犬が『飼い主のニオイがするもの』を好きな理由
１．飼い主のニオイがするものを嗅ぐと前向きな気持ちになれる
犬が飼い主のニオイを嗅いだとき、脳にどのような反応が起きているのか、MRI画像の撮影による研究が行われました。この研究は、エモリー大学（アメリカ）の神経科学者が指揮をされたそうです。
すると、脳の中の“前向きな気持ち”をつかさどる部位に強い反応が起きるという結果が導き出されました。例えば、お留守番しているとき、犬は不安な気持ちや退屈な気持ち、寂しい気持ちでいるかもしれません。
そんなとき、飼い主のニオイがするものに身を寄せることによって、前向きな気持ちになる、ということなのではないでしょうか。しかし、この研究結果には謎も多く、なぜ飼い主（人間）のニオイに脳が強く反応するのか、その理由はまだ解明されていないそうです。
２．飼い主のニオイがするものを嗅ぐと快感を得ることができる
こちらも研究結果に基づくものなのですが、面白く興味深い論文を発見しました。犬が飼い主のニオイを嗅いだとき、脳の領域が活性化される、ということがわかったそうです。その中でも、特に“快感”をつかさどる脳の部位に強い活性化がみられたとされています。
飼い主のニオイを嗅ぐことで、良い期待感を持つことができるようです。例えば、飼い主のニオイを嗅いだとき、大好物のおやつをもらえたこと、褒めてもらえて嬉しかったこと、出かけた先で楽しかったことなどが思い出され、良い気持ちになれるということなのではないでしょうか。
なぜ犬は飼い主の靴下を好むのか
飼い主さんの脱ぎ捨てた靴下が大好き♡！というワンちゃん、いますよね。わざわざ飼い主さんが履いている靴下を脱がせてまで奪い取る、器用なワンちゃんもいるほどです。飼い主さんの靴下をケージやベッドに隠し持っていることも。
しかし、お洗濯したばかりの靴下ならまだしも、汗や皮脂やニオイが染みつき、外の汚れも付いているであろう脱ぎ捨てたばかりの靴下を好むのはなぜなのでしょうか。
やはり、冒頭でもご紹介したように、飼い主さんのニオイがしっかり染みついたものは、犬の脳に良い刺激を与えるのかもしれません。そして、犬には汚いという概念がありません。「そういえば、最近あの靴下が見当たらないな」と感じたら、愛犬のお気に入りの場所を探してみてください。見つかるかもしれません。
愛犬を預けるときは『飼い主のニオイがするもの』を一緒に
両親や友人、動物病院やペットホテルなど、愛犬を預ける機会があるかもしれません。そんなとき、キャリーバッグやクレート、ベッドやブランケットなど、普段、愛犬が愛用しているものを一緒に預けることがほとんどです。
しかし、飼い主のニオイがするものを好きな理由としてご紹介したように、犬が前向きな気持ちになれるもの、犬が良い期待感（快感）を持つことができるものである、飼い主のニオイがするものも一緒に預けると良いのではないでしょうか。
不安な気持ちや寂しい気持ちを少しでも減らしてあげることができるかもしれません。
まとめ
なぜ犬は『飼い主のニオイがするもの』が好きなのか？ということについて、２つの研究結果から導き出された答えについてご紹介しました。
- 飼い主のニオイがするものを嗅ぐと前向きな気持ちになれる
- 飼い主のニオイがするものを嗅ぐと快感を得ることができる
このように、飼い主さんのニオイは愛犬の脳に良い刺激を与えることができるとされています。飼い主さんのニオイがするものに身体をスリスリし、飼い主さんのニオイを自分の身体に付けようとする愛犬の姿を見たことはありませんか？飼い主さんの身体に直接スリスリし、飼い主さんのニオイを自分の身体に付けようとするワンちゃんもいますよね。
