の位置を指し示し、尻尾を含めた体を一直線にして立ち止まるのです。
まとめ
犬が集中している時には耳、口元、前足、尻尾などさまざまな体の部位に変化があらわれます。その仕草から犬の集中や興味の強さを知ることが出来ますが、ひとつの変化が見られたからと言って必ずしも集中しているとは限りません。
犬のボディランゲージや仕草は、ひとつだけで判断するのではなく、全身の状態や他の部位の変化も合わせて確認することが大切です。犬の気持ちや心理をしっかりと把握するためにも、犬の仕草について深く知って欲しいと思います。