1.興奮している
もう待ちきれない!ワクワク!
遊びの途中や「待て」をしている最中、散歩のときなどに歯をカチカチと鳴らしている場合には、興奮による動作である可能性があります。「楽しいことが始まる」という期待感により、身体の興奮があごのまわりの筋肉に影響し、歯を鳴らすという行動として表れることがあります。まるで武者震いのような状態ということですね。
落ち着け自分!
一方で、歯を鳴らすことで自身の興奮を鎮めようとしているという考えもあります。これは犬のカーミングシグナルと考えることができ、気持ちを抑えて平常心を保とうとする行為であるという可能性もあります。
2.敵意がないというアピール
他の犬や知らない人と出くわしたときに歯をカチカチと鳴らしている場合は、その相手に「敵意はないよ」とアピールしている可能性があります。この歯のカチカチは犬のカーミングシグナルとしての行為で、歯を鳴らすという行動によって相手とコミュニケーションを図ろうとしているのです。
上記で「歯を鳴らすことで自身の興奮を鎮めようとしている」という考えにも通じますが、犬にとって「歯を鳴らす」という行為が自分だけでなく相手にも作用し、相手がケンカ腰になってしまわないように歯を鳴らしていると考えられます。
3.不安を感じている
犬も不安や恐怖を感じると身体がガタガタ震えます。動物病院へ行ったときや何か怖い出来事があったときなどに歯がカチカチと鳴っている場合には、恐怖による身体の震えである可能性があります。また、歯を鳴らすことによって怖い気持ちを紛らわせている可能性もあります。何もないところで歯をカチカチさせている場合には、犬にしか聞こえないような音域で何かが聞こえて怖がっているということも考えられます。
4.歯の不具合が気になる
歯が気になるなぁ…カチカチ…
歯並びが悪い子や歯周病が進行して歯がグラグラしている子、子犬で歯が生え替わる頃など、何か歯に不具合がある場合にも歯をカチカチさせることがあります。痛みや不快感で歯が気になってしまって、歯をカチカチとさせたくなってしまったということが考えられます。歯周病や歯の痛みが原因で歯をカチカチ鳴らすことをチャターサインといいます。歯のカチカチがエスカレートしてしまうと、口腔内の粘膜を傷付けてしまう恐れもありますので注意しましょう。
歯周病の場合は早期治療を始めましょう
特に犬の歯周病は命にかかわることもありますし、痛みや不快感によって犬にもストレスを与えます。歯周病は放置して治るものではなく、むしろどんどん進行してしまいますので、できるだけ早めに治療を開始することをおすすめします。
5.匂いをもっと嗅ぎたい
納豆で愛犬がカスタネット状態に?!
最近ネットで「納豆を食べた後で愛犬がカスタネットのように歯を鳴らして、焦って病院へ行った」という話題が沸騰しています。愛犬が突然あごを震わせ始めたら、何かの発作かショックかとビックリしてしまいますよね。しかし、このエピソードの着地点は「納豆がおいしすぎて興奮した」という、なんとも微笑ましいもので安心しました。獣医さんは犬が興奮すると、カスタネット状態になってしまうことがあると知っていたのですね。
もっと匂いを嗅ぐためにカチカチさせている可能性も!
犬にとって匂いの情報はとても重要なものなので、鼻以外にも口の中に二次的に匂いを検知する部分があります。口の中にある匂い検知機能は「鋤鼻器(じょびき)」「ヤコブソン器官」と呼ばれており、口の中に空気を含むことで匂いを感知することができる部位です。このわんちゃんの場合、納豆という良い匂いをもっと嗅ぎたくて空気を口に含むために歯をカチカチさせていたのでは、という考えもあります。
まとめ
今回は「犬が歯を鳴らすときの心理」について解説いたしました。犬が歯をカチカチと鳴らしているときには、
- 興奮している
- 敵意がないというアピール
- 恐怖や不安を感じた
- 歯の不具合が気になる
- 匂いをもっと嗅ごうとしている
以上の5つが考えられます。
犬が歯を鳴らす行為は日常的に見ることが少なく、突然カチカチと鳴らし始めたらビックリしてしまいますよね。興奮や恐怖など心因的な理由であったり、カーミングシグナルとしての行為であったり、歯の不具合や匂いを嗅ごうとするという身体的な理由であったりと、犬が歯を鳴らすのは様々な理由があるのですね。