『フンフン』と鼻を鳴らす愛犬の心理を知ろう!
愛犬がフンフン…と鼻を鳴らすのを聞いたことはありませんか?においを嗅ぐときの鼻の音ではなく、鼻を鳴らして鳴く声のことです。その声はどこか切なそうに聞こえたり、軽く不満を訴えているように聞こえたりもするかもしれません。
さて実際のところ、犬がフンフンと鼻を鳴らすときには、どのようなメッセージが込められているのでしょうか?そこで今回は、犬が『フンフン』と鼻を鳴らすときに考えられる心理をご紹介したいと思います。
犬が『フンフン』と鼻を鳴らす心理
①何となく不安、寂しい
「不安だよ!」「寂しいよ!」という気持ちが強ければ、犬は大きな声で吠えたり鳴いたりして飼い主さんに訴えてくるでしょう。でもそこまでではなく、「何となく不安…」「何となく寂しい…」というときには、小さい声でフンフンと鼻を鳴らすことがあります。そのときの犬は尻尾を下げ、耳も少し寝かせていて、どこかしょんぼりしているように見えるでしょう。
②控えめな催促
落ち着かない様子でウロウロ歩いたり、飼い主さんをチラ見したりしながらフンフンと鼻を鳴らすときは、何か催促をしているのかもしれません。催促といっても、「ごはんはまだですか?」「散歩はまだですか?」というような控えめな催促です。
飼い主さんが食事や散歩の準備をしているときに、「早く食べたいな」「早く散歩に行きたいな」という気持ちから、フンフン鼻を鳴らすこともあります。
③ちょっと退屈、不満
少し退屈なときや、ちょっとした不満があるときにも、小さくフンフンと鼻を鳴らします。人がため息をつくときのように、何となく切ない表情をしていることが多いようです。強いアピールではなく、ささやかなアピールと考えていいでしょう。
声が小さいので聞き逃してしまいそうですが、こうしたささやかなアピールにもきちんと気づける飼い主でありたいものですね。
犬が『フンフン』と鼻を鳴らし続けるのは病気のサイン!?
犬が一時的ではなく、ずっとフンフンと鼻を鳴らし続ける場合は、病気が原因かもしれません。「分離不安」や「認知機能不全」が疑われます。
分離不安とは?
分離不安とは、飼い主さんと離れると大きな不安を感じ、問題行動や体調不良を起こす心の病気です。分離不安で見られる主な問題行動には、部屋の家具などを破壊する、粗相をするなどが挙げられますが、飼い主さんがいない間ずっと吠えたり鳴いたりし続けることもあります。
飼い主さんがちょっと用事を済ますために別の部屋に行っただけで、吠えたり鳴いたりするのなら要注意です。
遺伝的な気質、恐怖体験(飼い主さんの留守中に雷や地震などが発生して怖い思いをしたなど)のトラウマ、飼い主さんとの強い依存関係など原因は様々です。治療は行動療法がメインとなり、場合によっては薬物療法が併用されることもあります。
認知機能不全とは?
認知機能不全は、脳の萎縮やホルモン分泌の減少が原因で認知機能に障害が出てくる病気です。12歳以上から発症率が増加していくことが分かっています。認知症や痴呆、認知障害などと呼ばれることもあります。
トイレの場所を忘れて粗相をする、知っている人が分からなくなる、徘徊をする、睡眠と覚醒の周期が乱れるなど様々な症状が現れます。睡眠と覚醒の周期が乱れると昼夜が逆転して、一晩中吠えたり鳴いたりすることがあります。
治療は食事療法や薬物療法やサプリメントを用いたり、適度な運動などで脳に刺激を与えたりして、認知機能の維持や改善を目指します。
まとめ
愛犬が『フンフン』と鼻を鳴らすときは、ご紹介したような心理であると考えられます。ぜひ、愛犬の『フンフン』に込められたメッセージを読み取ってあげてくださいね。
飼い主さんの姿が見えなくなると鼻を鳴らし続ける、夜通し鼻を鳴らし続けるという場合は、分離不安や認知機能不全といった病気が疑われます。「もしかして…?」と思ったら、早めに獣医師に相談を。