犬がケージから出ない心理①怖い・不安
犬がケージに入って出てこない心理として、ケージの外に何か怖いものがあるということが考えられられます。怖い・不安と感じる要因は様々で、いたずらをして怒られたときや外で大きな音がして驚いたとき、家族同士が喧嘩をしていてその雰囲気におびえている場合などもあります。
「ケージから出ることでまた怒られるかも」「怖い音・物から少しでも離れたい」といった気持ちからケージに入って出てこなくなってしまうのです。
何かに対する恐怖心や不安感からケージにこもっている場合は、ケージの中の犬がゆっくりと眠っていることなどはあまりありません。そのようなときは、外の様子を伺うように目や耳だけを動かして硬直していたり、ケージの一番奥に体を丸めていたりするでしょう。
そのような様子が見られるときは、まず犬は何を怖がっているのか、その要因を探ることが大切です。それらを取り除くか少しでも遠ざけた上で、犬が自ら出てくるのを待ってあげましょう。犬が怖いと感じているうちに無理やり引っ張り出すと、飼い主さんに対して不信感を抱くようになってしまったりするので、犬自身が勇気を持って出てこられるようにあたたかく見守ってあげてください。
監修ドッグトレーナーによる補足
非常に大切な項目です。犬にも外の恐怖と対峙して、悩んでいるんですね。
人間で例えるならばバンジージャンプを踏み出す一歩でしょうか。無理に突き飛ばすのはよくないですよね。それと同じで犬に自分自身で第一歩を踏み出せるように見守ってあげましょう。
犬がケージから出ない心理②体調が悪い
犬がケージから出てこないとき、体調に問題がある場合もあるので注意深く観察するようにしましょう。怪我をしていて動くと痛みを感じるためケージ内でじーっとしている場合もありますし、内臓疾患など目に見えない病気が原因でできるだけ動かないようにしている場合もあるでしょう。動物は体の痛みや苦痛を訴えることはほとんどせず、それを隠すように一人で過ごすようになります。
そのため、ケージなどに姿を隠して動かずにいる時間が増えたときは、体調に問題がないかしっかりと確認してあげるようにしましょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
体調不良のバロメーターとして役立つのが食欲です。いつもと比べてフードへの食いつきが悪い、残してしまう、一口も食べない、ということならば体調不良の可能性があります。
その時は獣医さんと相談されることをおすすめします。
犬がケージから出ない心理③安心している
犬がケージから出てこない心理として、前述したように「怖い」「体調が悪い」などネガティブな感情・理由を考える飼い主さんも多いと思いますが、必ずしもそうとは限りません。ケージにこもっている愛犬の様子をのぞいてみたとき、のびのびとくつろいでいたり、ぐっすり眠っていたりするようであれば、それほど心配しなくてもいいと思います。
元々ケージは、犬にとって安心して休める居場所である必要があります。一人でゆっくりと過ごすことのできる場所があることは、犬にとってもとても大切です。
そのため、犬がケージの中でくつろいでいてなかなか出てこないようであれば、そのまま休ませてあげましょう。無理やり出させようとしたり、むやみに声をかけて起こしたりすることで、犬はストレスをためてしまうかもしれません。ケージは愛犬にとって大切な“個室”なので、あまり出てこないときは犬の様子や体調を軽く確認する程度にし、異常がないようであれば好きに過ごさせてあげましょう。
まとめ
犬がケージから出てこないなど、普段と違う様子があると、飼い主さんは心配になってしまうでしょう。しかし、ケージの中で安心して眠っていたりくつろいでいたりするような様子が見られるときは、それほど気にすることはありません。ケージは犬が一人で安らぐことのできる大切なパーソナルスペースでもあります。そのため、ケージの中でゆったり休んでいるようであれば、居心地がいいということでしょう。
ただし、ケージの中で怯えたように外の様子を伺っていたり、体を丸めて震えていたりする、声をかけても全く反応しないなどの様子が見られるときは要注意。恐怖心や不安を感じていたり、体調に異常・異変がある場合があったりするので、しっかりと観察してみてください。