犬が飼い主のトイレ中、ドアの前で待つ心理とは?
飼い主がトイレに入ると、愛犬がドアの前で待っている…という光景は、意外と珍しくありません。家の中で自由に歩き回れる環境を与えているご家庭では、よく見る光景だという方も多いでしょう。では、なぜ犬は飼い主のトイレ中、ドアの前で待っているのでしょうか。ここでは、その心理をご紹介します。
1.いつでも飼い主と一緒にいたい
とにかく飼い主さんが大好き!という犬の場合、家の中に飼い主さんがいるのであれば、どこへでも付いていくというスタンスをとっている犬も多いです。たとえ、それがトイレであっても付いていきます。
このような犬の場合、飼い主がトイレに入っている間、「まだ出てこないかな?」「早く飼い主さんに会いたいな」という心理で待っていることが多いです。1秒でも長く飼い主と一緒にいたいという思いから、トイレから出てきた飼い主さんにすぐ近付けるよう、トイレ前で待機していると考えられます。なんだか可愛いですよね。
2.飼い主がいなくなることへの不安
「飼い主さんと一緒にいたい」という気持ちは同じですが、その中に『不安』が混ざっているタイプの犬もいます。飼い主にとってはたかがトイレでも、犬からすると、「姿が見えない…不安だ」と感じてしまうのです。
この不安には、飼い主がもう帰ってこないのではないか、もう会えないのではないかという不安が隠されています。「そんな大げさな」と思うかもしれません。しかし、犬にとってはそれほど大事なのです。
外出時に吠えたり、後ろを付いてまわったり、あるいは帰宅すると部屋が荒らされているということはありませんか。これも同じように心理状態です。一般的に『分離不安症』と呼ばれる一種の精神病で、飼い主が見えないことに極度の不安やストレスを感じてしまいます。
分離不安症を放置してしまうと、犬自身も強いストレスを溜め込むことになりますし、エスカレートすると、自傷行為を行う犬もでてきます。普段から、適度な距離感を保ち、飼い主に依存しすぎないよう、飼い主側が適切な行動をとるが大切です。
3.トイレの中が気になっている
1日の中で、何度も飼い主が向かう『トイレ』という空間。「なぜ飼い主さんは、よくあの部屋に入るのだろう」と不思議に思っている犬も多いです。
その中でも、好奇心が旺盛な犬は、「トイレの中が気になる!見てみたい!入ってみたい!」とトイレの中に興味を示し、隙あらば入ってやろうという思いを持っている犬もいます。
そのため、飼い主さんが出てきたところを見計らい、トイレの中を探索してみようと考え、トイレの前で待機していることがあります。
4.飼い主がしていることを知りたい
飼い主がトイレに入ると、恥ずかしい話ではありますが、排泄する音やトイレットペーパーを出す音、トイレの水を流す音など、その場所でしか耳にすることのできない音がたくさん転がっています。
それらの音を頼りに、大好きな飼い主さんが何をしているのか知りたいという欲求から、わざわざトイレのドアの前まで行き、耳を澄まして確認している犬もいますよ。
トイレに入っている側からすれば「恥ずかしいからやめて!」と思ってしまいますが、犬にとって、仲間である飼い主が何をしているかは重要事項です。外出時から帰ってきた飼い主の匂いを嗅ぐのも、飼い主がどこで何をしてきたか確認するためです。
5.飼い主に付いていくことが当たり前!
飼い主を自身のリーダー的存在だと認識している場合、リーダーである飼い主に付いていくことが当たり前だと考えている犬もいます。いつも後ろをついてくるけれど、外出時などに落ち着かない様子を見せることはない…。そのような犬の場合、飼い主が必ず自分の元に戻ってくる頼もしいリーダーであることを認識していると考えられます。
そのため、リーダーがトイレに行けば、リーダーに付いていくことが当たり前だと考えている犬は、当然トイレのドア前まで付いていき、静かに待機します。なんだか頼もしいですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。トイレの前で待つという同じ行動であっても、犬によって理由はそれぞれ異なります。分離不安が疑われる場合は、まず飼い主と犬との間に正しい信頼関係を構築する必要があります。場合によっては、専門の獣医さんやかかりつけの動物病院で相談することを検討しましょう。