犬が抱っこをせがむ心理3選!
あなたの愛犬は抱っこが好きですか?足が地面から離れてしまい、自由に身動きができない抱っこの状態は不安を感じる個体も多いため、抱っこを嫌う犬も少なくありません。にもかかわらず「抱っこして」とせがむ犬は、飼い主さんのことをとても信頼していると言えます。
愛犬が怪我をしてしまったときや、災害時など咄嗟に抱っこしなくてはいけない場面もあるので、抱っこに慣れておくことはとても良いこと。とは言え愛犬にせがまれるままに、いつでもどこでも抱っこしてしまうのは良いことではないようです。まずは犬が抱っこをせがむ心理からご紹介していきます。
1.安心する
大好きな飼い主さんに甘えるように抱っこをせがむ犬は少なくないですよね。基本的に犬は撫でられるなど、人との触れ合いを好む動物です。抱っこは飼い主さんと体が密着する面が多いため、とても安心感を得ることができるよう。
抱っこしてもらいながら優しく声をかけてもらい、撫でてもらうことは犬にとって至福の時間となっているようです。
2.歩きたくない
お散歩中に抱っこをせがまれることはありますか?とにかく抱っこしてもらうことが大好きで、いつでも抱っこをせがむ子もいると思いますが、なかには歩き疲れて抱っこをせがむ犬もいます。
意気揚々とお散歩に出かけ、公園でたくさん遊び、帰り道になるとぴたりと立ち止まり、飼い主さんに前足を乗せ「抱っこして」と、真っすぐな瞳でとせがむ…。可愛くてつい抱っこしてしまいがちだと思いますが、頻繁に抱っこしてしまうと、その快適さから「抱き癖」がついてしまいますので注意しましょう。
3.寒い
寒い季節になると抱っこをせがむ頻度が高くなる子もいるのではないでしょうか?飼い主さんに抱っこしてもらい、体を温めたいときの行動です。寒さに弱いと言われる犬種、また小型犬は寒さに弱い個体が多いので、抱っこで温めてあげられないときは、寒さ対策も怠らないようにしましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
抱っこで安心する心理をさらに詳しくお勉強してみましょう。犬は抱っこをされると世界と切り離された感覚を強く抱きやすいです。どんな感覚かといいますと、現実世界を映画で見ているような感覚に変化しやすいのです。
あなたがアクション映画を見ていたとしましょう。映像の中では登場人物が危険なシチュエーションにあったとしても、それを見ているあなたの身には危険が起きませんよね。抱っこをしてもらっていると、犬はそれと同じ心理に変化すると言われています。
ですから外が危険な環境である時に抱っこをすると、外の危険から自分を切り離すことが出来るのです。そして愛犬は落ち着きを取り戻しやすい心理へと変わっていくのですね。
犬を抱っこしすぎるリスク
可愛い愛犬に抱っこをせがまれると、つい要求に応えがちかもしれません。特に子犬や小型犬だと、飼い主さんの身体への負担も少ないので、抱っこしすぎになってしまうこともあると思います。
犬は抱っこしすぎると「抱き癖」がついてしまう危険性があります。「抱き癖」がついてしまうと、あまり良くないこともあるようです。
わがままな性格になる
「抱っこをせがむ」という要求以外でも当てはまりますが、どんな要求にしても過剰に応えすぎていると、愛犬の性格がわがままになってしまう可能性があります。
要求に応えすぎるのは可愛がっているというよりは甘やかしている状態。抱っこしてもらえないと、吠える、唸るなどの問題行動に繋がってしまうこともあります。
分離不安症を引き起こす危険性
抱っこしてもらうことが好きな犬は、甘えん坊な性格の子が多いように思います。大好きな飼い主さんに包まれるように抱っこしてもらうことは、愛犬にとって心から安心できる時間で、幸せな気持ちでいっぱいなのです。
しかし、飼い主さんが抱っこしすぎている犬は、抱っこされていない状態を不安に感じてしまうこともあるようです。抱っこしてもらえない時間にストレスや不安を感じ、吠え続けてしまう個体もいるよう。そのストレスから分離不安症という病気を発症してしまう危険性もあります。
分離不安症は飼い主さんに対しての依存心が強く、離れ離れで過ごす時間に強いストレスを感じ、そのストレスから様々な問題行動を起こしてしまう病気です。極端な甘やかしも発症原因のひとつと考えられていますので、やはり要求に応えすぎるのは注意しましょう。
運動不足
お散歩中でも抱っこをせがみ、愛犬自身の足であまり歩かないようであれば、運動不足になってしまう可能性もあります。運動不足は筋力の低下はもちろん、肥満がもたらす健康被害のリスクもあります。
肥満が引き起こす病気は、関節痛や糖尿病、また肝臓の病気など重たい病気を発症してしまうこともあります。愛犬には必要な運動量をこなせるよう、しっかり歩いてもらいましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
リスクを知っておくことも必要です。わがままな性格や分離不安症になるのなら、抱っこをしていいのか迷ってしまいますね。簡単にできる対処法をお伝えします。「抱っこをせがむ行動を止めたらすぐにほめる」。これを繰り返して伝えましょう。
犬の心理の解説をしてきます。犬はなぜ抱っこをせがむ心理になるでしょうか?「甘えたい」「かまって欲しい」「安心させて欲しい」これらの心理から、抱っこをせがむ行動をします。犬の目的は「抱っこ」ではなく「気持ちを落ち着けたい」という目的になります。愛犬にはどうしたら飼い主さんが目的の行動をしてくれるかを考えさせます。「せがむのを止めた時」に「目的が達成される」ことを教え続ければ、自然とせがむ行動は減っていきますね。
まとめ
愛犬を抱っこするのは飼い主さんにとっても幸せな時間ですよね。たくさん甘えさせてあげたい気持ちもあると思いますが、甘やかしてしまっては愛犬のためにも良くありません。
すべての要求を拒否する必要なありませんが、「良い時」と「ダメな時」があることは愛犬にも理解してもらえるよう、さんが主導権を握って抱っこするようにしましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
私も愛犬からの要求を受け入れることは多々あります。ご飯をちょうだいと頼まれたり、遊びに対応したり、撫でてとせがまれたり。要求を聞き入れたからと言って必ずしも問題行動に繋がる訳ではありません。ポイントになるのが愛犬からの要求の出し方です。飼い主さんが困るような要求の出し方であれば、対応しない方が良いといえるケースが多いのです。
例えば抱っこをして欲しくて「吠えた」としましょう。これは困ると感じる人が多いと思います。しかし「顔を見てくる」で抱っこをして欲しいことを伝えてきたらどうでしょうか?困るどころか可愛く感じますね。これなら抱っこに応じても問題なさそうです。愛犬のどんな行動だと大丈夫かを判断して、要求を聞き入れる判断をしてみてはいかがでしょうか。